東条湖 (加東市黒谷)
 中国自動車道ひょうご東条ICから車で北へ10分ほどの位置に東条湖はある。酒米山田錦の金色の稲穂が輝き、柿の実がたわわな播州路を辿って東条湖を訪ねた。
 加古川左岸の播磨中部丘陵地帯の灌漑用として64年前、加古川水系東条川支流の鴨川に戦後初の国営コンクリート製の鴨川ダム(スケッチ画手前)が造られ、それによってせき止められてできた人造湖が東条湖で、東西2㎞、南北5㎞でひょうたん型をなし、湖底には農家7戸、51人が生活していた土井集落が眠る。自然豊かな緑の森に囲まれ、四季折々に美しい湖の風景が楽しめる。白鳥型の遊覧船やボート漕ぎ、ブラックバス釣りなどを楽しむ人もいるが、直ぐ傍にある東条湖おもちゃ王国に子どもを遊ばせに訪れる人の方が多いようだ。東条湖が出来てほどなく絶叫マシンや観覧車などを備えた若者向けのレジャー施設東条湖ランドが開発され、最盛期には年間60万人の来場者で賑わったそうだが15年前に廃園となり、今は子ども向けのおもちゃ王国と装いを新たにしている。
 東条湖の直ぐ近くには西国第25番札所の播州清水寺もある。
(嶋谷)
2015年11月10日号