「新社会兵庫」 2019年12月10日号
 安倍改憲を許さない運動の一環として、この間、毎年5月3日と11月に憲法集会を開いている「戦争させない、9条壊すな!総がかり行動兵庫県実行委員会」は11月27日、講師に水島朝穂さん(早稲田大学法学学術院教授)を招き、秋の憲法集会を神戸市勤労会館で開いた。集会に参加した300人は、エネルギッシュに語る水島さんの講演に吸い込まれるように聴き入り、日々疑惑が広がる「桜を見る会」問題の追及で安倍政権を追い詰め、退陣へ追い込む共闘運動をさらに強めようと誓いあった。
 冒頭、主催者を代表して羽柴修弁護士があいさつ。「最近起きている表現の自由の圧殺、命・人権が軽んじられる風潮に民主主義の危機、かつてのファシズムの影を感じる。息を整え、明日に備えよう」と訴えた。
 続いて「危ない日本の憲法診断―立憲か壊憲か」と題して水島朝穂さん(写真:右)が講演を行った。水島さんは、最新の情勢を鋭い切り口で、安倍政権にまつわる興味深い情報をも紹介しながら読み解き、憲法とは何かという本質や改憲をめぐる論点をわかりやすく、ときには面白い話題も織り交ぜて参加者の関心を引き付けながら、一気に2時間近くを精力的に語り続けた。
 講演はまず、「『今』を象徴する危ない『モノ』語りから」として、具体的なグッズも見せながら、憲法の軽視、無視、蔑視という「立憲主義からの逃走」は安倍政権をはじめ、世界的な傾向と指摘。
 さらに、安倍政権の改憲手法を「『9条加権』は憲法改正ではなく『憲法の改ざん』だ」と批判した。また、@情報隠し、A争点ぼかし、B論点ずらし、C友だち重視、D異論つぶし、という安倍政権の5つの統治手法にも言及した。
 そして、憲法改正に対しては「対案」はいらないこと、改憲理由が不十分なら憲法は変えないということだけだ、と力説した。
 最後に、「『究極の歴史的公文書』である憲法の改ざんを許さないために」として、3つのことを提起。@世界的に「トランプファースト」のような「自分ファースト」がいっそう進むなかで「自分ファーストでなく連帯へ」と切り替えていくこと、Aフェイクにだまされないこと、思考停止状態を脱すること、B安倍政治を止め土俵をつくり直すこと、社会の仕切り直しが必要なことを訴えた。
 さらに、運動への示唆として、自然体こそが大事だなどと、今が安倍政権を追い詰める好機だと参加者を元気づけた。
写真:300人が参加して水島朝穂さんの元気が出る講演に聴き入った=11月27日、神戸市勤労会館
 この1年間で延べ87人を逮捕するなどの全日建関西生コン支部に対する異常な刑事弾圧を許さず、あたり前の市民運動・労働運動を守ろうと、「声をあげよう!弾圧ゆるすな!11・16全国集会」が大阪市の西梅田公園で開かれ、全国から1200人が結集した。
 掲げられたスローガンは、「全日建関生支部つぶしを許さない!憲法28条、労働3権守れ!」「沖縄の民意をつぶすな!新基地許すな!」「民主主義をこわすな!表現の自由守れ!」の3本。
 集会では、呼びかけ人の藤本泰成さん(フォーラム平和・人権・環境共同代表)、山城博治さん(沖縄平和運動センター議長)、竹信三恵子さん(ジャーナリスト)、熊沢誠さん(甲南大学名誉教授)らが並ぶなか、代表して藤本さんが主催者あいさつ。「労組法は正当な争議行為について刑事罰、民事罰を免じている。関生支部の活動は何の違法性もなく、全く正当なものだ。こんな不当な弾圧を絶対に許してはならない」と訴えた。
 その後、3つのスローガンに沿うように、全日建連帯中央本部の菊池進執行委員長がこの間の弾圧の経過などを報告し、反撃への決意を述べた。つづいて山城博治さんは、関生支部の沖縄反基地闘争支援へのお礼を述べるとともに、自らが受けた弾圧のことや沖縄の民意を無視しつづける政府の強権的、差別的攻撃を強く糾弾した。「表現の不自由展・その後」をつなげる愛知の会の高橋良平さんからの発言もあった。
 「弾圧やめろ」のポテッカーを一斉に掲げてのアピールや川口真由美さんのパワフルなミニコンサートを挟み、弁護団からの状況報告、124人の連名で関生弾圧に抗議した自治体議員からの連帯アピールとつづいた。
  最後に集会決議を採択したのち、1200人の参加者は、大阪地裁までの約2キロのコースを呼びかけ人を先頭にデモ行進した。
写真:「弾圧やめろ」のポテッカーを一斉に掲げて集会の意思をアピール=11月16日、大阪市・西梅田公園
 今回で8回目となる、灘区・東灘区平和マップを歩く会が主催の平和マップウォークは11月16日、好天の下、中央区の三宮・元町周辺を、マップ作成者の小城智子さんの説明を聞きながら歩いた。
 三宮駅高架の銃弾痕は、JR三宮駅改札口から阪急やポートライナー駅にむかう歩道橋入り口に確認できた。低空飛行のグラマン機が放った銃弾が貫通したり、鉄板がめくれあがったりした痕が多く見られた。灘駅から新長田駅の高架には、焼夷弾や爆弾で焼けたときの熱や煙の痕もあるそうだ。
