- 西宮市立平和資料館(西宮市川添町)
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西宮市は、空襲によって市域の20%が焼け野原になり、1万5300戸が全焼全壊、6万6500人が被災し、637人が犠牲になった。
多大な人びとの犠牲のうえに敗戦を迎えたが、この資料館には、日米開戦から破滅にいたる過程を市民の暮らしや出征兵士の戦地での様子などを時系列で展示するにとどまっており、規模も内容も極めて不十分と言わなければならない。
「館」と言うから立派な建物かと思いきや教育文化センターの1室にあり、専門スタッフもいない。アリバイ的に設置しているのかと疑いたくなる。それに、国内でも有数の軍需工場の川西航空機が戦争末期には地下工場建設のために朝鮮人を強制連行、市北部に地下壕を建設したが、これについてきちんと記録されていない。また、西宮が『火垂るの墓』の主要な舞台でもあるにもかかわらず、これまた無視した形だ。展示のトーンも、「戦争はイヤだね」で終わっている。戦争になった原因は何か、戦争をなくすためにどうすればいいのか、の視点がない。
★西宮市川添町15―26 電話0798・33・1298。阪神香櫨園駅から南へ徒歩6分。開館は10時から17時。月曜休館。入館料無料。
2016年12月27日号
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