赤穂市立有年考古館 (赤穂市有年)
 考古館はJR有年駅の北西1・7キロに位置する。千種川と矢野川が合流するこの一帯では、縄文以降の遺物が多数出土している。今日では竪穴住居や墳丘墓などの遺跡が復元・整備され、「過去を、旅しよう。」のキャッチフレーズで、小学校の体験学習や周辺遺跡の散策会などが企画されている。
 同館は1950年、当地の眼科医・松岡秀夫氏によって設立された。当初は「日本一小さな考古館」としてスタートしたが、2010年に市に寄付され、同年末にリニューアルオープンした。
 手作り感あふれる展示が施されており、親しみやすい考古館になっている。主な展示遺物は縄文・弥生期の土器、銅鐸の寿型片、三角縁神獣鏡、埴輪,須恵器など。
 現在、「蟻無山古墳の時代~播磨に渡来人来る」の特別展が開催中(9月15日まで)。蟻無山古墳は考古館近くの標高70㍍の丘陵の頂上にある。千種川や有年一帯が眺望できる絶好の場所に5世紀末、渡来人の指導のもと、径約52メートルの円墳が築かれたという。民俗資料館も併設されている。
★赤穂市有年猶原1164の1 電話 0791-49-3488。JR有年駅から北西へ25分。開館は10時から16時。火曜休館。入館料無料。
写真:右側の木造の建物が玄関で、西暦1900年(明治33年)建設の旧有年町役場
2014年8月26日号