「新社会兵庫」 2018年11月27日号
 すべての労働者の権利確立へ、地域から力強い労働運動の創造へ―と、尼崎、芦屋、神戸、明石、東播、宍粟、神崎の7つの地区労・人権平和センターと6つの労働組合(兵庫県職労、明石市職労、加古川市職労、社会保険労連、ひょうごユニオン、JAMジャパンエンジン労組)とJPネットひょうごの14団体でつくるひょうご地域労働運動連絡会(酒井浩二議長)は11月10日、第15回総会を神戸市内で開き、地域労働運動の再生・強化をめざす新年度の運動方針を確認した。世代交代も意識して役員体制も一部変わった。
 総会の冒頭、あいさつに立った酒井議長(尼崎地労協議長)は最近の情勢について沖縄や福島の問題にもふれながら、「最後は地域がたたかいの主戦場となる。これは労働運動にも言えること。新たな地域労働運動をどうつくり出していくのか、ぜひ議論してほしい」と訴えた。議案提案は岡ア進事務局長が行い、情勢に関連して「働き方改革」や改憲問題をはじめ安倍政治全般にわたる批判を展開し、それと対決する運動の課題を提起した。
 提案を受け、神戸地区労、芦屋地労協、JPネット、ひょうごユニオンから活動報告が行われた。このうち、神戸地区労からは神戸ワーカーズユニオンの西直子委員長が自らの(旧)恵泉寮分会の活動について、「若い新たな組合員の加入も得て、自分は退職していく身だが労働組合をきちんと残すことが責任だと決意。分会名も今の施設にあわせた『清心ホーム分会』と変更して、いまユニオン説明会を呼びかけている」と報告。芦屋地労協からは旭茂雄事務局長が地労協としての反戦平和運動の取り組みについて、市民団体との共闘を継続・発展させてきたことなどを報告した。また、ひょうごユニオンからは小西純一郎事務局長代行が、来年10月、姫路で開催されるコミュニティ・ユニオン全国交流集会の受け入れについて支援・協力要請を行った。このほか、県職労神戸支部からも発言があり、組合強化へ非正規職員との交流会の取り組みなどの努力が明らかにされた。
 すべての議案は可決され、新たな役員体制も承認された。副議長の1人にこれまでの狩郷將弘副議長に代わって川面勉明石地労協議長が、岡崎進事務局長に代わって木村文貴子神戸地区労事務局長が新たに就任した。
 第2部の記念講演は「原発事故から7年、被災者に寄り添う復興の継続を!」と題して、福島から駆けつけた佐藤龍彦さん(脱原発福島県民会議事務局)が行い、深刻な福島の状況や復興への課題などを訴えた。   
写真:総会では記念講演もあり、原発事故から7年半後の福島の深刻な現状や課題について学んだ=11月10日、ひょうご共済会館
 安心と笑顔の社会保障ネットワーク(略称・安心ネット)は10月28日、神戸市教育会館で第3回総会と講演会を開いた。高齢者が増え続けるなか、負担が増えてサービスが切り捨てられていく介護保険制度の問題点を市民に宣伝してきた活動などを踏まえ、保険者である自治体への申し入れなど、今後の取り組み方針を決めた。
 第2部では、大阪社会保障推進協議会の日下部雅喜さんが「どうなる、どうする介護保険」のテーマで講演した。
 総会の冒頭、菊地憲之代表が「介護報酬が低いが故の人手不足は外国人労働者やAIで解決できるのか大きな疑問がある。『介護に疲れた』と神戸市内で介護殺人がこの夏に2件報道された。家族介護の限界を示す悲惨な出来事であり、老後の安心を支える取り組みを強めよう」とあいさつした。
 総会では、この1年間に取り組んだ大東市総合事業現地調査行動、同ネット事務局長の小林るみ子神戸市議による神戸市議会での総合事業の総括質疑、介護・福祉職場交流会、街頭宣伝行動、ニュース発行などを総括し、総合事業の実態調査、介護保険の問題点を知る学習や交流などの取り組み方針を確認した。
 講演会では、日下部さんが介護保険制度の度重なる改悪内容を説明し、「高い保険料を取ってサービスを使わせないのは国家的詐欺だ」と力説。保険者である自治体が自立支援を名目に利用者を介護保険から「卒業」させたり、ケアマネージャに掃除、洗濯、調理など生活援助サービスの利用制限を強いる新たな仕組みなど介護サービスを抑制する改悪を強く批判した。
(憲)
写真:大阪社会保障推進協議会の日下部雅喜さんが「どうなる、どうする介護保険」と題して講演=10月28日、神戸市中央区