 次に、1945年6月5日の空襲で600発の焼夷弾が降り注ぎ、森や社殿が焼失した生田神社へ。観光客や七五三詣りの人たちで賑わっていたが、神社の近くに住んでいた西阪さんに空襲時の様子を語ってもらった。焼夷弾で家々が燃え、逃げ惑う少年ら、犠牲になった人々の無残な姿や風景のことが話された。
 その後、ムスリムモスク、栄光教会、兵庫県公館、神戸教会を訪ねた。神戸教会では、撤去予定だった公会堂市道前の溝蓋の敷石を、平和を願って今も保存している。
 激しい空襲に見舞われた地域に74年を経た現在にもその傷跡は平和への思いとともにしっかりと残っていた。
(井上みち子)
写真:生田神社では空襲体験を聞く=11月16日
   熟年者ユニオン(山ア貢会長)は結成20周年を記念して11月17日、藤田孝典さん講演会を神戸市勤労会館で開いた。
 藤田さんは、NPO法人ほっとプラス代表理事や聖学院大学客員准教授などを務める、反貧困運動をリードしてきた若手の活動家。『下流老人』『続・下流老人』(ともに朝日新書)で高齢者の貧困問題をいち早く発信し、社会問題化させた。
 この日も「絆を切るな」をテーマに、主には高齢者の問題に焦点をあてて深刻化する貧困の現実を告発し、その解決のためには何をすべきかなどを提起した。
日本の高齢者(65歳以上)の貧困率は19・4%でOECD加盟国(34か国)中、4番目に高い数値。5人に1人が貧困という状況だ。さらに単身高齢男性では38・3%、単身高齢女性となると52・3%が貧困で、いまふつうに暮らしている人たちにも貧困が広がっていると指摘。また、高齢者の犯罪が年々増加している現実も紹介。生活保障のないこと、絆が断たれ孤立していることがその原因だ。だが、貧困は「自己責任」などではなく構造的なものだ。富の偏在にほかならない。
 70〜80年代の総評労働運動などがつくってきた社会保障制度などが削り取られている。弱者が分断されている。
 こんな状況を変えていくのは社会の力関係。労使の力関係が変われば社会は変わる。富の再配分で貧困は解決できる。
 何よりも連帯と共闘が必要だ。いま、一人でも入れる地域ユニオン運動は社会を変える大きな可能性をもっていると重視し、期待感を持っている。
 高齢者はぜひ当事者としてもっと声をあげてほしい。いろんなツールを駆使して若者に発信してほしい。「冗談だが」と断りながら「死ぬまで活動してほしい」と訴えた。
写真:(上)講演する藤田孝典さん、(下)「絆を切るな」をテーマに高齢者の貧困問題を取り上げ連帯・共闘を呼びかけた=11月17日、神戸市勤労会館
 ひょうご地域労働運動連絡会(酒井浩二議長)は11月16日、神戸市中央区の私学会館で第16回総会を開いた。
 冒頭、酒井議長は「『桜を見る会』問題など安倍政権の権力の私物化体質がさらに露わになっている。そして、前代未聞の関西生コン支部に対する刑事弾圧の暴挙。安倍政権の民主主義破壊にどう向き合うかがいま問われている」とあいさつ。
 総会議事ののち、宍粟地区労、全港湾神戸支部神戸交通振興分会、神戸ワーカーズユニオン甲南学園サービス分会、JPネットからそれぞれ闘いの報告があった。
記念講演はジャーナリストの西谷文和さん(写真)。「戦争のリアルとアベ政治のウソ」と題し、これまで安倍首相やトランプ大統領などが発信してきたウソを映像を交えながら紹介し、批判した。
 西谷さんはまず、2016年7月の南スーダンPKO派遣で自衛隊宿営地付近であった戦闘について紹介。安倍首相は国会で「戦闘ではなく衝突。PKOとの関連は認められない」と答えたが、自身の現地取材をもとに「実際には政府軍の近くに反政府軍のアジトがあり、宿営地を銃弾が飛び交っていた。実際に怪我をし、その後、死亡した自衛官もいた。帰還した自衛官にPTSDが広がり、自殺者を2人出している。この事実を隠すために日記を隠したのだ。イラクの日報隠しも同じ」と指摘した。
 他にも、原発、沖縄米軍基地、日韓問題などにも触れ、「マスメディアを買収・支配し、真実を報道させない。国民に嘘のイメージを植え付けている」など、政権や大企業が 仕掛ける情報操作の危険性を指摘した。
 最後に「世界の下層の人々33億人の資産とトップ16人分の資産が同じ。99%の私たちがあきらめずに私たちの選択をすべきだ。“忘れない、あきらめない、だまされない“―これが大切」と締めくくった。
(石上)
インフォメーション
いのちとくらしの映画祭with湯浅誠U
  • 日時=12月15日(日)12時30分〜16時30分
  • 場所=神戸市教育会館大ホール(定員200名(先着順)
  • 内容=映画上映会「1945年の精神」(ケン・ローチ監督)、講演会「身近にある貧困から目をそらさない、自分事として考えよう」湯浅誠さん(法政大学教授)
  • 料金=当日1200円、前売り1000円(大学生以下、低所得者、障がい者は半額)
  • 主催=実行委員会(コープこうべ、コープ自然派兵庫、市民デモHYOGO、熟年者ユニオン、フードバンク関西)
神戸市の敬老パス・福祉パスの改悪反対
    敬老パス・福祉パスを広げる会発足集会
  • 日時=12月21日(土)14時〜
  • 場所=兵庫勤労市民センター・講習室
  • 参加費=無料