- 伽耶院 (三木市)
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山陽自動車道・三木東ICを下りてほどない浅い山の谷間に、山伏の寺として知られる天台系修験道の寺院・伽耶院(がやいん)がある。7世紀半頃、法道仙人が毘沙門天のお告げによって建立したと伝えられる寺で、全盛期には数十の堂宇と130余の坊があったといわれるが、秀吉の三木城攻撃の際に全山が焼失し、後にその一部が再建されて現在に至る。本堂、多宝塔、木造毘沙門天立像等が国の重要文化財となっている。
「入山料」の立て札に「お一人につき草ひき十本」と書かれていてほほえましい。体育の日の採燈大護摩には、山伏姿の修験者が近畿一円から集まり、全山に法螺の音がこだまする。
伽耶という寺名から、朝鮮の三国時代の百済と新羅の間にあった伽耶諸国の伽耶に何らかの縁の寺院だろうと思ったが、法道仙人がどういう人物か知らない人には朝鮮との縁が由緒書きでも分からない。金達寿著の『日本の中の朝鮮文化』には開基は百済国人法道仙人、本尊の毘沙門天像は百済聖明王の子童男行者になる、との記述があって朝鮮縁の寺と分かる。春は桜、秋は紅葉の名所で、訪れる人は多い。(嶋谷)2012年4月24日号