「新社会兵庫」 2019年11月12日号
 全日本建設運輸連帯労組(連帯ユニオン)関西生コン支部に対する刑事弾圧は異常を極める。2018年7月以降、滋賀県警、大阪府警、京都府警、和歌山県警で87人の組合員が逮捕され、起訴された者は72人にのぼるという異常事態だ。長期拘留も常態化し、武建一委員長らの拘留はすでに400日以上に及ぶ。逮捕理由は「威力業務妨害」、「恐喝未遂」容疑。ストライキで行った、事業者への要請行動やビラ配布行動などの労働組合としての当たり前の行動が犯罪行為とされた。こんな不当を許せば、今後、労働運動だけでなく市民運動にも同様の刑事弾圧が及びかねない。関西生コン支部への刑事弾圧に対し、兵庫でも支援の輪を広げようと10月23日、「労働組合つぶしを許さない!兵庫集会」が神戸市内で開かれ、110人が集まった。
 9月26日に開かれた賛同人会議で立ち上げられた実行委員会が主催の集会は、呼びかけ人の1人である上原康夫弁護士(ひょうご労働法律センター代表)による集会趣旨を訴える主催者あいさつで始まり呼びかけ人の岩佐卓也さん(神戸大学大学院人間発達環境学研究科)が「関西生コン支部弾圧と労働組合の権利」と題して問題提起。生コン業界の特性を踏まえた関西生コン支部の企業横断的な運動を解説し、今の日本のような労働組合、ストライキの存在感が弱いなかでの今回の弾圧の社会的・歴史的な意味は、「労働者が会社にものを言うときには逮捕をも覚悟せよ」という、権力から私たちに向けられたメッセージだと刑事弾圧を糾弾した。
 つづいて逮捕者の支援にあたっている森博行弁護士(大阪労働者弁護団)も「憲法・労組法と組合弾圧」と題して2つ目の問題提起。関西生コン支部の産業政策運動やコンプライアンス啓蒙活動と、それを解体しようとする今回の刑事弾圧の経過を紹介し、その特徴はまさに組合活動全部が犯罪行為にされていることだとし、団結権を保障した憲法28条や労組法1条2項に反していると指摘した。
 その後、たたかいの報告として、関西生コン支部の坂田副委員長が、この間、同労組が受けてきた異常な刑事弾圧の実態やそれに対する反撃の取り組みなどを報告し、支援の拡大を訴えた。
 最後に呼びかけ人の岡崎進・ひょうごユニオン委員長が「今回のような労働組合そのものをつぶす攻撃を許せば労働組合は何もできなくなる。反撃は、みんなが闘い、連帯していくことだ。今日の集会をステップに支援を広げていこう」とまとめ、集会を閉じた。
写真:多くの労働組合や市民団体から110人が参加し、連帯して異常な刑事弾圧に反撃しようと誓い合った=10月23日、神戸市勤労会館
 連帯ユニオン関西生コン支部への異常な大弾圧が続く中、「市民デモHYOGO」は10月19日、神戸市内で「共謀罪成立と市民運動〜関西生コン弾圧〜」をテーマにした学習会を開き、約50人が参加した。
 講師の太田健義弁護士は、「法令順守行動やチラシ撒きを恐喝未遂や威力業務妨害だとして、87人を逮捕し72人を起訴したことはヤクザの大抗争事件でもなかった異常な事態だ。これを許すと今後はチラシを配ることさえできない社会になる」と指摘。弾圧の背景には、「関西生コン支部が反安倍政治、大手ゼネコンに歯向かう姿勢を明確にし、これまで市民と一緒に反原発や辺野古新基地反対の運動に活発に取り組んできた労働組合だからこそ狙われた側面を否定できない」と述べた。
 また、「今回は組織犯罪処罰法では起訴されていないが、組合活動が犯罪だとされていることからして、組合活動も組織犯罪処罰法で起訴され、共謀罪での立件もありうる」とし、権力は共謀罪で立件するための捜査側の「ならし訓練」として弾圧を行っていると、その危険性も指摘した。
 そして、「今後、市民がこの弾圧を見逃さず、こうした集会を開き、声をあげることで権力を牽制できる。今から反撃に転じよう」と締めくくった。
(中村)
写真:講師の太田健義弁護士は組合活動が共謀罪で立件されることもありうると権力の狙いを指摘=10月19日、神戸市勤労会館
 新社会党近畿ブロック協議会(山下慶喜議長)は秋の恒例の「近畿ブロック党学校」を10月26、27日の2日間、50人が参加して奈良県の宇陀市内で開いた。
 今年の党学校は2つの講演と2単位の討論の構成で行われ、1つ目の講演は「左翼の経済政策を考える/反緊縮・財政出動」のテーマで立命館大学教授の松尾匡さんから受けた。松尾さんは、前進する欧米の左翼・リベラル派の経済政策の基調である“反緊縮”について、その意義や理論的根拠について解説。日本でも安倍政治の存続や維新の会の伸長を止めるためにも、左翼の側にこそ国民のくらしに合致する“反緊縮”の経済政策が必要であることを説いた。
 2日目は、党政策委員の鈴田渉さんが「安倍改憲の動向と私たちの課題」と題した講演を行った。
 1日目の討論の第1単位では、中央本部から提案され来年の全国大会で採決される「党中期政策補強案」について岡ア宏美中央執行委員長から問題提起を受け、貧困問題への対応や福祉における普遍主義をめぐっての討論などが行われた。
