「新社会兵庫」 2020年3月10日号
 昨年2月の沖縄県民投票で「辺野古埋め立てNO!」の民意が改めて示されてからちょうど1年。それでも辺野古の埋め立てが政権によって強行されている。このときの防衛大臣の発言が「沖縄には沖縄の、国には国の民主主義がある」……。これほど民意と地方自治を愚弄した発言があろうか。辺野古の問題は、まさに日本の民主主義に関わる問題として問われている。成功した堺市をはじめ各自治体に辺野古の埋め立て中止の意見書採択を求める運動が広がっているが、神戸市会にも意見書採択を求めようと神戸でも署名運動が始まった。2月23日、沖縄から稲嶺進さん(前名護市長)を招き、署名運動のスタートアップ集会が中央区の私学会館で開かれた。
 この署名運動に取り組むのは、党派を超えて多くの市民団体が参加・賛同している「神戸市への辺野古請願署名実行委員会」だ(連絡先=西信夫さん 080・5631・7699)。 集会は、小野純一さんの沖縄と連帯する歌と演奏で始まった。
 つづいて前名護市長の稲嶺進さんが登壇し、「辺野古の今」と題して、辺野古の埋め立てをめぐる攻防の現状などを訴えた。
 埋め立て反対72%を示した昨年の沖縄県民投票(19年2月24日)からちょうど1年ということもあり、稲嶺さんの話は県民投票のことから始まった。「岩屋前防衛相のとんでもない発言に日本国民はそう怒らない」「全国知事会へ住民投票の結果を尊重すべきかと沖縄県がアンケートしたところ、『すべき』との回答は2県のみで他は回答なし」と現状を厳しく指摘し、「国防ではなく『民意を尊重するか否か』というだけの問題なのに」と悔しさをにじませた。
 さらに、埋め立てをめぐる攻防の焦点がいま、海上抗議行動、シュワブゲート前、土砂搬送の塩川港入り口、琉球セメントの桟橋と広がり、運動のエネルギーが分散されていると報告し、現地に行ってほしい、現地を知ってほしいと訴えた。
 また、軟弱地盤の問題などにも触れ、新基地建設は実際には不可能だが、「解決するには時間がかかる。時間が解決すると言っても待ってはいられない。責任世代として、今できること、しなければならないことを見つけて行動する。その後ろ姿を子どもたちに見せないといけない。闘いをやめるわけにはいかない」などと熱く語った。
 その後、事務局から署名運動についての提案があり、当面5万筆を目標に署名運動に取り組み、6月の神戸市会での採択をめざすとされた。
 集会の最後には、議会内で連携する立場から、つなぐ議員団のあわはら富夫、高橋ひでのり両市議と共産党議員団の森本真議員の3人から連帯の発言があった。
写真:(上)参加者からの質問に答える稲嶺進・前名護市長、(下)集会前に記者会見する稲嶺進さん=2月23日、神戸市中央区
 「3万円の無料乗車券を廃止するな」「福祉パスから母子世帯を外すな」「近郊区110円をなくするな」―。予算案を審議する神戸市会開会日の2月18日、神戸市役所の周辺には高齢者や市民の声が響きわたった。
 市役所1号館前では敬老・福祉パス制度の改悪に反対する集会と市役所を包囲するデモ行進が行われ、この間、改悪反対の署名運動などに取り組んできた「敬老・福祉パス制度をよくする会」と「敬老・福祉パス制度の維持・拡充を求める実行委員会」などから120人が参加した。
 集会では、主催者の「よくする会」代表の古谷太郎さん(年金者組合)のほか、「実行委員会」代表の山ア貢さん(熟年者ユニオン)があいさつ。山アさんは、改悪反対署名3446筆を2月7日に神戸市に提出したことを報告し、「マルイ前での署名活動では、北区の人が『“近郊区110円”の制度が廃止されると三宮にも来れなくなり、自分の生活も文化も奪われる』と話してくれた。市は市民を苦しめるな」と怒りを表した。3人の高齢者からも切実な思いの訴えが行われた。
