西灘の酒蔵 (明石市江井島)
 灘五郷と呼ばれる神戸の東灘に対し、明石の西部は「西灘」と呼ばれる酒どころで、明石の江井ヶ島界隈に蔵が点在し、江戸時代から300年以上の歴史を誇る。酒造りに欠かせないのが水と米だが、この地に僧行基が掘り当てたと言われる井戸水など良質の「水」が豊富であったことと、播磨地方で作られた「酒米(谷米、今は山田錦)」があったことに起因する。 明治時代の最盛期には酒蔵が60軒ほどあったそうだが、今は江井ヶ島酒造(代表的銘柄・神鷹)、太陽酒造(太陽、赤石)、茨木酒造(来樂)、明石酒類醸造(明石鯛)、大和酒造(大和鶴)、西海酒造(空の鶴)の6軒のみ。新酒の試飲会を催したり、酒蔵を利用した寄席などのイベントを企画したり、ウイスキーを造ってみたりと、この6軒の酒造会社はそれぞれに趣向をこらして頑張っている。
 画にしたのは山陽電鉄「江井ヶ島駅」から南へ徒歩5分にある太陽酒造の酒蔵正面。「新治さかぐら寄席」の案内チラシに載っていたスケッチ画に惹かれて描きに行った次第。これまで何度か江井ヶ島界隈の酒蔵を描きたくて車で訪ねはしたが、道が細く入り組んでいて迷路を抜けるのに四苦八苦、酒蔵を探すどころではなかった覚えがある。
 南の海岸に出ると、明石海峡大橋を前にして漁港や砂浜の海岸が広がり、夕日が美しい場所でもある。
(嶋谷)
2019年11月26日号