メリケン波止場 (神戸市中央区)
 波止場のすぐ近くに米国領事館があったことで、「アメリカン」の原音発音から「メリケン」波止場と呼ばれるようになった神戸港は来年、開港150年を迎える。阪神・淡路大震災でこの港も甚大な被害を受け、その震災当時の状態を保存した神戸港震災メモリアルパークがこの一角に設置されているが、今は開港150年のイベントに向けて施設の再配置を含めたメリケンパーク全体のリニューアル工事のため、これらを含む広い範囲が工事用フェンスで立ち入り禁止になっている。
 ブラジル移民第一船の「笠戸丸」がここから出航したし、第2次大戦後は米軍に占有されて朝鮮戦争やベトナム戦争時には米艦船がこの港から出撃していった。1974年に全ての突堤の返還が完了、商業港として栄えていくが、港の平和利用を求め、入港する外国艦船に非核証明書を提出させる「非核神戸方式」を生み出した。海岸通にはその碑が立つ。また、近くには大戦時徴用されて沈没した民間の船とその船員とを記録する「戦没した船と海員の資料館」もある。幾多の歴史をもつこの波止場から六甲の山並みを背にビルの林立する港町神戸を眺めるのが楽しい。

(嶋谷)
2016年11月08日号