円通寺 (丹波市氷上町)
 やがて紅葉の秋を迎える。「丹波紅葉三山」に数えられる青垣町の高源寺(第5回)、山南町の石龕寺(第74回)はすでに取り上げたので、今号は残る一つの円通寺を。 国道175号で西脇、黒田庄を抜けて北上し、氷上町のはずれ近くの道路標識で折れて進み入ると山裾に円通寺がある。北近畿豊岡自動車道を使えば氷上ICを下りて10分ほど。紅葉のシーズンには道端にもみじ祭りの幟がはためき道案内をしてくれる。
 この寺は、将軍足利義光が御円融天皇の勅命により創建したという曹洞宗の名刹。ご本尊は如意輪観世音菩薩。現在の本堂・庫院などの建築物は江戸時代に再建されたもの。
 参道入口付近のもみじのトンネルをくぐり上がって行くと、緑、赤、黄の見事なグラデーション。仁王門から中に入れば左右に放生池が広がる。鯉が泳ぐこの池の周りの紅葉が一際きれいだ。本堂前に水琴窟があり、竹筒の上端に顔を近づけると澄んだ音が聞こえる。傍に「躍然遠挙」と書かれた山岡鉄舟揮毫の苔むした石碑も立つ。本堂裏手に樹齢700年の大杉の他に、樹齢を重ねたタブの木や糸桜があり、いずれも市の天然記念物指定。参道沿いには西国33カ所の観音石仏が並ぶ。
 この丹波路、他にも岩瀧寺、高山寺、達身寺、白毫寺、慧日寺など、もみじの見事な寺が数多くある。
(嶋谷)
2019年10月22日号