「新社会兵庫」 2018年06月26日号
安倍「働き方改革」では格差は拡大
県パートユニオンネットワークが
定期総会とパートフォーラム 6.3神戸
「過労死促進法」とでも呼ぶべき高度プロフェッショナル制度の創設などを含む「働き方改革」関連法案が、多くの反対や疑問の声を無視して(共同通信の世論調査では「今国会で成立させる必要がない」が69%)、またもや数の力で衆議院で5月31日に強行採決され、参議院に送られるという状況のなか、兵庫県パー。トユニオンネットワークの定期総
会とパートフォーラムが6月3日、神戸市勤労会館で開かれた。
総会では2017年度の活動総括と非正規労働者の権利向上に向けたこの1年間の活動方針を確認し合った。
総会に引き続きパートフォーラムが開かれ、「たたかいの報告」として、自治労県本部臨職評尼崎嘱託職員労組から経験加算を基にした賃金表を求める闘い、ユニオンあしやから派遣社員の待遇改善をめぐる取り組み、臨職評加西市職員ユニオンからは臨時職員の勤務条件など一方的制度移行を許さない闘い、武庫川ユニオンからは放課後送迎サービスで働く女性に出た一方的な自宅待機命令の問題への取り組みなどの報告があった。
その後の記念講演は、全国ネット顧問の中野麻美弁護士が「働き方『改革』で格差解消!?」というテーマで行った。
中野さんはまず、「安倍政権のデータねつ造はひどいものだが、連合の賃金白書などをみても『男女格差が縮まってきた』という嘘っぱちがわかる」として、「男性賃金のピークは55歳なのに対し、女性は34歳で止まる」「男性と子どもを持つ女性の賃金比率は100対39で、世界一の格差」など、賃金や昇給の身分格差が正規・非正規関係なく浸透していることを指摘した。
また、軍事大国化をひた走る安倍政権が求める国家観として、「人間を道具とみている。アベノミクスの『1億総活躍』とは『1億総動員』のことで、『高齢者は年金支給受けずに筋トレやって低賃金で活躍』『女性は2人以上産んで低賃金で活躍』『サラリーマンは企業の自由と競争と選別の道具にされて活躍』という図式ができ上がる」と皮肉った。
衆議院で強行採決された「働き方改革」関連法案についても「同一労働同一賃金のガイドラインの不合理性」「週40時間超えが可能となる上限規制」「報酬と時間を切り離す(労働契約概念の崩壊)ことによる低賃金と長時間化」など多くの問題点をあげ、「賃金低下と労働時間増加の悪循環が進み、格差は必ず拡大していく」とした。
そして、参加者に対して「主権者は私たち。労働組合は手をつないで法律内容を変えていこう」と呼びかけた。
(石上)
写真:(上)総会後のフォーラムでは職場報告と中野麻美弁護士の記念講演(下)中野麻美弁護士、いずれも6月3日、、神戸市勤労会館
安心と笑顔の社会保障ネットワーク
介護・福祉職員交流会開く
安心と笑顔の社会保障ネットワーク(略称・安心ネット)は6月2日、神戸市中央区のあすてっぷKOBEで介護・福祉職員交流会を開いた。
この交流会では、大野ひろ子さん(NPOみなと合同ケアセンター・ケアマネージャー)が「介護について考える」をテーマに介護保険制度の度重なる改悪について問題提起。介護サービスの切り捨て、使い勝手が悪くなる介護保険制度など「保険料は上がって介護サービスは制限だらけ」の実態が明らかにされた。
大野さんは、介護費用の抑制に向けて今年度から「自立支援」の名のもとに介護保険制度からの「卒業」が強要され、生活援助の回数が多いケアプランについて自治体がチェックし抑制するという、保険者(自治体)機能の強化が始まると問題点を指摘。そして、介護職員と利用者・家族がともに連携して国や自治体に声をあげていかなければ介護保険制度は解体されると警鐘を鳴らした。
参加者による交流会では「自立支援とは何かを考えさせられる。まんまと政府の思惑にはまらないよう気をつけたい」「神戸市から総合事業の訪問介護を受けてほしいとの電話が入るが、今でも人手不足であり、8割の介護報酬なので『人がいない』と断っている」という意見が出された。
(菊地)
写真:度重なる介護保険制度の改悪を語る大野ひろ子さん=6月2日、神戸市中央区
