- 福知渓谷(宍粟市)
-
山崎から鳥取に向かう国道29号の一宮町の安積橋で右に折れて川沿いに遡って行くと福知渓谷の案内板が出てくる。そこで右に折れるとすぐに福知渓谷の入口。雪彦峰山県立自然公園に属し、清流が岩をはむ山深い渓谷で、ひょうご風景100選にも選ばれた奥播磨を代表する景勝地の一つ。
十数年前、渓谷に入ってすぐのいろりの宿に泊まったことがある。木々に囲まれた露天風呂が緑に溶け込んで心地よく、丁度その時期、宿の近くで強く弱く光を放ちながら蛍が舞い、幽玄の世界を醸し出していたのを思い出す。
この渓谷には宿泊施設やキャンプ場も整備されていて、新緑、紅葉、蛍のシーズンには多くの人が訪れる。この渓谷に別荘をもつ作家・田辺聖子の文学碑が町営福知渓谷休養センターの前に立っている。《このあたり 福知渓谷といって、清い流れが岩をかんで、しぶきを散らし、両側の緑が濃く、風もまっ青に感じられる。眺望絶佳の場所である。田辺聖子著「すべってころんで」より》いたるところで巨岩から清流が砕け落ち流れ下る。
渓流沿いに林道を奥に進むとススキの名所、砥峰高原に通じるのだが、通行止めになっていることも何度かあった。車1台がやっと通れる狭い林道のため、運転に必死でのんびりと渓谷美を楽しむ余裕は持てなかった。
(嶋谷)
2018年11月13日号
|