「新社会兵庫」 2019年8月27日号
 今年で15回目を数える「ピースフェスタ明石」が8月7日から11日までの5日間、「平和・いのち・子ども」をメインテーマに多彩な内容をもって明石市立勤労福祉会館で開催された。明石地労協人権平和センターを中心に、憲法を生かす会・明石、原水協、新日本婦人の会、年金者組合などで構成する実行委員会は、今年1月から8月まで11回の実行委員会を重ねて準備を進めてきた。
 今年のギャラリー展示の中心は、フォトジャーナリスト安田菜津紀さんの写真展「世界と日本の子どもたち」。東南アジア、インド、中東、アフリカ、そして日本(陸前高田)などで撮影した子どもたちの表情は、不安や悲しみを吹き飛ばすほどの、笑顔がいっぱいに広がるもの。安田さんの深い思いが伝わる作品だ。
 ギャラリー展示は、その他にも実行委員がそれぞれ担当した「生かそう憲法」「沖縄の今」「フクシマを忘れない」「明石空襲の記録」「信略戦争 加害の歴史」「パネル展 原爆と人間」、さらに戦時下の暮らしの品々などで、工夫を凝らした展示を熱心に見つめる入場者の姿があった。昨年に続いて「あすわか兵庫」も「憲法と市民をつなぐ」をテーマに展示を行い、戦跡めぐりピースウォークにも積極的に参加してくれる明石城西高校新聞部は、高校生の立場で社会の問題を考えるカベ新聞を作って参加してくれた。ギャラリーの入場者は5日間で約550人になった。
 土曜日の午後は恒例の「戦争体験談の集い」。今年は特攻隊、引き揚げ、学徒動員などを体験した6人の市民の話を聞いた。中学在学中に特攻隊に志願したIさんは、「積極的に志願した生徒はいないが、最後は全員が志願していた。戦後は誰にも話すことはなかったが、夢でうなされ早く忘れたかった」と語り、最後に「9条を変えてはならない」と結んだ。この集いにも80人の市民の参加があった。
 最終日の11日は、11時から管楽器の演奏や子どもたちのダンスのミニコンサートが行われ、夏野菜カレーの昼食をはさみ、「あすわか兵庫」による憲法の寸劇、安田菜津紀さんの講演会と続いた。
 安田さんは何度も訪れたというカンボジア、シリア、陸前高田の人々との交流を語り、写真を撮る意味を語り続けた。そして、「写真は被災者・難民の腹を満たすことはできず、けがを治療することもできないが、役割分担として理解し、世界に発信したい」と、その気持ちを語った。会場超満員の250人余りが参加した。安田さんの静かで丁寧な語り口の中に、フォトジャーナリストとしての強い決意が感じられた。
(金平)
写真:〈上〉メイン行事の安田奈津紀さんの「写真で伝える仕事−子どもたちと向き合って」と題した講演は多くの人々の共感を呼んだ、〈下)戦争体験を聞くつどい、=8月11日、明石市
  神戸市とTRANS―KOBE実行委員会が主催して8月18日に兵庫県立美術館で開催される予定だったシンポジウム「2019―2020、アートは異物を受け入れるのか」の中止が8月9日、神戸市など主催者側によって発表された。
 シンポジウムは今秋、神戸市などが開催する芸術祭「アート・プロジェクトKOBE2019:TRANS―」のプレイベントとして、ジャーナリストの津田大介氏ら3人が「アートは異物を受け入れるのか」をテーマに議論する予定だったが、主催者側が「あいちトリエンナーレ2019」で芸術監督を務める津田大介さんのシンポジウム参加に対し、多くの抗議が寄せられているとして、「開催しても本来の芸術祭のPRができない。会場の混乱も予想される」を理由に中止を決定した。
 これを受け、新社会党兵庫県本部(委員長・粟原富夫神戸市議)は8月13日、神戸市長は行政の長としてこのような圧力や脅迫に屈するのではなく、憲法が保障する「表現の自由」を守るため、毅然と対応すべきだなどとして、神戸市長と神戸市民文化振興財団に対し、抗議と中止の撤回を求める申し入れを行った。
