飛翔の碑(加古川市志方町)
 高砂市と加古川市の市境にある高御位山(たかみくらやま。別名、播磨富士)は、標高304m。古代から山岳崇拝の聖地として播磨一円の厚い信仰を集め、多くの登山者で賑わっている。山の南側は、目もくらむばかりの垂直の断崖だ。
 その頂上に「飛翔」と銘を刻んだ碑が建っている。1961年(昭和36年)に有志によって建設された滑空記念碑である。1921年(大正10年)10月17日、志方町(加古川市)の渡辺信二さんが、ここから関西で初めて(日本人としては全国で初めてと言われている)グライダーでの飛行を行い、成功したのである。
 当日、町の10人ほどの人も手伝って、分解されたグライダーを高御位山山頂まで運び上げて組み立て、渡辺さんが乗ったグライダーを担ぎ上げ、一気に前方に突き放した、との記録があり、計画地近くに着陸できたので、参集者一同は大成功と喜び合ったそうだ。時に、渡辺さんは21歳だった。
 渡辺さんはその後、航空学校を卒業、わが国初の民間水上飛行士の免状を得たり、甲子園での全国中等学校野球大会(現・高校野球)の開会式の飛行にも参加した。しかし、1926年(大正15年)4月6日、郵便飛行中に事故が発生し神戸沖に墜落、殉死した。
【メモ】JR宝殿駅から、成井登山口へはかこタクシーで(成井)フロッシュ前下車(日曜、祝日、年末年始は運休)。長尾、鹿嶋神社登山口へは神姫バス鹿島神社行きで長尾か鹿島神社で下車。
写真:1921年に関西で初めてのグライダー飛行が行われた高御位山の頂きにはそれを記念する碑が経っている