「新社会兵庫」 2018年03月13日号
 “安倍9条改憲”に向けた動きが自民党内で活発になるなか、今年の5月3日に一昨年につづいて1万人規模の「5・3兵庫憲法集会」を神戸市中央区の東遊園地で開く「戦争させない、9条壊すな!5・3総がかり行動兵庫県実行委員会」(略称=総がかり行動兵庫実行委員会)は、5・3集会の成功に向けたプレイベントとして3月1日、神戸市勤労会館・大ホールで「プレ集会」を開いた。会場いっぱいの約350人が集まった。
 集会の冒頭、主催者を代表して羽柴修弁護士(9条のこころネットワーク)があいさつ。「早ければ今秋の臨時国会にも改憲発議のおそれがあり、事態は急を告げている。憲法は最大の危機にある。いま『安倍9条改憲NO!全国統一署名(3000万署名)』が取り組まれているが、盛り上がりに欠ける面があるのも事実だ。意見交換や経験交流などを行い、今ある困難を乗り越えて3000万署名運動を成功させていこう」と訴えた。
 つづいて、3000万署名運動を呼びかける「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」の呼びかけ人の一人である内田樹さん(神戸女学院大学名誉教授)が「今なぜ3000万署名なのか」と題した講演を行った。
 内田さんはまず、「3000万署名をふくめ護憲の動きがなぜ国民的な運動になっていかないのか」と問いかけ、日本国憲法制定時の総括に立ち戻りながら、護憲派の運動の根源的な問題として提起した。
戦中派の人たちは自分たちの戦争体験と日本国憲法制定過程の2つについてずっと沈黙を保ち、それが戦後民主主義のある種の虚構性を保ってきたが、そうした世代が消えていくことでそれを担保するものがなくなってきたとし、何が憲法を担保するのか、改めて憲法制定時と向き合わねばならないと訴えた。そこから、「対米従属を通じての対米自立」という従来の国家戦略を見直し、「日本がアメリカの属国であること」、「現憲法がアメリカから与えられたもの」という事実を認めるところから始め、どう国家主権の回復を図るかなどについて問題提起を行った。
 また最後には、日本の9条改憲について、支持しているのは世界的にも米軍内の一部の勢力だけであることを日本人はあまり知っていないのではないかと、国際的な文脈でも改憲問題を見る必要があるとも指摘した。
 講演後は事務局から、3000万署名運動の強化とあわせて5・3憲法集会に向けた行動提起が行われ、4月9日には県下57カ所で午後6時から7時の1時間、一斉にターミナル宣伝行動を行うことを確認し、団結ガンバローを行って集会を終了した。
写真:(上)会場満杯の350人が参加し3000万署名運動の強化を誓い合った=3月1日、神戸市中央区、(下)講演する内田樹さん
 郵政産業労働者ユニオンに所属する日本郵便の契約社員ら8人が、正社員と同じ仕事なのに手当などに不合理な格差があるのは労働契約法20条違反だとして未払い分計3120万円の支払いを求めた訴訟の判決が2月21日、大阪地裁であった。
 内藤裕之裁判長は、一部の手当について「契約社員に支給がないのは不合理だ」として、日本郵便に対し計305万円の支払いを命じた。不合理だとしたのは年末年始勤務手当、住居手当、扶養手当の不払いで、判決ではこれらの手当について正社員と同額の支払いを命じた。
 同趣旨の訴訟は東京地裁でもあり、昨年9月に東京地裁で出された判決でも一部を不合理として、年末年始勤務手当は正社員の8割、住居手当は6割の支払いを命じていた。 ただ今回の判決では、東京地裁が不合理だと認めた病気休暇をめぐる差などについては具体的な判断を避けた。
 しかし、今回の大阪地裁の判決は、東京地裁の判決内容をさらに上回り、郵政にとどまらず全国で働く非正規労働者に希望を灯す画期的なものだと言えよう。
 訴えていたのは大阪、兵庫、広島の郵便局で集配業務を担当する8人の男性の期間雇用社員(うち1人は退職)。
 約250人が集まった判決後の報告集会では垂水郵便局で働く原告から「子どもが多く、扶養手当で199万円の支払いを勝ち取ったのは一歩前進の判決だ。控訴審では完全勝利をめざしていきたい」と支援のお礼と次のたたかいへの決意が表明された。
(菊地)
写真:郵政職場での正社員との差別を認めた勝利判決が出された=2月21日、大阪地裁前
 兵庫県はこのたび、外国人学校振興費補助を朝鮮学校にだけ2分の1減額する当初予算案を提出した。このことに対して、I女性会議兵庫県本部(加納花枝、川辺比呂子共同代表)は直ちに抗議文を県宛てに送付した。
 これまで補助の支給要件としては「教員が日本の教員免許を有している」「学習指導要領に基づく授業時間数が確保されている」とされていたが、今回新たに「教員の3分の2以上」という要件が付け加えられたために生じた措置だという。
 だがこれは、朝鮮学校だけが条件をクリアしていないことを見越して狙い撃ちした暴挙だと言わねばならない。
