神戸市立小磯記念美術館 (神戸市東灘区向洋町)
 神戸モダニズムを代表する洋画家・小磯良平を顕彰して20年前に開館した。遺族から寄贈された約2千点を収蔵、随時公開する一方、年数回の特別(企画)展を開催し、美術ファンらの人気を博している。
 東京美術学校在学中に、〈T嬢の像〉が帝展の特選に輝き注目された。その後、3年のヨーロッパ遊学を挟んで約60年間、西洋絵画の伝統を意識した制作活動に取り組んだ。 多岐にわたる作品のなかで、優美なコスチュームをまとった女性像をモチーフとした作品群は「小磯良平の世界」と評される。その穏やかで洗練された美しさは今も観るものを魅了してやまない。このほか、神戸銀行(当時)の依頼で作成された〈働く人びと〉は、50年代復興期の生き生きとした神戸を今に伝える。
 小磯は1938年から1年間、藤田嗣治らと従軍画家として中国に渡り、戦争高揚のための絵を描くが、戦後は「心が痛む」として、戦後のどの画集にも収録しなかったし、公開もしていない。
★神戸市東灘区向洋町中5―7 電話078―857―5880。六甲ライナー「アイランド北口駅」下車、西へ徒歩3分。開館は10時から17時。月曜休館。入館料=一般200円。
写真:美術館の敷地内には小磯良平のアトリエが移築されている
2012年12月25日号