新社会兵庫ナウ
地域ユニオンあちこちあれこれ(2023年2月8日号)
2023/02/08
労働組合の存在と活動の役割の大きさ
あかし地域ユニオンは、2月4日、第25回定期大会を開催する。いくつもの困難があり、検討し相談しなければならない課題は多いが、毎日の活動を続けながら解決の方法を考えたいと思う。
この大会も昨年の主な活動を報告し、働く者の要求を大切にその利益を守るために、どのように活動してきたのかが問われなければならない。
さまざまな仕事に就く労働者の声を聴いて、場合によってはその企業と交渉して強く感じることは、労働者保護のための労働法は今もなお企業の前で立ち止まっているということである。
したがって、労働組合の存在と活動が決定的に重要であることは、どれほど強調しても強調しすぎることはない。しかし、日本の労働組合組織率は最新の資料では16・5%であり、従業員99人以下の企業では0・8%に過ぎない。労働組合が無いに等しいのである。
労働組合の無い企業で働く労働者は、それがどんなに正しい要求や意見であっても、企業が真摯にそれを受け入れることなどほとんどない。
例えば昨年、あかし地域ユニオンに、「社長から『うちは有休がない』と言われている」「副業を希望しても聞いてもらえない」「残業代も全く支払ってくれない」などの相談が寄せられた。すぐにユニオンに加入してもらい交渉を申し入れる。交渉すると有休も副業も残業代も解決できたが、残業代の計算など担当者の苦労はあるけれど、ユニオンの活動としては大きなエネルギーを費やすことなく、一度の交渉で解決できるのである。このような経験から労働組合の存在と活動がどれほど重要であるかがわかる。
しかし、先にみ たように企業規模が小さくなるほど労働組合は存在しない。このためか、一部にはヨーロッパに例のある「従業員代表制」を法的に位置付けようとする意見もある。
2023年の春闘は、以前に例をみないほどの大きな注目の中にある。経団連は「賃上げは企業の責務」と言い切った。われわれもどん欲に賃上げを求めて闘いたい。(1月26日記)
金平博(あかし地域ユニオン委員長)