「新社会兵庫」 2019年8月13日号
兵庫選挙区 改選3議席は改憲勢力に
 7月21日投開票で行われた第25回参議院選挙は、さまざまに特徴的な結果を残し、新たな政治局面をつくり出している。自民党の当選者数は改選数から10減の57議席。公明党とあわせて与党で過半数は上回ったものの、日本維新の会や与党系無所属をあわせた改憲勢力は非改選を合わせて160議席で、改憲発議に必要な3分の2(164議席)には届かなかった(党派別当選者数は下表)。10の1人区で野党統一候補が勝利したことが大きい。市民と野党の共闘が前回にも増して大きな役割を果たした。
 だが、投票率は48・80%(前回16年は54・70%)と50%を割り、戦後2番目の低さ。政治に希望が持てず無関心を決め込む有権者がさらに広がっているのは民主主義にとっても大きな問題だ。
 比例区で新社会党が支援した社民党は1議席を獲得、辛うじて政党要件も維持した。
 一方、日本維新の会は、近畿だけの勢い(大阪2、兵庫1で3議席獲得)にとどまらず東京、神奈川でも議席を獲得し、今の政治への不満の受け皿の一つになっている。
 こんななか、消費税廃止や最賃1500円、奨学金徳政令などの公約を掲げた山本太郎氏率いるれいわ新選組が”旋風“を巻き起こし2議席を獲得、政党要件も確保したことは大きな注目点だ。
 兵庫選挙区(改選数3)では、新社会党のほか社民党、緑の党が推薦、国民民主党も支援した立憲民主党公認の安田真理さんは大接戦の末、僅差で惜敗した。今回も維新、公明、自民の改憲勢力での3議席独占を許してしまい、前回とあわせて兵庫選挙区の6議席すべてが自民、公明、維新が2ずつの改憲勢力で占められることになった。
 選挙直後、安倍首相は「憲法改正に向けて議論すべきという国民の審判は下った。残された任期の中で憲法改正に挑んでいく」と明言、手前勝手に民意を曲解し、改憲への執念を改めて強く示した。だが、報道各社の世論調査でも安倍政権に優先的に望む政策は圧倒的に「年金」や「社会保障」の問題で、「憲法改正」はどの社も最下位である。
 改憲勢力が3分の2を割ったことで、安倍首相は改憲発議に向け、国民民主党を名指しして 取り込みを図る意思を示した。
 今後、ますます強行的に進めようとする安倍改憲の策動を阻止する闘いの再強化も問われてくる。
写真:激戦の最終盤、前川喜平さんや福山立憲民主党幹事長の応援を得て街頭で訴える安田真理さん=7月19日、元町・大丸前
  今年で第35回を迎えた、兵庫県平和友好祭実行委員会が主催する「反核平和の火リレー」が始まり、その出発式が7月22日、兵庫県庁前で行われた。
 同リレーは被爆者の悲痛な訴えに触れた広島の青年が1982年から始めて全国に広がり、兵庫では84年に始まった。
 出発式では実行委員長の深井優翔さん(自治労兵庫県本部青年部書記長)があいさつ。アメリカからの莫大な兵器購入で軍備を増強し、民意を無視して辺野古の米軍新基地建設を進める安倍政権への危機感を表しながら、35回目となった反核平和の火リレーの意義を訴えて兵庫県内を走りつなぐ決意を表明した。
 続いて来賓のあいさつが続き、自治労兵庫県本部の大野義政委員長、兵庫県職労の青木久美子委員長、被爆2世の黒田一美県議、社民党の北上哲仁県議、新社会党県本部委員長の粟原富夫神戸市議、さらに兵庫県からリレーへの激励のメッセージがおくられた。
 このなかで粟原新社会党県本部委員長は、「核と人類は共存できない」と強調、「核廃絶運動の一端を担おう」と訴えた。
 リレーは西に向かって出発し、県内を時計回りに走りつないで、8月9日、神戸市役所前に到着する。
写真:第35回を迎えた反核平和の火リレーの出発式で実行委員長から第一走者のトーチに点火=7月22日、兵庫県庁前
憲法を生かす・ひょうごネットらが3つの集会
 参院選の終盤、兵庫選挙区・安田真理候補を支援する立場から、憲法を生かす会・ひょうごネットなどが「選挙に行こう!安倍暴走政治にストップを」と掲げた集会を県内3カ所で開いた。集会には20時までの街頭での訴えを終えた安田真理さんも顔を見せ、政治家をめざす自身の思いや政策などを熱心に訴えた。
 7月17日、「憲法を生かす市民の集いin阪神」が芦屋市内で開かれた。集会では山口みさえ芦屋市議の主催者あいさつののち、安田選挙事務所から兵庫県議の栗山雅史・立憲民主党県連幹事長が支援の訴えを行った。その後、川元志穂弁護士から「政治と憲法」をテーマに問題提起を受け、都築徳昭尼崎市議、田中あきよ西宮市議、小畑広士・ユニオンあしや委員長がアピールし、最終盤への行動提起を確認した。
