「新社会兵庫」 2018年04月24日号
 モリ・カケ問題をめぐる公文書の隠蔽・改ざん、虚偽発言や自衛隊日報の隠蔽をはじめ、まるで底が抜けたかのような不祥事の相次ぐ発覚で政・官の信頼は大きく失墜、安倍政権は揺らぎを見せている。こんな政権に改憲を語る資格などはないはずだが、安倍首相は変わることなく改憲への執念を燃やし続けている。安倍9条改憲を阻止しようと、各地の3000万署名にも拍車がかかる。揺らぐ安倍政権をさらに追い詰め、3000万署名の高まりで改憲発議を断念させる気運をつくろう。そんな決意を込めた集会が各地で開かれている。
安倍9条改憲NO!3000万署名
     篠山・丹波で集会 高田健氏が講演
 「憲法を生かす3000万人署名・市民アクション篠山・丹波のつどい」(実行委員会主催)が4月10日夜、丹波市内で開かれ、会場いっぱいの130人が参加した。
 「つどい」では、「総がかり行動実行委員会」共同代表の高田健さんが「憲法をめぐる情勢と私達の活動・展望」と題して講演した。
 高田さんは、「安倍9条改憲は『自衛権』一般の行使の宣言であり、2015年に強行した安保法制の枠組みを越え、国連憲章51条にいう『集団的自衛権』の行使、いわゆるフルスペックの集団的自衛権の行使が可能となる」「『必要最小限度の実力組織』の規定を外すことで、自衛隊は憲法上の制約なく、海外で戦争できることになる」と指摘。「シビリアンコントロールが効かない自衛隊の暴走が明白になるとともに、行政を私物化する首相官邸疑惑・側近政治が次々と明らかになる中で、とても憲法を変える国会発議を2〜3か月でやり遂げるのは巨大与党でも無理」「3000万人署名運動などで改憲反対の世論が盛り上がれば、年内発議を阻止できる可能性は高まる」「国民投票法では、有料のコマーシャルが無制限であり、最低投票率の規定もなく、改憲派に有利な内容になっている。国民投票にまで持って行かせないたたかいが重要だ。国会発議しても国民投票で通りそうにない状況をつくりだそう」と訴えた。
 参加者からは、「安倍首相が追い詰められていることがよく分かった」「発議させない可能性があると聞いて元気が出た」「署名をがんばろうという気持ちになった」などの感想が寄せられ、高田さんの講演は大好評であった。
 なお、実行委員会が7日に篠山市内の「さくらまつり」の会場で行った統一署名行動では1時間で72筆の署名が集まり、4月21日にも統一行動が予定されている。
(川崎)
写真:(上)満席の130人が参加した集会で高田健さんが3000万人署名などの世論の高まり具合で年内の改憲発議は阻止できると訴える=4月10日、丹波市(下)講演する高田健さん

5.3兵庫憲法集会の成功へ
     県下57所で一斉駅頭宣伝
 憲法記念日の5月3日に1万人規模の「5・3兵庫憲法集会」を神戸市中央区の東遊園地で開く「戦争させない、9条壊すな!5・3総がかり行動兵庫県実行委員会」(連絡先・中神戸法律事務所)は4月9日、統一ビラを配布しながら集会参加を呼びかけるターミナル宣伝行動を午後6時〜7時の時間帯で県下57カ所で一斉に行った。
 行動では同時に「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名(3000万署名)」にも取り組み、安倍首相が主張する、自衛隊を9条に明記するという「9条加憲論」は、集団的自衛権の全面的な行使を可能にし、自衛隊がいつでも海外の戦争に参加できる道を開くものだと、その危険性を訴えた。
 公文書の改ざんや隠ぺい問題が次々と明らかになる中、安倍内閣の総辞職を求める訴えも響いた。
行動の規模は各地で違ったが、参加者が50人を超える地域もあった。
写真:3000万署名も同時に取り組まれた、5.3集会呼びかけのターミナル行動=4月9日、JR六甲道駅前
 憲法を生かす須磨区の会は3月25日、北須磨文化センターで憲法学習会を開いた。
 冒頭、浜崎利澄世話人代表が「財務省や文科省の問題は民主主義を脅かすおよそ考えられない異常なこと、何としても追及しなければならない。そうした中でも安倍改憲の動きがある。3000万署名の成功を」とあいさつ。次に会員が松元ヒロ作の紙芝居『憲法くん』を朗読した。
