新社会兵庫ナウ

地域ユニオンあちこちあれこれ(2023年1月18日号) 熟年者ユニオン

2023/01/18
介護保険制度改悪反対の運動を

 昨秋から新聞紙上では「介護保険料の値上げ」「医療保険料の値上げ」「年金の支給年齢繰り上げ」等が連日の如く報道されていて、「老人イジメはやめてよ」の思いだ。
 熟年者ユニオンでは今年の運動課題として、介護保険制度の見直しと改悪反対を掲げた運動を行う確認をしている。介護保険制度は2000年から始まって、当初保険料の基準額2911円が、3年毎の値上げで20年度は6771円になっている。保険金の徴収が第1号保険料(65歳以上)は年金からの天引きで、年金80万以下の人も生活保護受給者も支払わねばならない。第2号保険料(40歳から64歳)はそれぞれの健康保険等から同時徴収されている。
 今年の年賀状の1枚に、「私が勤務する法人が介護業界トップに企業買収され、現場の混乱ぶりを目の当たりにしています」とあった。同様のことが昨年、たるみユニオンの組合員が働いていた介護施設であり、77事業所、職員1900人の企業に買収された。この組合員は、買収企業には従来の業務が無いとして採用されなかった。大規模化することにより介護用品(車椅子やベッド、および消耗品等)の一括購入で購入価格の切り下げができる。さらに介護現場での分業も進められる。
 厚労省の生産性向上推進事業(2019年予算)では具体的に①職員配置の見直し、②業務プロセスの構築(マニュアル化)、③介護ロボットの活用、④ICT化を挙げている。この事業を民間企業に委託して、介護事業者に推進している①〜④の事業が小規模企業より大企業の方が実施しやすく、投資メリットが出しやすいということであろう。生産性向上とは何が生産品(商品)なのか? 介護利用者は人間であり断じて商品扱いされてはならない。また、介護現場の労働者は作業内容が細分化され、画一化され、労働強化が行われる。
 今年の初めに介護保険制度の一端を見た思いである。介護保険の問題は広範囲におよび広く知ることが課題であるが、先述の如く40歳以上の第2号被保険者および介護労働者と共に連帯した運動が求められる。
菅沼祥三(熟年者ユニオン)