「新社会兵庫」 9月11日号
- 2カ月のがれき処理で中皮腫 西宮労基署が労災認定
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阪神・淡路大震災後の復旧作業に約2カ月間従事し、悪性胸膜中皮腫を発症して昨年10月に死亡した宝塚市の男性(当時65歳)が、8月10日に西宮労働基準監督署で労災認定されたことが明らかになった。NPO法人ひょうご労働安全衛生センターと男性の妻が8月24日、芦屋市内で会見した。震災から17年半、解体工事やがれき処理などでの石綿曝露による中皮腫の発症例が続いており、震災石綿禍の拡大が深刻に懸念される。
男性がアスベスト(石綿)に曝露したのは、95年2月から約2カ月間、アルバイトで従事した阪神間の震災復旧作業。破損した建物の屋根瓦や廃材の片付け作業、被災マンションの改修工事などでかなりの量の埃や粉じんが舞う状況の作業環境だったことが明らかになっている。が、わずか2カ月間の作業でがれき中の石綿を吸引したという認識は男性にはなく、後日困惑したようだ。
中皮腫の労災認定基準は、石綿曝露作業への従事期間が1年以上となっているから、2カ月≠ニいう短期間の作業での認定は異例のこと。西山和宏・ひょうご労働安全衛生センター事務局長は「復旧作業ではそれだけ大量の石綿が飛散していたということ。今後、被害の拡大が懸念される」「が、今回の労災認定で今後の類似案件に関しても補償・救済が拡がったといえる」と述べる。
阪神・淡路大震災時の石綿被害としては、08年3月、倒壊建造物の解体・撤去作業に従事した男性が中皮腫を発症、姫路労働基準監督署で認定されたり、がれき収集作業にあたった明石市の職員が今年5月に腹膜中皮腫と診断されたりしているなど、増えてきている。
東日本大震災の被災地でも同様のことが心配され、西山事務局長は「専用マスクの着用などきちんとした対策と行政の指導が急務であり、労働者だけでなく、一般住民の検診の強化なども必要だ」と提言する。
写真:ひょうご労働安全センターは電話相談を開設=8月25日
- 「さようなら原発・兵庫」が代表者会議
「さようなら原発・兵庫」(さようなら原発1000万人アクション兵庫県実行委員会)は8月28日、神戸市内で労組・地区代表者会議を開き、前回の会議(今年4月)以降に取り組んできた脱原発のための諸活動を集約するとともに、今後の取り組み方針などについて協議、確認した。
会議ではまず、「原発事故 何故、日本は過ちを繰り返したのか」と題して原発問題などの取材を続けてきたジャーナリストの粟野仁雄(あわのまさお)さんから問題提起を受けた後、事務局長の森哲二さん(自治労兵庫県本部)が、「さようなら原発・兵庫」として取り組んできた活動を報告し、今後の活動方針を提起した。「1000万人アクション」の今後の方針も見守りつつとして、@「さようなら原発1000万人署名」の継続(現在約800万筆集約)、A福井・原発フィールドワークの実施(10月6日〜7日、20人規模、現地反対運動との交流や原発立地地域の見学等)、B県集会―原発から自然エネルギーへ―の開催(12月11日、講師は後藤政志さん=元東芝・原子炉格納容器設計者=)の取り組みなどが提起された。
出席した労組・地区の代表者や個人から、「金曜行動」などそれぞれが取り組んでいる脱原発運動の現状報告も行なわれた。
写真:会議の前半はジャーナリストの粟野仁雄さんの問題提起を受けた=8月28日、私学会館
- 住民投票求める署名開始 明石
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明石駅前再開発の賛否は市民みんなの住民投票で決めよう―住民投票を求める直接請求のための署名運動が8月25日から明石市で始まった。呼びかけるのは「市民みんなで決める住民投票を実現する会(略称=駅前再開発・住民投票の会)」。6月末の結成後、受任者は700人を超えた。署名運動の期間は1カ月。会の目標は5万人。期間中、毎週土、日曜日は明石駅前広場で署名行動が取り組まれる。連絡先=078‐911‐5015 →関連記事
- 議会基本条例や公契約条例で
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兵庫自治政策研究会の夏季研修会が8月22、23日の両日、加西市内で開かれ、新社会党の県自治体議員団会議のメンバーらが参加した。
研修会では、@加西市議会基本条例について、A公契約条例の取組みについて、B消費増税法の問題について、を柱に研修・交流を深めた。
議会基本条例では、森元清蔵・加西市議が条例制定の経過と背景や条例の特徴点について講演。条例制定の背景には中川暢三・前加西市長(同氏は現在、橋下大阪市長のもと大阪市北区長に登用)の独断専行の市政運営や市業務包括民間委託計画などがあり、議会との間の緊張が高まったこと(2度の市長不信任議決)や、議会が住民代議機関としての権能と役割を十分に果たす必要があったことが強調された。
