天満大池 (加古郡稲美町)
 前回の「万葉の森」の1キロほど南の印南野台地の中に、甲子園球場の8倍超の広さをもつ「天満大池」がある。1300年以上も前の飛鳥時代後期に築造された県下で最古のため池で、すぐ近くにある加古大池に次いで県下2番目の大きさを誇る。 兵庫県は全国で最もため池が多い県だそうで、その数は4万個とか。とりわけ東播磨地域は「ため池王国」とも呼ばれる。降雨量の少ない瀬戸内気候の地なので、大量のため池が必要だったのだろう。農林水産省は、歴史や景観そして農業での重要な役割を果している池を「ため池百選」として選んだが、県下ではこの池をはじめ6カ所が選ばれている。
 この池には絶滅危惧種指定のアサザやオニバスも群生する。初夏から秋にかけて水草のアサザが早朝に黄色の花をつけて見事に水面を埋め尽くす。 池のほとりにある天満大池公園には遊具やバーベキューサイトもあり、釣りやバードウオッチングを楽しむ人の姿も多く見られ、休憩できるスペースもたくさんあるので、憩いの場として住民に親しまれている。 池の中には、満水や池の保全を祈願して弁財天が祀られている。池の北側に広々とした境内をもつ天満神社があり、ここの秋祭りは神輿を池に投げ込んだ後、それを氏子たちが飛び込んで担ぎ上げるという勇壮で豪快な珍しい神事で有名。
(嶋谷)
2019年7月23日号