 お盆休みの最中にもかかわらず、この事態を憂う多くの市民団体のメンバーや個人ら約25人が駆けつけた。
 神戸市側の回答は「このまま開催しても本来の目的を達成できない」「中止の決定は実行委員会の持ち回りで決めた」「津田さんが入るとあいちトリエンナールの議論になる」など、納得のいかない説明に終始した。
写真:お盆休みの最中の、急な情報伝達にもかかわらず申し入れには市民らもかけつけた=8月13日、神戸市役所
 安心と笑顔の社会保障ネットワーク(菊地憲之代表、略称=安心ネット)は7月25日、神戸市に「介護保険制度などに関する要望書」を提出し、要望内容の説明や介護保険課との意見交換を行った。今回の要望書の提出は、今年の神戸市議選後の6月に新たに結成された「つなぐ神戸市会議員団」の小林るみ子市議の協力で実現したもので、安心ネットは介護保険課に8月20日までに文書で回答するよう要請した。
 安心ネットでは、要支援1、2の介護サービスが介護保険から自治体に移行する介護予防総合事業の開始(2017年4月)にあたり、前年11月に神戸市に要望書を提出した経過がある。
 今回の要望書では、介護予防総合事業への移行の状況の開示、「介護殺人・心中」などの再発防止、介護職の人手不足への対応、高齢者・子ども・障がい者などの「居場所マップ」づくりなど10項目の要望を申し入れた。
 介護予防総合事業への移行の現状について、安心ネットが「新聞ではスムーズに移行していない現状が報道されているが、介護報酬が8割の生活援助サービスに移行した利用者の割合は?移行した利用者に不満はないのか」などと質問したことに対し、介護保険課は「利用者アンケートは取り組めていないので不満は届いていない。移行から2年が過ぎるので総合事業を評価する時期に来ている。移行は難しい状況にあるが、利用者や事業者の状況を調査していくこととなる」と応えた。
 また、介護職の人手不足の原因と処遇改善について、安心ネットから「介護職の処遇が改善されず、ヘルパーの時給も最賃に張り付くようでは人手不足の解消はできない」と処遇改善を求めたことに対し、介護保険課は「労働力人口の減少で人手不足は全産業で起こっているが、介護部門は特にひどい。国の処遇改善と合わせて神戸市としても住宅手当の一部補助、介護福祉士の研修で認定制度の合格者への助成など取り組みを進めている」などと応えた。
(憲)
写真:神戸市の介護保険課に要望書を手渡す「安心ネット」のメンバー=7月25日、神戸市役所
 労働組合武庫川ユニオン(上山史代委員長)は7月28日、尼崎市内で第32回定期大会を開いた。大会には来賓を含めて79人が参加した。
 冒頭、上山委員長が「10月、姫路で開かれるコミュニティ・ユニオン全国交流集会を成功させるために武庫川ユニオンからも多くの参加を。そして、組織拡大に本気で取り組もう」とあいさつ。
 来賓あいさつ、議案提案とつづいたあとの質疑・討論では、各分会などからたたかいや活動の現状が相次いで報告された。競争入札の導入に対する不安から「働くものは団結を」と組合員を拡大してきた報告。来年4月からの会計年度任用職員制度のスタートにむけ、組合員を拡大して要求を前進させていきたいとの決意表明。休職期間満了で解雇されてユニオンに駆け込み、交渉で解雇を撤回させることができ、いま職場復帰にむけて交渉中との報告。また、争議中の組合員に対し、ビラ配布や抗議行動にも参加するとの力強い激励などだ。
 提案された議案はすべて可決され、役員選出では結成以来31年間ずっと書記長を務めてきた小西純一郎さんに代わり、塚原久雄さんが新しく書記長に就任した。