近畿各地区から700人が結集
 京都府京丹後市の米軍経ヶ岬通信所(Xバンドレーダー基地)の撤去を求める「米軍基地いらんちゃフェスタin丹後2018」が11月4日、同市の丹後文化会館で開かれ、「2期工事」の着工で基地の固定化や命より軍事が優先される現状、日米軍事一体化の強化などを憂い、米軍基地は即時撤去をと訴えた。
 米軍基地建設を憂う宇川有志の会と米軍基地建設反対丹後連絡会の主催で、米軍基地いらない京都府民の会と米軍Xバンドレーダー基地反対・近畿連絡会が協賛して開かれた集会で、今年で5回目の開催となる。
 集会には近畿各地から約700人が参加。兵庫からも近畿連絡会に結集する憲法を生かす会・ひょうごネットのメンバーらが参加した。  集会では冒頭、今年10月に亡くなった「憂う会」代表の三野みつるさんの死を悼んだ。その後、「憂う会」事務局長の永井友昭さんが現地報告を行い、さらに国・県・市会の議会報告や市民団体からの連帯のアピールが続いた。それぞれに、沖縄・辺野古、韓国・サード配備反対闘争との連帯、全国知事会も決議した日米地位協定の改訂などを訴えた。
 集会の終盤は、シンガーソングライターの川口真由美さんのミニコンサート。川口さんが辺野古で歌う歌などを紹介して盛り上がり、集会の最後には参加者が一斉にメッセージボードを掲げて米軍基地撤去を訴えた。
 集会後は丹後市役所のある市街地をデモ行進して市民にアピールした。
 集会に先立ち、午前は米軍基地ゲート前で近畿連絡会を中心に約200人が、永井さんの説明による「基地見学」を行い、米軍に向けて抗議のシュプレヒコールを繰り返した(写真右)。
澄み切った秋空の下、灘区で実施
 「灘区・東灘区平和マップを歩く会」主催の「平和マップを歩こう2018」が11月10日、神戸市灘区で行われた。神戸市の身近に残る戦跡を各区ごとにまとめた「平和マップ」をもとに、作成者の小城智子さんの話を聞きながら歩くもので、今回で7回目となる。
 阪急王子公園駅西口に集合した一行は、神戸文学館で壁に残る空襲による弾痕や神戸ゆかりの作家たちの作品などを見た後、灘区南部に残る戦跡を見て回った。5年前にも1度歩いたコースだが、タカバシに残る「引き込み線」の辺りは、一部が駐車場になり草が茂って線路が見えにくくなっていた。戦跡を次代に残すことの難しさを感じた。
 参加者からは、「各所それぞれに物語があって大変興味深く、神戸の隠れた歴史を知ることができてよかった」「時々歩いて通り過ぎている所に戦災の跡があったのかと改めて驚いた」などの声が聞かれた。
澄みきった秋空に紅葉が映える中、「歩いて」「見て」「聞いて」「考える」充実した時間だった。
(築山)
写真:JR灘駅と摩耶駅の間にある「赤トンネル」と呼ばれるトンネルも訪ねた。1945年3月17日の空襲では多くの人が逃げ込み、6月5日の空襲では周りが火の海になった=11月10日
野党6党も参加して討論
 来年の参院選での野党議席の奪還をめざす連帯兵庫みなせんは10月28日、3月の活動”再々出発“後4回目となる公開討論会を神戸市内で開いた。約60人が参加した。
 この間追求してきた、運動のウィングを広げるために「市民の政治参加をどう広げるか」をテーマに、討論会ではまず、松本誠・連帯兵庫みなせん代表世話人(兼事務局長)、岡本仁宏・関西学院大学法学部教授、弘川欣絵弁護士(連帯兵庫みなせん代表世話人)の3氏がパネリストとしてそれぞれの立場からの報告や問題提起を行った。これまでの討議を踏まえた論点整理、政治学の立場からのアプローチ、市民と野党共闘の具体的な実践からの提起など、今後への課題や指針が示された。
 その後、野党6党の県組織代表として、立憲民主党(桜井周県連代表、衆議院議員)、国民民主党(向山好一県連合代表、県会議員)、共産党(村上亮三県委員会書記長)、社民党(梶川美佐男県連代表、宝塚市議)、新社会党(粟原富夫県本部委員長、神戸市議)、緑の党(松本なみほ県本部共同代表)からもテーマに沿ってそれぞれの見解などが述べられ、討論に加わった。
 このなかで、新社会党の粟原県本部委員長は、「消極的な支持で成り立っている安倍政治に代わる、信頼できる野党共闘の受け皿が明確になれば投票行動にも変化が起きる。安倍政治との対決を鮮明に脱原発、人権、市民自治などの共通の政策をもとに野党共闘の内実を高め、可視化していくことが大切だ」などと強調した。
