「新社会兵庫」 2018年10月09日号
結成3周年の 市民デモHYOGOが集会
 玉城デニーさんが勝ったー。辺野古新基地建設を最大の争点にし、大激戦の選挙情勢が伝えられていた沖縄県知事選(9月30日投開票)は、急逝した翁長雄志前知事の遺志を引き継いだ玉城デニーさんが、オール沖縄の支援を受けて、安倍政権が全面支援した候補を破り、辺野古新基地建設反対の沖縄の民意を改めて明確に示した。知事選終盤の9月22日、結成3周年を迎えた「こわすな憲法!いのちとくらし!市民デモHYOGO」(略称・市民デモHYOGO)は集会を開き、玉城支援の訴えを広げた。  神戸市中央区の私学会館で開かれた「憲法 沖縄 市民のちから 9・22兵庫県集会」は、オリジナルな「憲法の歌」の紹介など歌のオープニングで始まった。
 約170人が参加したなか、世話人の中村伸夫さんが主催者あいさつで集会の趣旨を訴えたのち、高作正博・関西大学教授による「オキナワと安倍9条改憲―沖縄県知事選の意義―」と題した講演が行われた。
 講演は当初、仲村未央・沖縄県議会議員が予定されていたが、翁長知事の急逝により沖縄県知事選の期間中となって玉城デニー候補の支援に全力をあげる仲村さんは来神できなくなり、講師の代役は、琉球大学助教授時代からまだ琉球新報の記者であった仲村県議と親交があった高作さんが引き受けた。仲村さんからは知事選勝利への決意を込めた連帯のメッセージが寄せられた。
 講演で高作さんはまず、この間の安倍政治を、安保法制で「立憲主義」を破壊した観点から、法律面でも、政策面でも、軍事の論理が突出している点や全体主義的傾向を指摘。そうした政治のもとで行われてきた辺野古をめぐる政権と沖縄の民意の攻防について、歴史的な経緯をもていねいに追いながら、辺野古の埋め立て強行は「民主主義」と「法治主義」を破壊するものだと安倍政治を厳しく批判した。さらに、新基地建設と同時に進む安倍政権の「壊憲」の動きに対し、軍事の論理が貫徹されているものと指摘して、市民運動(主権的権利の行使)の役割と、沖縄の市民運動との共闘の重要性を強調した。
 講演後、沖縄連帯や安倍改憲に反対する活動などの報告が、憲法を生かす阪神連絡会ら4つの市民団体から行われた。
 会場では玉城候補支援のカンパも訴えられ、約10万円が集まった。
 また、集会後は有志によってJR元町駅前で沖縄県知事選支援を訴えるスタンディングアピールも行われた(写真右)。
(門永)
写真:(上)「憲法 沖縄 市民の力 9.22兵庫県集会」には約170人が参加し沖縄知事選での玉木デニーさんの支援をアピール=9月22日、神戸市中央区(下)講演する高作正博関西大学教授=9月22日
特別報告で米軍Xバンドレーダー基地問題
 大接戦が伝えられる沖縄県知事選(9月13日告示、30日投票)で、故翁長雄志知事の遺志を引き継ぎ、辺野古新基地建設は何としても阻止すると奮闘する玉城デニーさんを支援する集会が9月17日、大阪市内で開かれ、240人が参加した。
 主催したのは「平和・誇りある豊かさを!ひやみかうまんちゅの会」で、集会を呼びかけたのは「玉城デニーを励ま会・近畿」。
 集会の冒頭、玉城デニーさんのビデオメッセージが上映され、呼びかけ人を代表して服部良一元衆院議員が激戦の選挙情勢を報告、「近畿からも支援の輪を広げよう」と訴えた。
 集会ではスピーチがつづき、京都や奈良の沖縄県人会の代表からは辺野古新基地建設を沖縄の民意を無視して強権的に推し進める安倍政権に対する厳しい批判の声が上がった。 また、政党では立憲民主党、共産党、国民民主党、自由党、社民党、新社会党、緑の党の7党が勢ぞろいし、それぞれ玉城デニーさんに連帯し、支援する訴えを行った。
 新社会党からは山下慶喜・近畿ブロック議長や加納花枝・兵庫県本部副委員長らが参加し、連帯の挨拶を行った。
(浩)
写真:集いには立憲民主、共産、国民民主、自由、社民、新社会、緑の7党も勢揃いし、新社会党からは山下慶喜近畿ブロック議長が挨拶した=9月17日
 新社会党淡路支部の結成大会が9月17日、洲本市内で開かれ、兵庫県本部に新たな支部が誕生した。
