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新型コロナウイルスの感染拡大防止で
遺族や体験者らだけで焼香・供花

2020/04/14
 第49回神戸空襲犠牲者合同慰霊祭
 空襲体験者が少なくなってきている中、戦後75年を迎えた3月17日、神戸市兵庫区の薬仙寺で神戸空襲犠牲者合同慰霊祭が持たれた。
 新型コロナウイルス感染症の拡大と、高齢者が多く参列されることを考慮し、予定していた空襲体験談や神戸の戦争孤児のお話などは中止されたが、3千人近くの犠牲者を出した3月17日にはどうしても慰霊の時を持ちたいと、県や市の協力も得て世話人だけの慰霊祭となった。
 犠牲者の遺族や空襲体験者、何度も参加されている方など30人余りが静かに法要に参加し、焼香、供花を行った。
 箕面から毎年来ているという方は、「祖父が大輪田橋で亡くなったが、叔父はもっと強く引き止めれば命を失わせなかったのでは、と生涯悔やんでいた。自分の父も戦争中の大変さや父を亡くした戦後の苦しさを語り、亡くなる前に当時の詳細なメモを残していった」と語り、記録を手に大輪田橋やその近辺を歩きに来たと述べた。
 慰霊祭は、多くの命を奪い、人々に傷を負わせ、暮らしを破壊し苦しめる戦争を2度と起こしてはならないし、現在も続く戦争を止める力を持ちたいと改めて思う時だ。
 6月7日には、大倉山公園の「神戸空襲を忘れない―いのちと平和の碑」で犠牲者の刻銘追加式が予定されている。ぜひご参加を。(小城)
 
(写真)一般の参列をとりやめて関係者だけの30人余りで持たれた合同慰霊祭=3月17日、薬仙寺