- 平池公園 (加東市)
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古代の香りを放つ大賀ハスが植生する平池公園は、小野と社を結ぶ国道沿いにある。記憶では以前は雑草の生い茂る池であったが、今は見事に整備され、5月の頃は色とりどりの花菖蒲が水辺に咲き競う公園になっている。大賀ハスが開花したとの新聞記事を見て訪れたので、大小いくつかあるどの池のハスもちょうど開花中で、白、黄、ピンクと清楚に輝いている。
60年前、千葉県の検見川遺跡の地中7mの青泥中より、古代人の使っていた丸木舟などとともに3粒の種子が発掘された。蓮の研究で有名だった大賀一郎博士が苦心の末、1粒の発芽に成功し、翌年2千年の時を経て素朴な花を咲かせた。そのため、大賀ハスとも2千年ハスとも言われる。鳥取県林業試験場で育てられていたこのハスの種を、平池水生植物公園の名物にすべく譲り受け、85年からは毎年6月下旬から8月上旬にかけて、直径20pもある大型の淡紅色の素朴な花びらをつけ、その姿は古代の雰囲気を醸し出している。
2千年の眠りから覚めて可憐に咲く花に、近代的に整備された池のたたずまいとカメラを手に訪れた現代人の姿はどう映っているのだろう。(嶋谷)2012年8月28日号