写真:立憲民主、国民民主、共産、社民、新社会、緑の6党からも参加。新社会党からは粟原富夫県本部委員長が討論に加わった=10月28日、神戸市兵庫区
政治理念・政策から考える−
 「政治理念・政策から考える―我々に未来はあるか?」と掲げた“徹底討論集会”が10月27日、大阪市内で開かれ、近畿各地から約40人が参加した。主催したのは、近畿における左派・護憲派結集をめざして活動する「共生・連帯」近畿で、市民団体、労働組合、政党、個人が参加している。
 集会ではまず、白石孝さん(NPO法人官製ワーキングプア研究会理事長、希望連帯代表)から問題提起を受けた。白石さんは、韓国の非正規労働の調査や交流を活発に行いながら韓国の労働・福祉政策や住宅問題などの研究に取り組み、『ソウルの市民民主主義―日本の政治を変えるために』を出版している。この日は、1987年の民主化闘争以降の韓国の社会的労働運動の発展や、それらが誕生させた民主的なパク・ウォンスンソウル市政の現状などを紹介し、日本の左派にはもっと経済政策や社会運動としての労働運動、“83%のための労働運動”の構築の視点が必要だと強調した。
 集会ではさらに、支持を広げる欧米左派として、米国のサンダース、スペインのポデモス、英国のコービンの運動や政策綱領なども紹介された。
 また、政党からは服部良一・社民党大阪府連代表(元衆議院議員)と山下慶喜・新社会党近畿ブロック議長(茨木市議)の2人から、統一自治体選や参院選をめぐる両党と無所属市民派の連携の強化、野党共闘の前進や政治戦線の統一をめざす報告と問題提起も行われ、参加者も交えた活発な討論を進めた。
写真:集会では白石孝さんからソウルの市民民主主義の運動と政策の紹介を含む問題提起も受けた=10月27日、大阪市
 教育労働運動研究会は11月11日、教育労働講座を神戸市内で開き、鳥取高教組の坪倉潤也さんから「高校教育改革と高校現場の今」と題した報告を受けた。
 報告では、新学習指導要領では高校でも資質能力を強調し、アクティブラーニングを進めようとしていること、大学入学共通テストの試行をはじめ、入試から大学を変える動きが進み、それは高校改革、大学改革と三位一体の改革へと進んでいることなどが明らかにされた。また、英語の民間試験活用は、東大が不使用と歯止めをかけたが、「高校生のための学びの基礎診断」の活用を県教委から提示されているとして、ベネッセなど民間業者の測定ツールの資料も示された。さらに、鳥取でも文科省のスーパーハイスクール事業の指定が進み、校長を中心に学校の特色づくりが進み、学校で検討し辞退することは難しくされていると報告された。
 こうしたなか、坪倉さん自身もSGH(国際交流)の担当として、海外留学、他校との交流、SGH甲子園などの出張や企画報告など仕事量もすさまじくなっていることや、校内では忙しさの上に管理職のパワハラもあって休職や退職に追い込まれた事件も起こり、組合分会での取り組みで組合員を守ってきたことも報告された。
 参加者からも、生徒の入試のため大学側の要請にEポートフォリオなど作成させられるが、民間ソフトに生徒が入力する例もあり、思想傾向までチェックされる可能性があると報告された。
 学校再編が進められる中で職員も生徒も評価と競争の嵐に巻き込まれていく「高校教育改革」の多くの問題点が浮かび上がった。
(小城)
写真:教員も生徒も評価と競争に巻き込まれていく「高校教育改革」の問題点が浮かび上がった=11月11日、神戸市
インフォメーション
総掛かり行動兵庫 11.30平和のつどい
  • 11月30日(金)19時〜
  • 兵庫県民会館9F県民ホール
  • ゲスト 神田香織さん(講談師)@講演「憲法について」A講談「福島の祈り−ある母子避難者の声」
  • 協力券 1000円
新社会党兵庫県本部 2019年新春行事

 2019年新春公開講演会
  • 2019年1月19日(土)15時〜17時
  • ひょうご共済会館5F講堂
  • 講演「貧困と格差の是正へ〜私たちの課題」(仮題)大内裕和・中京大学教授
  • 参加費 800円
 2019年新春の集い
  • 2019年1月19日(土)18時30分〜
  • 兵庫県民会館11Fパルテホール
  • 参加費3000円