改憲の動きをウオッチング

(2022年11月23日号) 

2022/11/23
■安倍元首相と統一教会との癒着関係 深い闇が明るみに 創始者・文鮮明教祖の発言録
  毎日新聞がスクープした統一教会の教祖・文鮮明の発言録で、安倍家3代(祖父・岸信介氏、父親・安倍晋太郎氏、晋三氏)と統一教会との深いつながりが明るみに出た。
 文教祖の発言録で「1989年に韓国で行った説教で、自民党の安倍晋太郎元外相が当時会長を務めていた保守系派閥『安倍派』(清和会)を中心に国会議員との関係強化を図るよう信者に語っていた」。約53年分にわたり韓国語で記された文教祖の発言録615巻の中から毎日新聞が当該部分の記述を翻訳・確認し、判明した。発言録の性質について広報部は「文氏が韓国で語った説教をまとめた書物で、信者の拝読用に使用される」と説明している。
 また、発言録によると2004年9月16日の説教の中で「岸首相(の時)から私が(日本の政界に)手を出した」と振り返り、自ら岸氏に接近したことを示唆した。
  さらに、1989年7月4日、「国会議員の秘書を輩出する」「体制の形成を国会内を中心としてやる。そのような組織体制を整えなければならないだろう」とも語っている。
 加えて「日本の中央の国会議員たちだけではなく、地方もそうだ」と地方政界にも言及した。
 安倍元首相が率いた現在の安倍派を中心とした議員に統一教会との癒着が次々と明らかになっているが、清話会との関係強化を訴えた文教祖の発言が今につながっているわけだ。
  安倍元首相は、2006年に首相に就任するが(第1次政権)、その直後に文教祖(2012年に死去)が「安倍氏の『秘書室長』と面会するよう信者に指示していた」ことが、発言録で判明している。祖父の岸氏や父の晋太郎氏のつながりが 安倍元首相にひきつがれている。
  岸田首相は、安倍元首相と統一教会との関係について、国会や記者会見で調査するよう求められると、「本人が亡くなった今、確認するには限界がある」と逃げている。否、拒否している。
 発言録で、安倍派を中心に国会議員と文教祖の関係が明らかになった。
 安倍元首相と統一教会の関係を徹底的に解明する必要がある。
■補正合わせ軍事費GDP比1・04% 政府第2次補正予算案決定
 政府は11月8日、第2次補正予算案を閣議決定した。軍事費4,464億円、当初予算と合わせ5兆8,469億円に膨らんだ。軍事費の対国内総生産(GDP)比は歴代政権が目安としてきた1%を超え1・04%となった。当初予算では0・96%。岸田政権は、5年以内の軍事力の抜本的強化を目指しており、GDP比2%を目標においている。
  「今回の補正予算案の内訳は、馬毛島(鹿児島県西之表市)での米軍機訓練移転に伴う自衛隊基地整備費2,179億円。弾道ミサイル防衛のための地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の維持整備費などは324億円」(東京)。
 (中)