 市会からは共産党議員団の森本真市議と、つなぐ議員団のあわはら富夫市議(新社会党)の2人が連帯あいさつを行い、あわはら市議は、「神戸市は持続可能な制度を維持するというが、今回の改悪は小さな声を切り捨てるものだ。母子世帯が福祉パスから除外されるのは許せない。利用しやすい制度づくりに全力をあげる」と訴えた。
(菊地)
写真:「敬老・福祉パス制度は維持・拡充を」と訴えて神戸市役所を周回するデモ=2月18日
 「市民と野党の長田共同アクション」が主催する浜矩子さん(同志社大学大学院教授)の講演会 が2月16日、新長田勤労市民センターで開かれ、270人が参加した。
 「『安倍政治』から希望の持てる社会へ 日本経済への提言」と題した講演で、浜さんは、安倍政治は“21世紀版大日本帝国”をめざす「下心政治」、「政治の私物化」、「ファシズム」であり、たいへん危険だと話をきり出した。
 発足当初からの安倍首相の政策を整理し、本来、経済政策は均衡を保持し弱者救済のためにあるが、アベノミクスは外交政策を支え国防費を増やすためのものだと批判。「働き方改革」については、企業が最も活躍しやすい国作りであり、最大の狙いは「フリーランス」、即ち、労働者の枠組みをはずし、労働法の適用を受けない労働者づくりで、「人のモノ化」だと指摘した。また、「キャッシュレス化」は、金の記号化、暗号化だとし、個人の金の流れをチェックし、預貯金を制約し、ファシズムを支えるものとなると述べた。私たちが目先の便利さとわずかな利益にごまかされて使っていることが、「考えない人づくり」としてファシズムへの布石になっていると指摘した。
 「希望の持てる社会」として目指すべきは、「ケアリングシェア社会」という分かち合いの社会だと提起し、安倍政治の闇軍団との綱引きはきっと私たちが勝つと強調した。
(小城)
写真:講演する浜矩子さん=2月16日、神戸市長田区(写真は共同アクション事務局提供)
 昨年5月5日、病気のために71歳で亡くなった元新社会党兵庫県本部執行委員であり、有限会社ぴぃぷるの役員であった丸山清成さんを偲ぶ会が2月15日、100人を超える人が出席して神戸市内で開かれた。
 丸山さんは日本社会党時代に芦屋総支部の専従を経て同総支部の委員長に就任(1991年)。兵庫県本部が分裂状態に陥った時には県内を走りまわり、県本部正常化連絡会、「護憲社会党」の結成に尽力した(1994年)。新社会党結党にともない護憲社会党が新社会党兵庫県本部へと移行するや、県本部執行委員として党建設にまい進してきた。その一方、ボランティアで有限会社ぴぃぷるの運営に関わり、党を側面から財政的に支援する活動も献身的に担ってきた。
 偲ぶ会は、昨年10月12日に予定されていたが、台風19号のためにこの日に延期されていた。
 偲ぶ会の冒頭、6人の呼びかけ人を代表した岡ア宏美さん(ぴぃぷる社長、新社会党兵庫県本部初代委員長)と友人代表の津野公男さんのあいさつに続き、丸山さんの足跡を映像で振り返るとともに、長く丸山さんと労働運動や党活動を共にしてきた8人の先輩や仲間がそれぞれ丸山さんとの思い出などを語り、誰からも慕われ、尊敬された丸山さんの人柄や献身的な活動ぶりを偲んだ。
写真:故丸山清成さんを偲んで呼びかけ人の岡崎宏美さんが冒頭にあいさつ=2月15日、神戸市中央区
 「安倍9条改憲NO!西宮芦屋市民アクション」の主催による「改憲阻止と野党連合政権実現へ!」と掲げた集会が2月24日、西宮市で開かれた。