 日本国憲法の下、税金もしっかり払っている市民の子どもたち、日本に生まれ、将来も日本で生きていく高校生たちの教育を受ける権利が、出自によって差別されて良いはずはない。外国に暮らす子どもたちが自らの母国語を学び、母国語で教育を受ける権利を保障することは国連の決議にもうたわれた政府の責任である。朝鮮学校への差別は、いまや学校の存立を危うくするところまでに至っている。つい先日は朝鮮総連本部への襲撃事件も起こった。今年は朝鮮学校への大弾圧事件「阪神教育闘争」から70年の年である。再び排外主義の跋扈(ばっこ)を許してはならない。
(門永三)
 憲法を生かす加古川・稲美・播磨の会の再出発の場となる学習会が2月24日、県加古川総合庁舎「かこむ」で開かれた。
 吉谷健一弁護士(あすわか兵庫)から安倍政権の改憲問題についての問題提起をうけて議論を行った。吉谷さんからは、@日本を守るという意識は強くても、外国の戦争に巻き込まれたくないという国民世論の声をもっと広く集めることが必要で、安保関連法の時のような反対世論の盛り上がりをもう一度つくり出すこと、Aアメリカのいいなりで武器を買わされていることへの疑念をもっと訴えること、B緊急事態条項への反対論は根強いのでそこに依拠してがんばること、などの点が指摘された。
 参加者たちからは、「国会で改憲派が3分の2以上を占める中で、何をやってもうまくいかない」「街頭署名でもほとんどの人が通りすぎる」などの意見が出る一方、「一番関心をもって署名してくれるのは高校生たち」「街頭宣伝をすることに意義がある」「1時間で25人の署名でも、何十人、何百人の人たちが見ているし、訴えを聞いてくれている。焦らず根気強くやっていこう」などの意見も出された。
また、戦争法反対や共謀罪反対の時のように、神戸や姫路で行われた弁護士会呼びかけの集会をぜひまたやってほしいとの弁護士会への要望も出され、エールがおくられた。
 最後に、総がかり行動兵庫実行委員会主催の1万人規模の5・3兵庫憲法集会と「3000万署名」運動の成功を目指すことを確認して終了した。
(藤井)
写真:安倍改憲問題を考え、署名運動などについて意見交換した学習会=2月24日、加古川市
  憲法を生かす北区の会は2月24日、北区内で第45回憲法を考える集いを開いた。今回は、門永秀次さん(憲法を生かす会・垂水)から「3000万署名運動の意義」をテーマにお話を聞いた。
 第1次安倍政権からの改憲に向けた動きをまず振り返り、今年9月の自民党総裁選、19年4月の統一地方選、天皇即位、19年6月の参院選、そして20年8月の東京オリンピックが控えているという今後のタイムテーブルを見れば、今年中に改憲発議をすれば、統一地方選までの、あるいは参院選までの国民投票が可能になり、もはや猶予はないことを確認した。
 お話のあと、活発な質問や意見が出された。山崎貢・北区の会代表からは、80人の知り合いに手紙をつけて署名用紙を送ったところ、その半分ほどが返ってきて、その中には「孫を戦場にやりたくないでしょうと言ったら署名してくれた」「戦争に反対しているがこのような署名は初めて。3千万分の5がんばった」など元気の出るコメントがあった、と紹介があった。他の区での複数の団体による統一行動の報告もあった。また、署名行動の時には明るい服を着る方がいい、マイクでしゃべる人は必要など、署名集めのノウハウについての意見交換も行われた。  
(渡辺)
インフォメーション
憲法を生かす会・ひょうごネット・9条改憲NO!木曜行動
  • 3月15日(木)17時分〜19時
  • JR元町駅東口南
連帯兵庫みなせん
2017衆院選の総括と再々出発のつどい
  • 3月17日(土)13時30分〜16時30分
  • 神戸市勤労会館403・404
  • 記念講演「ウィングを広げる課題を探る」芦田健太郎・神戸大学名誉教授や報告・討論など
  • 参加資料代500円
憲法を生かす会・ひょうごネット 
          3000万署名運動交流会
  • 3月17日(土)18時〜20時
  • 神戸市勤労会館405号室
  • 報告「憲法情勢について」鈴田渉さん(大阪労働学校・アソシエ講師)や活動報告・交流など
  • 参加費500円
92歳の生涯女優 河東けい
   ひとり語り「母」〜多喜二の母〜
  • 3月21日(水)13時45分開場、14時15分開演
  • コープこうべ生活文化センター
  • 事前申込制・全席自由/前売り=大人1000円、大学生以下・障がい者500円(当日=大人1500円)
  • 申込・問い合わせ先=ろっこう医療生協・本部078・802・3424
第22回ピース・セミナー
  • 3月22日(火)19時
  • 神戸市勤労会館406号室
  • 講演「安倍改憲論の現状(仮題)」木下智史・関西大学教授
  • 資料代500円
戦争をさせない、9条壊すな!
        5.3兵庫憲法集会
  • 5月3日(木・祝)14時〜15時
  • 東遊園地(神戸市中央区)
  • メインスピーカー 神田香織さん(講談師)
  • ※集会終了後パレード
春闘期の学習会に 『データブック2018〜働く者の「いま」と「これから」〜』
  • 労働問題研究委員会編
  • A5判68頁/定価500円(税込み)
  • 内容 働く人々の現状/グローバル化と日本経済/富を勤労国民とその家族へ取り戻そう地方自治/こどもの貧困と教育/農林業とTPP今こそ非武装中立の日本を
  • 申し込みは新社会党兵庫県本部へ(078・361・3613)