 昨年の総選挙で菊地憲之県本部書記長が兵庫9区で野党統一候補として闘うことになったのを受け、淡路島在住の党員の集まりが持たれてきたが、選挙後も、選挙闘争の総括とともに、淡路での労働運動や「3000万署名」運動を推進する共闘組織の検討をはじめ、淡路での党建設などについても議論がされてきた。そして、淡路支部の結成に向け、共に活動している仲間に大胆に機関紙購読や入党を働きかけていくことを重視、リストアップしながら順次働きかけを行ってきた。
 その結果、5月末にはひとりの仲間が入党を決意。これが大きな弾みとなって6月以降、3回の支部結成準備会の議論を経て、今回の支部結成大会に至った。
 県内の各総支部・支部から激励と祝福のメッセージが寄せられた支部結成大会では、県本部から菊地書記長、戸田恵久執行委員(東播ブロック担当)の2人が来賓として出席するなか、経過報告、活動方針、役員体制、会計などの議案が承認された。支部委員長には石田隆司さんが就任した。最後に、石田支部委員長は「今後、淡路での労働運動や政治運動の拠点づくりを進めていくために仲間を増やしていきたい」と決意を述べ、支部結成大会は閉会した。
(戸田)
 新社会党兵庫県本部は9月24日、神戸市内で今年も女性党員交流会を開いた(写真)。
 「女性議員の役割は何か」と題して、小林るみ子神戸市会議員から問題提起を受け、政治とどう関わるのかを中心に話し合った。神戸市会では交渉会派になれない中でも、様々な問題に取り組んでいることが改めて知れた。議員は労働運動、市民運動、地域や生活の問題を議会や市政につなぐ役割がある、と来春の選挙への決意も表明された。
 芦屋総支部でも来春の市会議員選挙に向けた活動が本格化している。芦屋市の学童保育の民間委託の問題も報告された。
 議会傍聴活動に取り組み、議員の役割や議会の在り方などを考えてきた加古川の党員からは、今回自前の候補者が持てなくなった悔しさが述べられ、自分たちができる政治活動は、生活に関わって民主的に進めるものだという提起があった。
 また、若い後継者づくりには、①女性の常識の壁②家庭の壁③地域の壁④制度の壁―年金も社会保険もなく、退職後の生活が成り立たないという厳しさがあることも話し合われた。しかし、人権や暮らしを守り、平和を守るためには私たちと一緒に闘う議員が必要であり、女性の政策作りも進めたい、と話し合った。
 岡﨑ひろみ委員長も「自分が当事者になって“私が”と考えてみて。民間は仕事を辞めなくてもいいんだから」と発言し、発想の転換を迫られる交流会になった。
(智)
 朝鮮戦争休戦65周年を記念して7月27日に大阪市の靭(うつぼ)公園で開かれたキャンドル集会の第2弾として、「日朝国交正常化と東アジアの平和を! 9・18キャンドル集会」が9月18日、大阪エルシアターで開かれた。約600人が参加し、6月12日の米朝首脳会談を契機に東アジアの非核化の実現に向けた取り組みを進めていくことで、9条改憲や辺野古新基地建設を止めていこうと意思統一を図った。
 集会は、沖縄知事選を闘う玉城デニー候補のビデオメッセージ、実行委員会からの日朝平壌宣言(2002年)や朝鮮戦争の解説、浅井基文さんと纐纈厚さんによる2つの講演など盛り沢山の内容であったが、安倍政権による対朝鮮政策のウソを徹底的に明らかにした集会となった。
 浅井さんは「安倍政権の対朝鮮政策と日朝国交正常化の課題」をテーマに、北朝鮮脅威論をもとにしたイージス・アショア配備計画などの軍事大国化路線について、「安倍政権は『核ミサイルが飛んで来たらどうするか』と国民の不安を煽るが、北朝鮮は無謀な核ミサイル使用が何をもたらすか十分に知っている。北朝鮮が追い詰められないよう外交こそが唯一無二の政策であることを日本政府は知るべきだ」と日朝国交正常化の重要性を強調した。
 集会は最後に朝鮮半島の非核化をめざす集会決議を採択し、「イムジン河」などの歌唱に合わせてロウソク型のペンライトで光の波をつくった。
(憲)
写真:浅井基文さんや纐纈厚さんの講演で安倍政権の対朝鮮政策を批判した=9月18日、大阪市
インフォメーション
2018労働大学講座が開講
 神戸・東播磨・姫路・但馬の4地区で

