姫路城 (姫路市)
 奈良の法隆寺とともに日本で初めて世界文化遺産に登録された姫路城(別名・白鷺城)は、今年登録20周年を迎えている。
 5年前から始まった大天守保存修理も来年3月の一般公開を目前に大詰めを迎え、今は大天守をすっぽりと覆い隠していた素屋根も取り除かれ、白く輝く屋根や白壁が姿を見せている。真新しい漆喰の白さに、以前の姿に馴染まぬとの評判もあるが、やはり美しい。昭和の大修理が全面解体の大規模な修理であったのに比して、今回は漆喰の塗り替えや破損瓦の取り換えなどの化粧直し的な比較的軽微な修理であった。修理作業の模様が公開されていたのでエレベーターで大天守まで上がって観ることもできた。
 戦時中、姫路城のこの白壁が非常に目立ったので、黒く染めた網で城の主要な部分を覆い隠したという。姫路には陸軍の部隊が置かれ且つ軍需産業の拠点でもあったため、敗戦の直前の7月3日、空襲を受け城下は焼き尽くされた。大天守にも焼夷弾が直撃したが、不発であったことなどで、城郭建築の焼失は免れた。翌朝、焦土の中に建つ姫路城を見て、姫路市民は涙したという。
(嶋谷)
2014年8月12日号