- 千年家 (姫路市安富町)
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前回の「鹿ヶ壺」の帰途、その名に惹かれて立ち寄ったのが安富ダムの南の皆河にある「千年家」。バス停から坂を上がってすぐの集落の中に、入母屋造り、茅葺屋根のこの旧古井家住宅がある。民家としては全国でも1、2を争う古い遺構といわれ、資料がないため定かではないが室町末期のものとされている。
建立以来何度も重修され、部材の取り替えや間取りの改変がなされた後、腐朽や破損が著しくなり半解体修理がなされた。重要文化財として国の指定を受けた後、町が購入して公園として整備して公開している。ただし、家の中は土・日・休日以外は公開されていないが、外でスケッチをしているとたまたま市の職員が電球の取り換えに来られ、中に入れてもらえた。
家の中に入るとすぐ横手に馬小屋が配され、農業の家仕事のための土間が広くとってあって敷地の半分を占めている。居室部の半分がおもての間で、床下に亀石という大きな石があって、厄除けとして祀られている。茶の間に囲炉裏があり、そこは床板のかわりにすのこ竹が敷き渡されゴザが敷いてある。黒く煤けた内部は夏でも意外と涼しかった。(嶋谷)2015年10月13日号