新社会兵庫ナウ

水脈(2022年12月14日号) 

2022/12/14
 師走に入るや急に寒さがやってきて本格的な冬の到来だ▼いつもとは違い北半球では冬の季節の中でのサッカーのワールドカップ開催だが、かつての「ドーハの悲劇」を消し去ってくれるような「ドーハの歓喜」をうみ出したサムライブルーの大活躍に、熱心なサッカーファンでなくても沸き立った▼耳慣れなかった「ジャイアントキリング」なる言葉も今回を機にさらに広がることだろう。そのジャイアントキリングを2度もやってのけた快挙は世界各国で驚きとともに絶賛され、中国でもネットメディアは「日本代表はアジアの光だ」とほめ称えたと報道されている▼だが、日本代表のスペイン戦での奇跡的な逆転勝利に酔った同じ2日、自公両党は、日本の防衛政策を根本的に転換させる敵基地攻撃能力を保有することについてあっさりと合意をしてしまった。翌3日の朝刊1面にはこの2つの記事が大きく並んだ。今後は年末の安保関連3文書の改定で敵基地攻撃能力の保有を明記し、攻撃的な武器の開発・配備が進められていくことになる▼スポーツでは中国からも称賛された国が、政治では「戦争する国」へと顔を変え、他国に軍事的脅威を与えていく国となるのだ。許してはならない