 メインは川元志穂弁護士(あすわか兵庫)の「憲法ってなあに」と題した講演。川元さんは「今の憲法ってどんなもの」として、現憲法の特徴である「個人の尊重」と3原則や権力分立について説明した後、自民党の改憲案では個人の尊厳を守るのではなく国家を守ることをめざし国民を憲法で縛ろうとしているとし、すでに法律で憲法が壊されているとも指摘した。さらに、安倍政権がどのように憲法を変えようとしているのかについて解説を行い、「戦争法の合憲化のためであり、集団的自衛権の行使を止めることができなくなる」と批判した。また、緊急事態条項についても期間が定かでないことや人権の制限に歯止めがないことなどの危険性を強調した。
(若嶋)
写真:あらためて9条改憲のねらいや緊急事態条項の危険性などを学んだ=3月25日、神戸市須磨区
 「幸徳秋水を語る神戸の集い」が4月1日、神戸市灘区の神戸学生青年センターで開かれ、80人が参加した。
 「集い」では、幸徳秋水を顕彰する会事務局長の田中全さん(前四万十市長)が「現代に生きる幸徳秋水」と題して、高知県四万十市での幸徳秋水を顕彰する会の活動や今日の共謀罪や改憲の動きのなかで幸徳秋水を語ることの意義などについて語った。田中さんによれば、高知以外で幸徳秋水の名前を冠した集まりは初めてとのこと。
 また、サブスピーカーとして、今村稔さん(社会主義協会代表)、飛田雄一さん(神戸学生青年センター館長)、戸崎曾太郎さん(治安維持法犠牲者国賠要求同盟兵庫県本部会長)の3人から、それぞれ「秋水と平民新聞 そして堺利彦」、「大逆事件と神戸多聞教会」、「神戸と大逆事件(岡崎寅松、小松丑治)」と題して、さまざまな角度からの幸徳秋水や大逆事件についての話がされた。
 集会を主催した実行委員会は、テーマとしては重い課題での「集い」だったにもかかわらず、参加者からは大筋たいへん良かったという感想が寄せられたと確認している。
 「集い」後には、新たに10人が、顕彰する会に加入した。
(津・吉)
写真:80人が集まった集いで田中全さん(幸徳秋水を顕彰する会事務局長)が現代に生きる幸徳秋水について語った=4月1日、神戸市灘区
インフォメーション
第50次まなぶ講演会

 労働大学まなぶ友の会兵庫県協議会は、「人間らしく働きつづけ、生きつづけるために」をテーマに「第50次まなぶ講演会」を県内11会場で開く。新社会党兵庫県本部やI女性会議ひょうごなどが後援している。 開催要項は次の通り。
  • 開催日・開催地区/会場/講師(敬称略)の順。時間はいずれも18時30分〜20時30分(ただし姫路は18時から)。参加費800円。
  • □5月9日(水)東神戸/六甲道勤労市民センター/川越俊己
    □5月14日(月)神戸・兵庫/兵庫勤労市民センター/酒井浩二
    □5月16日(水)東播磨/加古川勤労会館/平田尚
    □5月18日(金)神崎/神崎町文化センター/小林るみ子
    □5月23日(水)姫路/花の北市民広場/鈴田渉
    □5月24日(木)神戸・北/北区民センター/菊地憲之
    □5月24日(木)神戸・長田/新長田勤労市民センター/小西達也
    □5月25日(金)淡路/洲本文化体育館/菊地憲之
    □5月28日(月)神戸・垂水/垂水レバンテ/川越俊己
    □5月30日(水)明石/明石勤労福祉会館/小林るみ子
    □6月6日(水)但馬/豊岡市民会館/橋田秀美
第3回働く仲間のメーデー(第一部)
  • 4月29日(日)10時30分〜JR新長田駅前からデモ出発→11時 若松公園グランドで祭典
戦争をさせない、9条壊すな!
        5.3兵庫憲法集会
  • 5月3日(木・祝)14時〜15時
  • 東遊園地(神戸市中央区)
  • ゲスト 神田香織(講談師) 高石ともや(フォークシンガー)
     ※集会終了後3コースに分かれてパレード
  • 主催:戦争をさせない9条壊すな!5.3総掛かり行動兵庫県民実行委員会
「働き方改革」法案を廃案に!8時間労働で暮ら
  せる社会を 5.11兵庫アクション
  • 5月11日(金)18:20 三宮・東遊園地集合 ミニ集会後18:40デモ出発(JR元町駅まで)
  • 主催:労働法制総破壊に反対する兵庫県共同アクション実行委員会