公契約条例制定の取組みについては、都築徳昭・尼崎市議から、過去の市議会での条例否決の課題点に触れつつ、現在改めて足元からの条例制定を目指す活動を広範囲に展開するため、「尼崎市公契約条例の制定をめざす会」が8月初旬に発足したことが報告された。また、加西市でも西村和平市長のマニフェストで条例制定が明記された優位性も生かしつつ、市民の幅広い結集の必要性から「加西市を豊かにする公契約条例づくり連絡会議」を結成、条例制定を求める要望署名が始められていると報告された。
研修会では、他にもさまざまな課題が報告されたが、自治体をめぐる課題は市民の命とくらしに直結する問題だけに、改めて住民自治の主体としての市民要望活動の活性化とともに、運動などを通じた主体の強化を同時に取り組むことの重要性を再認識した。
(M)
写真:3つのテーマを柱に合宿で自治政策の研修・交流=8月22日、加西市
- ろっこう医療生協オープンセミナー
ろっこう医療生活協同組合(灘区・村上正治理事長)は8月30日、被災地で支援活動に取り組む振津かつみ医師(兵庫医科大学・遺伝子非常勤講師)を講師に招き、福島原発事故を考えるオープンセミナーを中央区の県福祉センターで開いた。110人が参加した。
講師の振津さんは1991年に「チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西」を立ち上げ、チェルノブイリ原発事故の被災者支援を20年以上にわたって続けるとともに、福島原発事故以降はその経験を生かして福島県で健康相談や調査活動も続けている。そうした活動に対して今年7月、「核のない未来賞」(※)を受賞した。
「福島の放射能汚染と被ばくを考える」と題する講演で、振津さんは「福島原発事故によって放出された放射能の量は広島型原爆168発分(セシウム137で比較)だ」として、「『放射線管理区域』(セシウム137、134で4万ベクレル/u以上)に相当するレベルの放射能汚染地が広範囲に広がり、そこにいま400万の人々が暮らしている。これが現実だ」と指摘。「とくに、放射能に対しては大人の3倍の感受性を持つ子どもの健康管理に、チェルノブイリの経験にも学びながら十分な注意と対策を払わなくてはならない」と提起し、「原発事故、放射能汚染、被ばくをもたらした国、電力会社、専門家などの責任が厳しく問われるべきだ」と強く批判した。そして、「今の世代が生きている間にはフクシマの問題は解決がつかない。その世代の責任として考えていかねばならない」と締めくくった。
【※】「核のない未来賞」=ドイツに本部を置く反核団体フランツモール財団が設けた賞で、これまで日本人では、平和市長会議と秋葉忠利・前広島市長(2007年)、写真家の樋口健二さん(2001年)が受賞しており、振津さんは3人目。
写真上:講演する振津かつみさん=8月30日、神戸市 写真下:セミナーには110人が参加した
- 映画「内部被ばくを生き抜く」の上映など
「憲法を生かす会・神戸西連絡会」が主催する「2012西神戸平和のつどい」が8月25日、新長田勤労市民センターで開かれ、110人が参加した。同連絡会は、兵庫・長田・須磨・垂水の各区の憲法を生かす会がつくるもので、集いは昨年に引き続く主催。
鎌仲ひとみ監督のドキュメンタリー映画「内部被ばくを生き抜く」の上映と、福島から淡路島に避難してきた煙山享さん(IIYO楽園=いいよがくえん=代表)の報告が行なわれた。
映画は、原発事故による放射能汚染のひとつの脅威である内部被ばくの問題に焦点をあて、「内部被ばくの時代をどう生きなければならないのか」を4人の医師の体験、研究を通じて問うもので、参加者はスクリーンに釘付けになった。
煙山さんからは、「福島で3人の高校生が心筋梗塞で亡くなったとの情報がある」「出たゴミは出した所に戻すのが当たり前。放射性物質の拡散はやめて、早く人を移動(避難)させるべきだ」「原発からの放射線を受けていない日本国民はゼロに近い」「私は淡路でシェアハウス(空き家を提供してもらい福島からの避難者を受け入れる)に取り組んでいる。ぜひご支援を」などの報告を受けた。
会場からは「子どもは1週間だけの避難でリバウンドはないのか?」「福島での脱原発の闘いの状況は?」「神戸でも関西電力前での集会を企画している」など活発な質疑・討論がなされた。子ども連れの若い主婦の参加も目立った。
(小)
写真:集いに参加した110人は福島から避難している煙山亨さんの訴えにも耳を傾けた=8月25日、新長田勤労市民センター
- 兵庫県農業問題懇話会らの実行委員会が開催
- 兵庫県農業問題懇話会、I女性会議ひょうご、(有)ぴぃぷるの3者でつくる実行委員会主催の「『食』と『農』を考える兵庫のつどい」が9月29日、神戸市兵庫区で開かれる。
「食」と「農」を考える兵庫のつどい
● 9月29日(土)13時30分
● 兵庫勤労市民センター(JR兵庫駅・山側)>
★ 講演「健康づくりと『食』」 鳴海 妥さん(ろっこう医療生協・医師)
★ 報告「丹波の農業事情」 阪東農場(篠山市)
◆ 産直農産物の試食と交流もあります!
◆ 資料代 500円 ◆ 電話 078-361-3655
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