 労働大学近畿支局は今年も神戸、東播磨、姫路、但馬の4地区で「2018労働大学講座」を開講する。新社会党兵庫県本部、I女性会議ひょうご、社青同兵庫地区本部が後援している。  開催要項は次の通り。問い合わせは労働大学近畿支局へ。電話・ファックス 078・361・5051
  • 《神戸講座》
    ▼開講日/時間=①10月19日(木)②26日(木)③11月2日(火)④9日(木)⑤16日(木)⑥22日(水)の全6回/午後6時30分~8時30分
    ▼会場=神戸市立婦人会館、神戸市立総合福祉センター内(同じビル内)
    ▼講義テーマ/講師=①平和憲法(自民党改憲草案との対比)/鈴田渉 ②安倍政権の「働き方改革」批判/塚原久雄 ③原発再稼働反対/米岡史之 ④貧困と格差問題を考える/佐野修吉 ⑤安心の社会保障(年金・介護)/小林るみ子 ⑥とりまく情勢と課題/津野公男
    ▼受講料=4100円(聴講料=1回800円)
  • 《東播磨講座》
    ▼開講日/講義テーマ/講師(全3回) ①10月26日(金)/働き方改革のネライ/今村稔 ②11月2日(金)/とりまく情勢と課題―世界と日本―/佐野修吉 ③11月9日(金)/私と労働運動/長谷川公英
    ▼時間=いずれも午後6時30分~8時30分
    ▼会場=加古川市立勤労会館
    ▼受講料=2000円(聴講1回800円)
  • 《姫路講座》
    ▼開講日/講義テーマ/講師(全6回) ①10月17日(水)/職場のハラスメントとの闘い/西山和宏 ②10月24日(水)/沖縄問題を考える/森哲二 ③10月31日(水)/アメリカの労働運動は今/佐野修吉 ④11月7日(水)/憲法改悪―自衛隊を明記したらどうなる/鈴田渉 ⑤11月14日(水)/原発―放射性廃棄物の行方/米岡忠之 ⑥11月21日(水)/私たちをとりまく情勢と課題/津野公男
    ▼時間=いずれも午後6時30分~8時30分
    ▼会場=花の北市民広場
    ▼受講料=4100円(聴講は1回800円)
  • 《但馬講座》
    ▼開講日/講義テーマ/講師(全3回) ①11月14日(水)/働き方改革/塚原久雄 ②11月21日(水)/平和憲法/鈴田渉 ③11月28日(水)/ユニオンのたたかい/但馬ユニオン
    ■時間=いずれも午後6時30分~8時00分
    ▼会場=豊岡市民会館
    ▼受講料=2000円(聴講1回800円)
講演会「高等教育の無償化を根底から問い直す」
  • 10月13日(土)13時30分
  • あすてっぷKOBE(JR神戸駅北へ5分)
  • 講師 矢野眞和・東京工業大学名誉教授
  • 参加費1000円
  • 主催:奨学金問題と学費を考える兵庫の会(078・362・1166 神戸あじさい法律事務所)
憲法カフェNO.16 幸せのカタチを考える
  ~憲法13条・14条・24条と私たち~
  • 10月14日(日)14時
  • 新長田勤労市民センター
  • 参加費500円
  • 主催=憲法を生かす会・長田
2018社会主義ゼミナールin近畿
  「新自由主義の克服と21世紀型社会主義」
     ~マルクス生誕200周年記念~
  • 10月14日(日)13時~16時30分
  • 講師 伊藤誠さん (東京大学名誉教授)
  • 国労大阪会館(JR環状線天満駅すぐ)
  • (事前申し込み制)FAX:072/242/6315
市民デモHYOGO10月のデモ
  • 10月20日(土)14時30分
  • 神戸市役所北・花時計前で集会後、デモ行進
第22回働く女性の交流会
  • 10月21日(土)13時30分~16時30分
  • ひょうご共済会館(元町駅北へ10分)
  • 講演「どこへいく 子どもたちの居場所 どうする女性労働者-私たちはあきらめへん」小林美希さん(労働ジャーナリスト)や職場報告
  • 参加費1000円
  • 主催:集会実行委員会
今伝えたい真実~望月衣塑子さん講演会
  • 11月17日(土)13時30分ミニライブ 14時講演
  • 四季の森生涯学習センター(篠山市)
  • 前売り券800円(当日1000円、大学生500円)