- 浄土寺浄土堂 (小野市)
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小野市の中央を南北に貫く小野バイパス国道175号の浄谷町の標識から少し入った静かな村里の台地に、新西国客番霊場極楽山浄土寺があり、境内の西に国宝に指定された浄土堂が建っている。12世紀末、奈良東大寺の復興事業に奔走していた僧重源によって建立され、かつては播磨高野として大いに栄えたと言われる。東大寺南大門とともに「大仏様」という中国から伝来の建築技法が用いられ、お堂としては我が国唯一のもの。
本尊は名仏師快慶作の阿弥陀三尊像で、中央の阿弥陀如来は像高が5m超の巨大な立像。晴れた日の夕刻に堂の背後の蔀戸を開け放つと、背後から西日が射し込み、堂内全体が赤く輝くように染まって雲座の上に位置する三尊像が浮かび上がり、阿弥陀如来が西方浄土から雲に乗って来迎する様を表すよう光の演出効果を計算して造られているという。がらんとした堂の中央部に3体の立像が東を向いて立ち、ぐるりと一周するとどの角度からでも拝めるように配置されている。外国からの青年が通訳とおぼしき女性に案内されて境内を見学している他は、夕刻の散歩を楽しむ村人が見られるだけの寒々とした夕暮れであった。
(嶋谷)
2017年3月28日号
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