- 日本企業の武器輸出に警鐘
二度と戦争をさせないという願いをこめて、I(アイ)女性会議ひょうごが毎年主催する「平和のつどい」が12月9日、東京新聞社会部記者の望月衣塑子(いそこ)さんを講師に招き神戸市中央区のあすてっぷKOBEで開かれ、満席の250人が参加した。望月さんは、菅義偉官房長官の記者会見で食い下がって質問する姿が多くの反響を呼んでいるが、この日は望月さんの取材テーマである日本の武器輸出について、「今なら止められる武器輸出〜戦争ビジネスに舵を切らせるな〜」と題する講演を行った。
望月さんはまず、2014年の「防衛装備移転3原則」の閣議決定によって武器輸出が解禁されて以降、政府主導の戦争ビジネス国家づくりに向けた動きが急速に進んでいる実態を紹介。過去最高額となった軍事費予算、日本初開催を果たし大企業もそろって出展した武器の国際展示会、武器輸出を行う企業や軍事研究をする大学などの研究者への手厚い支援策、官民一体で取り組んだオーストラリアへの潜水艦売り込み事業などだ。
一方、武器製造の下請け企業や中小企業の本音は、民間人を殺す可能性への恐れや世論の武器商人への根強い批判など、武器市場参入に慎重なものである。
しかし、すでに日本の民生技術が欧米軍事企業に採用され、中古の武器販売や海外との武器共同開発も進み、安全保障法制も成立するなど、政治家、防衛官僚、防衛企業の戦争マインドは形成されつつあるように感じるという。
望月さんは取材をする中で出会った、ある欧米軍事企業幹部の言葉を紹介した。「武器輸出に踏み切れば、いいとこ取りはできなくなる。潜水艦も魚雷を撃つし、やるなら全部批判を覚悟でやるべき。その前に、日本がどういう国になりたいのか、もっと国民が議論すべきだ」。
この言葉の意味や、ちゃんとした議論もないまま憲法9条の改悪を含む国の路線転換が進めようとされている現状を受け止めながら、「記者として最前線でその事実を伝えていきたい。みなさんもひとりひとりが今起きていることを知り、共有していってほしい」と締めくくり、会場は満場の拍手に包まれた。
つどいでは、「安倍9条改憲NO!3000万署名」の呼びかけも事務局から行われ、その取り組みの強化をみんなで確認しあった。(彩)写真:(上)会場満席の250人が参加した=12月9日、神戸市中央区、(下)講演する望月衣塑子さん