“大会はわたしたちの「ホーム」”
I女性会議ひょうごが大会
I女性会議兵庫県本部(共同代表・加納花枝、川辺比呂子)の第57回大会が6月3日、神戸市長田区の新長田勤労市民センターで開かれた。
大会では、昨年末、東京新聞の望月衣塑子さんを講師に迎えて開催した「平和のつどい」、大丸前で続けてきた第4土曜日の街頭行動、多くの会員が参加した辺野古の抗議行動などの《平和の取り組み》を振り返った。
また、《社会保障》については、安倍政権が掲げる「介護離職ゼロ」とは逆行する現状を広く訴えていこうと提起された。
《教育をめぐる課題》では、今年から教科書の使用が義務付けられた道徳や、それに対して、長時間労働で目先の仕事で手いっぱいの現場がこうした動きに問題意識を持てないままやり過ごしてしまっている現状が報告され、まず、今年度採択される中学道徳教科書に対して市民の声を反映させていこうと提起された。
憲法ビンゴなどのゲームをはさんで午後からは各支部が現状を報告。介護保険の改悪で利用者との板挟みに悩みながら働かざるを得ない介護ヘルパーの会員、長い間ボランティア活動を続けてきた会員の奮闘など各会員の近況を出しあった。
普段なかなか顔を合わせることのできない会員が、それぞれの地域でこだわり、頑張り続けているものを交流しあうことで勇気づけられ、新たな一歩を踏み出せる大会となった。 閉会後は新長田駅前で憲法ティッシュを配布し、街頭で訴えた。
(丸山)
写真:大会後はJR新長田駅前で街頭行動をして記念撮影=6月3日、神戸市長田区
共謀罪法成立から1年
廃止訴え街頭デモ 兵庫県弁護士会 6.9
共謀罪法(テロ等準備罪)が制定されて1年が経とうとする6月9日、兵庫県弁護士会は「いわゆる共謀罪法に反対する街頭パレード」を呼びかけ、約150人の市民らが集まった。
県弁護士会は長年にわたって同法に反対を表明してきており、「街頭パレード」も今回で6回目となる。
パレード出発前の東遊園地での集会の主催者あいさつで、藤掛伸之会長は「共謀罪法は私たちの自由にとって危険な法律だ。捕まるかもしれないと思わされることが、自由への萎縮機能を果たしている」と述べ、引き続き同法の廃止を求めていこうと訴えた。
集会後、参加者は東遊園地から三宮センター街を通って元町駅付近まで「監視社会を許すな」と訴えながら歩いた。
(彩)
写真:県弁護士会として6回目となる共謀罪反対のパレード=6月9日、神戸市
TPPや種子法廃止に反対 県農業問題懇話会が総会
兵庫県農業問題懇話会(中井常男会長)の第23回総会が6月2日、神戸市兵庫区の兵庫勤労市民センターで開かれ、反TPPや種子法廃止反対、会員拡大など、当面の取り組みを確認した。
冒頭の中井会長のあいさつに続き、岡崎宏美新社会党中央本部委員長と鳥居隆太郎全国農業問題連絡会副会長から連帯と激励のあいさつがあった。
討論では、「農業の再生は直接所得補償制度の拡充しかない」、「大型認定農家に集積するための圃場整備が進んでいる。集落の大半は非農家になるが、共同体としての集落の機能が維持できるのか心配だ」、「(姫路の)広峰でメガソーラー発電所が計画されている。水害の多い地域で、森林を伐採されると土砂災害が心配。うまくいかなかったら産廃処分場になる可能性もあり、反対署名に取り組んでいる」などの発言が続いた。
総会後の記念講演では、「新規就農者の現状と課題」と題して、全国農業問題連絡会の河村洋二事務局長から、年間6万5千人(うち39歳以下は2万人弱)が新規就農(2015年)していることが紹介された。問題点として、「所得が少ない」ことや「設備投資資金不足」「運転資金不足」など、経営面で行き詰るケースの多いのが現状で、「公的な支援策の拡充が課題」であると指摘した。
(鍋島)
写真:厳しい農業の実情の中からの課題も出し合われた総会=6月2日、兵庫勤労市民センター
朝鮮半島の統一の願い込め
22回目の統一マダン神戸
「朝鮮半島に平和と統一を 分断の悲しみの涙を統一の歓喜の涙に」と訴えてきた第22回統一マダン神戸が6月3日、神戸市長田区の若松公園で開催された。