 18日は神戸市中央区内で「憲法を生かす市民の集いin神戸」。憲法を生かす会・ひょうごネット共同代表の山崎貢さんの主催者あいさつののち、「憲法をくらしに生かすには」をテーマに弘川欣絵弁護士が問題提起。熟年者ユニオンや連帯兵庫みなせんの代表からも選挙戦ヘのアピールが行われた。
 さらに、最終日前日の19日は明石市内で「暮らしと憲法を生かす市民の集いin明石」。呼びかけ人の林丸美、竹内きよ子、よしだ秀夫の3人の新人明石市議が順次あいさつ。つづいて山下忠之・自治労播磨ブロック共闘会議議長、日置孝・JP労組明石支部長、松本誠・連帯兵庫みなせん代表らが最終盤に向けた決意表明を行い、安田真理さんの必勝を誓い合った。
写真:神戸での集い、7月18日(上)、明石での集い、7月19日(下)で訴える安田真理さん
 脱原発はりまアクションが2012年7月13日から始めた「関西電力さん原発やめて 毎週金曜行動」(「関金行動」)が7月26日、350回を迎えた。雨の日も雪の日も風の日も、関西電力姫路支社前と姫路駅前で7年間続けてきた行動だ。
 また、「関金行動」の様子や行動での訴えを掲載して配布する「脱原発はりま通信」もこ
の日で100号を数えた。 これまでも50の単位の節目の回の行動には各地から応援のメンバーが連帯に駆けつけたが、この日も木原壯林代表を先頭に京都の「若狭の原発を考える会」のメンバーや大阪、神戸、明石からも参加し、総勢50人近くの行動になった。
 定刻の17時20分から関電姫路支社前の抗議・アピール行動がスタート。18時までの間、参加者ほぼ全員が関電への「ひと言抗議アピール」を続け、最後には全員で声をそろえて「再稼働をやめろ」「すべての原発いますぐ廃炉」などのコールを行って前半の行動を締めた。
 その後、場所を姫路駅前に移してさまざまなパフォーマンスを含む行動を繰り広げた。スピーチを皮切りに、歌とバイオリンの演奏、漫才、詩の朗読、舞踊パフォーマンス、フラッシュモブなどと続き、最後は全員で恒例の「種を播こうよ」の大合唱。記念の集合写真も撮り、19時過ぎに行動を終了した。
 「7年もの長い間、休むことなくこの行動を続けてきたことは大したことだが、いつまで続けなければならないのか」など、国や関西電力の原発推進政策に対して怒りがにじむスピーチが続いた。
写真:いつものように関西電力姫路支社前で抗議のアピール行動(上)、その後姫路駅前で様々に街頭アピール(下)=7月26日
 「憲法を生かす会・兵庫」の学習会が7月19日、兵庫勤労市民センターで開かれ、16人が参加した。
 今回のテーマは「年金問題を考える」で、福田義幸氏(年金問題研究者)を講師に招き、「年金制度の過去・現在・未来」という内容の講演を聴いた。
 福田氏からは、年金制度の成り立ちと変遷、経済情勢や労働運動の発展による安定期、さらにオイルショックなどによる給付抑制の内容などについて説明がされた。そして、制度そのものが危機と言われる現状について問題提起が行われた。
 それに対し、参加者から「マクロ経済スライドの内容、とくに現役世代の年収50%確保と言うが、その中身は?」「積立金について140兆円と言われるが本当か」などの質問が出され、政府の言う説明は、納得できないという意見が出された。
 講師からは、老後の生活を保障するのは年金だけでなく、医療や介護などの社会保障制度全般の改善が必要で、税制や雇用、さらに防衛費の削減など、政治そのものを変えていかなければならないとの指摘があった。
 最後に、「憲法を生かす会・兵庫」として今後も、9条を中心とする平和の問題だけでなく、雇用や年金、医療などの生活に直接関わる問題について学習会を開催していくことを確認した。
(山田)
写真:福田義幸さんの講演のあとは年金制度への質問や意見が活発に出た=7月19日、神戸市兵庫区
インフォメーション
市民デモHYOGO夏の交流会
  • 日時:8月17日(土)14時30分〜18時頃
  • 場所:神戸市勤労会館405号室
  • 問題提起(川元志穂弁護士)や討論など
  • 参加費:500円
フクシマ・8年間の記録と記憶
   フォトジャーナリスト 豊田直巳写真展
  • 日時=9月6日(金)〜10日(火)10:00〜19:00
  • 場所=神戸電鉄・鈴蘭台駅ビル3F すずらん広場
  • 主催=豊田直巳写真展実行委員会〈後援〉神戸市教育委員会