また、各府県本部からの活動報告では、兵庫県本部中央総支部の機関紙拡大の取り組みや、9月の東大阪市議選で6選を果たした松平要市議(大阪府本部副委員長)による勝利報告などがあった。
 2日目の最後には「新社会党のこれからを考える」と題して全体討論を行い、今後の党建設に向けた若者対策や地域の大衆運動の組織化など、活発に意見を述べ合った。
写真:近畿の各府県本部から50人が参加して学習や討論で交流した=10月26日、奈良県宇陀市
 「安心と笑顔の社会保障ネットワーク」は10月14日、神戸市勤労会館で第4回総会と講演会を開いた。「成年後見制度を知っていますか―制度の現状と課題」をテーマに弁護士の川元志穂さんが講演を行った。介護保険制度と同時にスタートした成年後見制度だが、その活用が進んでいない現状のなかで、会場が満員になる参加など市民の高い関心が明らかになった。
 第1部の総会では、7月に神戸市に提出した介護保険制度などの要望書で明らかになった、実態調査が未実施の介護予防総合事業の現状把握のためのアンケート活動や、健康寿命の延伸で介護保険財政の負担軽減にも効果がある敬老パスの改悪反対の活動にも取り組む方針などを確認した。
 第2部の講演会では、本人の判断能力が不十分になってからの「法定後見制度」と本人の判断能力があるうちに将来に備えて自らが選んだ代理人と契約する「任意後見制度」について手続きや役割が説明された。川元さんは、「本人の意思をどこまで尊重するか」、「申立費用や報酬を払えない」などの問題点を指摘した。
 会場からは「知的障がい者の施設に毎月1回会いに来る後見人もいれば、年1回の後見人もいる。後見人の仕事はどこまでやるべきか」「叔父から任意後見人を頼まれたが土地・財産も任意契約の対象か」「認知症はもう遠くない。年金が月10万円では申立て費用が払えない。制度を変えるべきだ」など10人を超える参加者から熱心な質問や意見が出された。
(菊地)
写真:成年後見制度への関心は高く会場は満員になった=10月14日、神戸市勤労会館
 丹波の地で2017年9月の「木村草太さん講演会」、昨年11月の「望月衣塑子さん講演会」を成功させた実行委員会が存続して10月25日夜、丹波市・丹波の森公苑ホールで「憲法と教育を語る〜前川喜平さん講演会」を開いた。
 平日の夜にもかかわらず遠方からの参加者もあり、講演会には400人が参加した。
 講師の元文部科学省事務次官・前川喜平さんは「子ども・教育・未来」をテーマに、予定時間を超えて熱く語った。
 参加者からは、「語りかけるような話し方で聴きやすかった。大切なことを分かりやすく語られた。常に学び続けることが大切だと感じた」「子どもたちが自らの力で生き抜く力、自ら学ぶ力を身につけることが大切だと思った」「憲法の大切さがよく分かった。とりわけ26条の『教育の機会均等の保障』が守られていない現状を聞き、保障させなければいけないと痛感した」「人として大事にされることを求めているのが憲法であり、公教育は憲法に基づいて行われなくてはならない……あまりにもまっとうな話しであった」「無償普通教育は権利であるというお話は、目からウロコだった」「なかなかのぶっちゃけトークで、興味深かった。お歌も上手で驚いた」などの感想が寄せられた。
(川崎)
写真:平日の夜にもかかわらず会場がいっぱいになる400人が詰めかけた講演会=10月25日、丹波市
インフォメーション
平和マップを歩こう2019
  • 日時=11月16日(土)13時〜16時(小雨決行)
  • 集合=JR三宮駅北側タクシー乗り場付近→三宮、元町周辺の戦跡をウォーク
  • 参加費=200円(保険・資料代)
  • 主催=灘区・東灘区平和マップを歩く会 078・811・6881(井上)
熟年者ユニオン結成20周年記念
    藤田孝典さん講演会「絆を切るな」
  • 日時=11月17日(日)14時〜16時30分
  • 場所=神戸市勤労会館2階多目的ホール
  • 参加協力金=800円(35歳以下400円)
  • 連絡先=熟年者ユニオン078・382・2116
総がかり行動兵庫11・27憲法集会
  • 日時=11月27日(水)18時30分
  • 場所=神戸市勤労会館7F大ホール
  • 講演=「危ない日本の憲法診断―立憲か壊憲か」水島朝穂さん(早稲田大学法学学術院教授)
  • 参加費=500円
  • 主催戦争をさせない、9条壊すな!総がかり行動兵庫県実行委員会
大内裕和さん講演会
 「格差と貧困を生み出す奨学金制度とは?」
  • 日時=11月30日(土)13時30分開場、14時開会
  • 場所=西宮市勤労会館4階
  • 講師=大内裕和さん(中京大教授、奨学金問題対策全国会議共同代表)
  • 参加費=500円(大学生以下無料)
  • 主催=同講演会実行委員会〈連絡先=憲法を生かす阪神連絡会(090・4560・5020奥山)〉