4月の南北首脳会談につづく史上初の歴史的な米朝首脳会談が多少の紆余曲折の末、6月12日にシンガポールで開かれることがほぼ確定するという状況のなかでの統一マダンだけに主催者や周囲からの期待はひときわ高かった。
会場では、朝鮮半島の分断や統一への動きを伝えるパネル展示がされ、さまざまな屋台が出店するなかで、中央の舞台でも朝鮮学校生の歌や踊り、韓青同のサムリノリや華僑総会の舞獅隊、三田和太鼓をはじめ日本の市民の参加など、分断を超えた国際色豊かな出し物が相次いだ。盛り上がった中で迎えたフィナーレは、恒例の全員参加による統一大プンムル(農楽にあわせて練り歩く)で、訪れた統一への動きを確かなものにしようと期待を寄せ合った。
(門永秀)
写真:南北首脳会談や米朝首脳会談の成果への期待からも盛り上がった統一マダン=6月3日、神戸市長田区
被災者支援・反戦平和・沖縄などに残した足跡
河村宗治郎さんを偲ぶ
今年1月8日、81歳で亡くなった河村宗治郎さん(兵庫県被災者連絡会会長)を「偲ぶ集い」が6月9日、神戸市中央区の同市産業振興センターで持たれた。
河村さんは、阪神・淡路大震災の被災者支援だけでなく、長年にわたって反差別、反戦・平和、沖縄との連帯・交流、そしてここ数年は護憲の政治勢力の共同・結集などさまざまな課題に市民運動の立場から深く関わってきた市民活動家。
集いには、河村さんのその活動の広さを物語るように、それぞれの課題で親交のあった人たち約130人が地元の兵庫のほか、沖縄、東京、愛知などから集まった。
集いの冒頭、河村さんの活動の足跡がスライドで紹介されたのち、集い実行委員会を代表して、借り上げ復興住宅の退去問題を共に取り組んできた山村ちずえさんがあいさつ。
その後、「河村さんとは好敵手だったが、戦友だった」と被災者支援をめぐる活動を称えて追悼した井戸敏三県知事のスピーチを皮切りに、沖縄から出席した知花昌一さんら21人から追悼の言葉が述べられた。いずれも、河村さんの人に対する優しさや温かさ、運動への熱さ、そして権力に対する厳しさなど河村さんの人柄を語り、河村さんを偲んだ。途中には、毎年「1・17追悼・連帯・抗議の集い」を一緒してきた、おーまきちまきさんの歌も捧げられた。
最後に妻の紀子さんが「頑固に自分の思いを貫けたのはみなさんの支えがあったからこそ」とあいさつ。実行委員会の出口俊一さんが「河村さんの遺志をみんなで継いでいこう」と閉会のあいさつを締めた。
写真:沖縄や東京はじめ各地から集まった130人が河村宗治郎さんの活動や人柄を偲ん=6月9日、神戸市
辺野古の課題でフリートーク
憲法を生かす会・長田らが憲法カフェ
憲法を生かす会・長田とI女性会議・長田は6月10日、「沖縄を見捨てないで!」をタイトルに、15回目となる憲法カフェを新長田勤労市民センターで開き、15人が参加した。
同会のメンバー数人が4月下旬に沖縄・辺野古を訪問。「ゲート前連続6日間500人集中行動」に参加し、地元の人たちとゲート前に座り込んで工事車両をストップさせるという行動に取り組んできたが、この体験の共有のために辺野古の今の状況を話し合いたいと、 今回はカフェの参加者たちでのフリートークの形式になった。
沖縄戦の直後に本土攻撃のための米軍の出撃基地が沖縄各地に急造され、それが沖縄に返されることなく戦後に続いてきた経緯を検証するDVDを見て、辺野古の行動に参加してきた3人の報告を聞いた。
参加者からは、「自分には同じような行動はできないが、こうして知ることが大切」「埋立てが始まって1年過ぎたが、最近はあまり報道されないので今日来てみたが、辺野古の現状がよく分かった」などの声が出た。自分の意見や感想を話すのは、人によってはプレッシャーかもしれないと思ったが、初参加の人達も含め、それぞれから発言があった。「ざっくばらんなカフェもいいな」という声もあった。
(伊藤)
写真:「新聞で見た」と飛び入りの参加者も=6月10日、神戸市長田区
インフォメーション
NPO法人働く人の相談室設立記念セミナー
7月4日(水)18時30分〜20時30分
神戸市勤労会館308
講演「社会変革に向けた労働組合とNPOの連携」柏木宏大阪市立大学教授
参加費500円