- 箱木千年家 (神戸市北区)
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裏六甲の丹生山・帝釈山登山のため、神戸電鉄箕谷駅から市バスで終点の衝原(つくはら)に出て、湖の東岸から登った。三木市に接する神戸市北区山田町の衝原湖は東西に長く、中央部を山陽自動車道が縦断し、西端に呑吐(どんと)ダムがある。この湖は明石市、播磨町、稲美町や流域自治体に灌漑・上水道を供給することを目的に20年ほどの歳月を費やして約30年前に建造された人造湖で、ダム建設のため山田川沿いにあった集落は全て水没となった。
現存する民家建造物の中では日本最古と推定される重要な文化財・箱木千年家(はこぎせんねんや)も水没の危機に遭うが、約70メートル東南の造成地に移築されて保存公開されている。
箱木家は地元の豪族・別所氏に仕え、後に庄屋となった一族で、入母屋造茅葺きの母屋は室町期の建立と推定され、江戸期に造られた「離れ」が増設されている。屋根が巨大で、軒が極端に低い。母屋の右半分がにわ(土間)で左半分の床上部は3室に区切られ、客間と台所と納戸となっている。土間にはかまどと厩が併設されていて、昨年10月に載せた姫路市安富町の「千年家」と似た間取りになっていた。
(嶋谷)
2016年6月14日号
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