大会終了後は会場を模様替えして交流会に。大会で発言できなかった人も近況などを報告して交流を深めた。全国交流集会のリハーサルを兼ねた「カジョ」の踊りや三線の演奏も行われた。
 最後には塚原新書記長から小西前書記長に感謝とねぎらいの花束が贈られ、「団結ガンバロウ」で交流会を閉じた。
写真:ユニオン全国交流集会の成功や組合員の拡大などを誓い合って「団結ガンバロウ」=7月28日、尼崎市
 7月30日の夕、宍粟地区労や九条の会・宍粟などの共催で「反核・平和の夕べ」が60人を超える参加のなかで開かれた。
 山田範彦・宍粟地区労議長によってこの日宍粟地区を走った「反核・平和の火リレー」のランナーが紹介された後、戦争末期の1945年の夏、姫路空襲で祖父母を亡くした黒田權大さん(元姫路市戦災死没者遺族会長)による実体験に基づいた講演が行われた。
 黒田さんは、「当時、軍部出身者が政治を支配し続け、侵略戦争を仕掛けた。『加害者』であったから『被害者』となった」と敗戦の必然を語り、「姫路城が残ったのは奇跡だったかもしれない」と証言する当事者の“パイロット”との会話を紹介しながら、「戦後、国の反省と平和憲法のおかげで戦死者を出さずにやってこれた。尊い平和を維持するためには、とことん話し合い、平和外交を追求するしかない」と述べた。最後に、「戦争は人類最大の罪悪。人間を不幸にするだけだ。二度と戦争をしてはならない。核兵器反対の先頭に日本は立つべきだ」と強い思いを込めて黒田さんにとっては298回目となる講演を閉じた。
 20代の参加者は、「姫路空襲の話を聞いたのは初めて。語り継ぐ重要性があると痛感した」とアンケートに感想を述べている。
(志水)
写真:元姫路市戦災死没者遺族会長の黒田權大さんの実体験にもとづく姫路空襲の講演を聴いた=7月30日、宍粟市
 兵庫県農業問題懇話会(中井常男会長)の第24回総会が7月27日、神戸市勤労会館で開かれ、11月16、17日に丹波篠山市で開催する全国農業問題連絡会の全国交流集会の成功に向けた取り組みや、10・16世界食糧デーでのアピール行動の実施、会員拡大など、当面の取り組みを確認した。
 冒頭、中井会長は「農業が危機的な状況にあるなか、われわれの農業政策の確立が急務」と強調した。このあと、新社会党兵庫県本部の菊地憲之書記長から連帯と激励のあいさつがあった。
 討論では、「大正期から続く土地改良区の現状と課題について」、「獣害被害と対策」「8町5反を息子と2人でやっている。家族農業でやり抜くために日々創意工夫して取り組んでいる」などの発言が続いた。
 総会後は、「農協『改革』の現状について」と題して、全国農業問題連絡会の竹谷公男事務局長の記念講演があった。竹谷さんは、政府の規制改革会議が2014年5月に発表した「農協改革に関する意見」が発端であり、その中心は「農協の中央会制度の廃止や全農の株式会社化の提起」であったとし、真の狙いとして@大企業、株式会社の農業参入を加速させる、A米国・多国籍企業が狙う農協マネー400兆円の開放、B新自由主義(市場原理主義)の推進、C政治的影響力を持つJAグループの解体……などを指摘。課題として、「地域に根差し、人と人を繋ぐ協同組合として存続するためにも、安倍政権の進める新自由主義路線に対峙し、地域と農業を守る砦となる組織に変革していく」ことを強調した。
(鍋島)
写真:総会では活動交流のほかに農協「改革」についての記念講演を受け、自らの農業政策の確立が急務であると確認した=7月27日、神戸市
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