 講演を行った上脇博之さん(神戸学院大学教授)は、「安倍首相は、昨年の参院選で改憲勢力の議席が3分の2を割り込み、自民党も単独過半数を割ったことなどは顧みず、逆に『憲法改正は必ずや私の手で成し遂げたい』と言い放っている。政治の私物化によって起きた“モリカケ、桜、IRカジノ”疑惑などに対しては釈明どころか、検察をも支配下において隠蔽しようとしている。その姿は、憲政国家の長として許されるものではない。内閣支持率の急落は当然だ」などと述べた。そして、最後には「前回の3000万署名は、改憲の国民投票を断念させるもの。今回の『改憲発議に反対する全国緊急署名』は安倍政権の退陣につなげる“安倍ピリオド署名”だ。必ず成功させよう」と呼びかけた。
 集会には、立憲4野党(立民、共産、社民、新社会)と市民派議員、さらに市民団体などからも連帯のあいさつとメッセージが寄せられた。
 署名行動の成否は、政治に不信感を抱き、投票に行かない市民にどれだけ署名してもらえるかにかかっている。自信をもってねばり強く取り組みたい。  
(奥山)
写真:「今回の署名運動は安倍ピリオド署名だ」と訴える上脇博之・神戸学院大学教授=2月24日、西宮市
 「安倍改憲NO!市民アクション東灘」が主催する学習会が2月15日、東灘区民センターで開かれた。「日常化する有事の現状〜神戸の陰影」をテーマに、坪井兵輔さん(阪南大学准教授)が講演し、34人が参加した。
 民放で様々なドキュメンタリーの作成に関わってきた坪井さんは、「観光都市の美しいイメージとは裏腹に、1868年の開港以来、神戸は台湾や朝鮮半島など近隣諸国への植民地支配の拡大とともに発展してきた。日清・日露戦争で財をなした船商人たちは競って邸宅や別荘を建て、栄華の跡は旧乾邸など東灘区内にも残っている。神戸は植民地への進出窓口として、国内外の軍事産業とも深く関わりながら戦争推進の役割を担ってきた」と、豊富な映像資料を示しながら、戦前からの歴史を解説した。
 特に神戸をはじめ阪神間には、多数の軍事関連の工場施設があったため、戦争末期の米軍による空襲は熾烈を極めた。戦後も、神戸と軍事産業との関わりは続き、三菱重工や川崎重工は日本で唯一、潜水艦の建造を続けており、哨戒艇(沿岸防衛)を製造している新明和(旧川西航空機)などとともに「武器輸出の最前線」となっている。掃海艇(機雷除去)の基地である海上自衛隊阪神基地が存在している。こうした日常のすぐ隣にある「有事」の現状などが報告された。
 空港や高度医療施設を有し、船舶の建造・修理や物資の補給など、兵站機能にも優れた神戸は、米軍にとって「使い勝手の良い」後方支援基地として狙われており、それだけに核積載艦船の入港を認めない「非核神戸方式」のいっそうの重要性を再確認する学習会となった。
(岡)
写真:坪井兵輔さんが「日常化する『有事』の現状」と題して神戸の陰影について講演した=2月15日、神戸市東灘区
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緊急学習会
   「新型コロナウイルス問題と安倍政治」

ますます広がる新型コロナウイルス感染。初動対応の誤りを拭うためか、 安倍首相は大規模イベント等の自粛に引き続き、2月27日には独断に よる「政治決断」で全国の学校の一斉休校を要請、教育現場や市民生活 に大きな混乱と困惑が生じさせた。さらに、3月9日からは具体的な根 拠も明らかにしないまま中国と韓国からの入国制限を強化する一方、新 型インフルエンザ等対策特別措置法を「改正」し、行政側には強い権限 が与えられ人権にも制約が出る”緊急事態宣言“を発しようとしている。 こうした一連の事態に、私たちは「安倍政治」の何をみるのか、どう考 えるのか……。
  • 3月24日(火) 18:30
  • 兵庫県私学会館101号
  • 講師:高作正博さん (関西大学法学部教授)
  • 参加費800円
  • 憲法を生かす会・ひょうごネット 078・361・3655