呉錦堂顕彰碑(神戸市西区)
 神戸を拠点に活躍した貿易商・呉錦堂は、舞子の六角堂を建てたことや神戸市西区神出町の開拓などで知られる。
  神出町の雌岡(めっこ)山麓は、山田川疎水ができる明治末期までは水の確保が難しく山林であった。疎水がひかれたのを機に呉錦堂が私費を投じて神出町小束野地区を開拓した。  1957年に建立された顕彰碑には、「水田約60町歩を開墾し、また、用水池として宮の谷池と小束野池を築造、繁栄の基礎をつくられた功績は誠に大きい」とある。この碑を建立した小束野地区の人びとの多くは、呉錦堂が提供した入植者用の無償の住居からこの地での農家としての生活をスタートさせた。
 呉錦堂関連の碑は、この他に宮ノ谷池を呉錦堂池と改称しその功績を称えた碑など4か所にある。
 ちなみに、呉錦堂の屋敷は雌岡山北西の山裾にあり、白壁造りの酒蔵に似た建物だったという。今では、農産物直売所やレストランがある兵庫楽農生活センター「かんでかんで」があり、農をテーマにしたイベントなどが行われている。
【メモ】神戸電鉄志染(しじみ)駅から南西へ1キロ。楽農センターからは北へ1キロの地点。ため池が点在する山里。散策に良い。
写真:舞子の六角堂を建てたことでも知られる貿易商の呉錦堂あ神出町小束野地区を開拓したことを顕彰する碑
2018年10月23日号