明神滝(宍粟市波賀町)
夏の山を形容して「山滴る」という。紅葉の渓谷もいいが、広葉樹林の緑滴る天蓋の下を、渓流の水音を耳にしながら歩くのもまた楽しい。
 国道29号で鳥取へ向かい、引原ダムの手前の「音水(おんずい)渓谷」への誘導看板で左折して小さな集落を過ぎると、ほどなく渓谷の入口。ここから8q余り、音水川に沿って渓谷が続く。ブナ、クヌギ、ミズナラ、カエデなどの広葉樹を中心に杉や檜が混じる。比較的平坦な林道だが、次第に凹凸が激しくなってくるので早々と車を置き、歩いていくと間もなく「明神滝」の案内板が道端にあり、林道から100bほど入るとそこに明神滝があった。二条の渓流が同じ滝壺へと落下して流れて行く。落差は12mと高くはないが、姿は清らかで周囲の緑とのコントラストに魅せられる。渓谷の奥深い谷間には樹齢200年以上の天然杉が残っている。この音水渓谷は、近くに名瀑原不動滝や赤西渓谷なども点在し、氷ノ山後山那岐山国定公園と音水ちくさ県立自然公園に指定され、水源の森百選やひょうごの森百選などにも選ばれている。この渓谷の終点から登山道を登って行くと波佐利山(1192m)に達する。「山粧う」秋の紅葉の時期にも訪ねてみたい渓谷である。