坂越まち並み館 (赤穂市坂越)
 坂越(さごし)湾と千種(ちぐさ)川をつなぐ大道沿いには、旧庄屋や酒蔵など伝統的な建造物群が残っている。大正期の銀行支店の建物という「まち並み館」はその中心部にあって、町並み保存運動の拠点となっている。
 古くは7世紀半ばの渡来人伝説をはじめ、菅原道真や宣教師ルイス・フロイスにまつわる伝承がある。17世紀になると廻船業の拠点として発展する。一方で港の西北を流れる千種川の舟運も活発になり、高瀬舟の発着場と港を結ぶ大道はおおいに賑わった。このためか、多くの港町が海沿いに展開しているのに対し、坂越港の中心は海岸から離れた大道沿いにある。
 波静かな瀬戸内の坂越浦には、緑豊かな原生林におおわれた生島がぽっかりと浮かび、観光客を和ませる。近くの大避神社の祭礼「坂越の船祭り」(瀬戸内三大船祭り)や冬場のカキも人気の的だ。
 坂越は赤穂城下よりも歴史が古く、忠臣蔵の浅野家以前は、坂越が赤穂の表舞台を担った。入母屋造りの重厚な家並みのそこここに沢山の物語が眠っている。
★赤穂市坂越1446-2 電話0791-487770 JR赤穂駅から神姫バス坂越港下車。開館は10時から16時。火曜休館。無料。
写真:坂越湾と千種川をつなぐ大道沿いに残る旧庄屋や酒蔵など伝統的な建造物群の中心部にある
2014年9月23日号