- 室津港 (たつの市御津町)
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室津の地名は奈良時代の「播磨国風土記」に「室と号(なづ)くるゆえは、この泊、風の防ぐこと室の如し。かれによりて名をなす」に由来すると言われるように、三方を小高い山に囲まれ、風待ちができる良港で、「摂播五泊」の海駅として栄えた。港町として栄えた1300年の歴史の中で栄華を極めたのは江戸時代。参勤交代で西国からの大名のほとんどが船でここに到着し、ここから陸路江戸へ向った。また、江戸時代の朝鮮通信使の12回の来日のうち11回の瀬戸内海航行のすべてで往復路、ここに寄港している。
この江戸時代の面影を残す資料館が、港の中心にある室津海駅館や民俗館で、そこから岬にある賀茂神社へと湾に沿って曲がりくねった町並みは、歩くごとにその風景を変えていく。
また、海岸の高台にある浄運寺は、法然上人の弟子信寂上人が地元の長者の寄進を受けて1185年に開かれたと伝えられ、その門前には遊女「友君」の墓石がある。法然上人が専修念仏を禁じられ、都から讃岐に流される際、舟でこぎ出した友君という遊女が上人の説法を聞き、得度して念仏往生を遂げたと伝えられる。(嶋谷)2011年9月27日号