湯村温泉 (美方郡新温泉町)
 鳥取県に近い山峡の閑静な湯治場として知られ、「湯けむりの郷」とも呼ばれる山陰の名湯・湯村温泉は、平安時代に慈覚大師によって開湯されたと伝えられている。
 街の中心部に「荒湯」と呼ばれる噴出泉があり、その源泉温度は98℃と日本一の高温で、毎分470gと湧出量も豊富なため、余った分は春来川に流れ、冬には川から湯煙が立つ。また、この豊富な湯は旅館だけでなく各家庭にも配湯され、湯村の生活に欠かせないものとなっている。この「荒湯」で温泉たまごを茹でる観光客の姿は湯村温泉独特の風景となっている。温泉会館「薬師湯」は、露天風呂やサウナも完備した共同浴場で、無色透明の湯は肌がすべすべの美人の湯。「荒湯」の傍の春来川沿いに設けられた「足湯」は天然かけ流しで、目の前の川で泳ぐ鯉を眺めながら、のんびりと足を暖める人気のスポット。「湯めぐり札」を買って「七福神湯めぐり」をするのも一興。指定された旅館の内湯や外湯をめぐると一湯ごとに人形がもらえて、七体で七福神が揃うという趣向。
 NHKドラマ「夢千代日記」のロケ地となって以来、「夢千代の里」とも呼ばれる。
(嶋谷)
2012年2月28日号