「新社会兵庫」 2017年12月12日号
 県内の労働組合や市民団体で構成する平和憲法を守る兵庫県連絡会は11月24日、神戸市勤労会館で「平和憲法を守る県民集会」を開き、神戸女学院大学の石川康弘教授から「安倍政権が狙うもの 運動と課題」と題した講演を受けた。先の総選挙結果と、市民と野党の共闘を大局的に分析した石川教授は、「危機(crisis)には『分岐点』という意味がある。この正念場を乗り越えれば展望も開ける」と参加者を元気づけた。
 本集会は、例年開かれてきた「10・21国際反戦デー兵庫県集会」が今年は神戸市長選や総選挙の関係で見送られていたが、時期をずらせて開催されたもの。
 集会には75人が参加し、先の総選挙で改憲勢力が3分の2を超える議席を占め、安倍政権による憲法改悪の動きがいちだんと強まる中、改めて現状の認識と運動の課題を共有する集会となった。
 「『社公合意』を思い出した」。希望の党の結成、民進党分裂という先の選挙情勢に触れた石川教授は、「1980年、市民と野党の革新共闘を分断した『社公合意』に次ぐ権力側の分断政策だった」と切り出した。
 しかし今回は、市民と野党の共闘は成熟し、分断策を許さなかった。「(安倍改憲阻止などの)7項目合意を軸に『政治を取り戻す』運動が地域に存在し、立憲民主党の躍進につながった」と石川教授は述べた。自民・公明が31減、希望・維新の政権補完勢力が10減に対し、立憲・共産・社民が31増と政党別の結果を示し、「権力側の大謀略に絶え、善戦した」と分析した。
 その後、「緊急事態条項」など安倍改憲の問題点と、改憲を求める経済活動の劣化を説明した石川教授は、「2009年の政権交代は、自民党政治を倒したが、『どんな政治を求めるのか』がなかった」と振り返った。
 今後の課題としては、@7項目合意を選挙闘争のスローガンに終わらせず、その実現に向け国会内外での取り組みを継続させること、A3000万人署名運動を通して「対話から共闘へ」を追求することを強調した。
 最後に、「危機(crisis)は、事態の一方的な悪化ではなく、『分岐点』という意味がある。現状は確かに危機的であるが、市民と野党の共闘の成長も確認できる。これを安倍改憲をはね返す力に転じ、展望を切り拓こう」とまとめた。 
(荒)
写真:講演した石川康弘・神戸女学院大学教授は、危機的な現状の正念場を乗り越え展望を拓こうと訴えた=11月21日、神戸市勤労会館
「市民デモHYOGO」の毎月19の日アピール行動の一環として、「森友・加計事件 政治の私物化はあかん!兵庫県集会」が11月19日、神戸市中央区のあすてっぷKOBEで開かれ、約80人が参加した。
 集会ではまず、東大名誉教授で「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」の醍醐聡さんが「国政の私物化と憲法が定める公務員の使命」と題して講演。醍醐さんはまず、加計学園設置を政府が認可したことに触れ、「獣医学部新設の4条件は、国家戦略特区ワーキンググループのヒアリングでも満たされていないことが指摘されており、結局、国家戦略特区は縁故者に利益を流し込むだけの通路で、文科省の行政権限をなきものにする官邸集権主義の器だ」と述べた。また、森友学園事件に関して会計検査院の検査報告が今月中にも国会へ提出されようとしていることにも触れ、これまでの様々な判例を示しながら、「近畿財務局がごみ撤去費用として売却価格から値引きした行為は不当であり、財務局が瑕疵を見つけて価値を下げていきたいという意思を持っていたことから、財務局の行為は故意犯=背任というべきだ」と問題を指摘した。
 集会では次に、森友学園事件をあぶり出すきっかけとなった木村真・豊中市会議員が「森友学園疑惑追及で明らかになった安倍政治の本質」と題して、これまで事件を解明してきた経過にふれながら、「結局、森友問題は子どもたちに教育勅語を暗唱させ、ヘイト発言が常態化する歪んだ愛国主義教育に、安倍政権と維新の会が肩入れしたこと」と述べ、このままで終わらせてはいけないと訴えた。
集会終了後、参加者は元町までデモ行進を行った。
(伸)
写真:集会では森友学園問題を明るみに出すきっかけをつくった木村真・豊中市会議員も疑惑追及の経過などを報=11月19日、神戸市中央区
 新社会党灘総支部(金丸正樹委員長)は11月23日、初めての「平和まつりinなだ」を神戸市灘区の神戸学生青年センターで開き、党員や支持者約110人が集まった。
 ロビーには、原爆、沖縄辺野古・高江のパネル写真が展示された。
 参加者には開会前、灘総支部の党員が準備した赤飯とおでんの昼食が提供され、和やかな気分のなかでまつりがスタート。
 第1部は「みんなと楽しむ音楽」。ピアノ、三線の演奏があり、みんなで歌も歌った。
 第2部は「私の伝えたい思い」。運動の各分野からの訴えとして、沖縄を訪問した若者、原爆被爆者、地域の労働運動、震災被災者支援、福島原発事故による避難者、さらに新社会党からは岡アひろみ中央本部委員長と先の総選挙を兵庫9区で野党統一候補として闘った菊地憲之・県本部書記長の9人が発言。それぞれのたたかいや活動を報告し、支援などを訴えた。いずれも平和・人権・環境を大切に、憲法をくらし、政治に生かしていこうとの訴えだった。
 第3部は映画上映など。メイン会場では藤本幸久、影山あさ子共同監督の映画「This is a オスプレイ」が上映される一方、介護・労働相談のコーナー、囲碁・将棋対局の部屋も設けられ、正午の開会から約4時間半、娯楽も交えながら、平和の問題をたっぷり考える時間をもった。
 呼びかけにあたり、灘総支部は5千枚のチラシ各戸配布、朝日新聞への折り込み、機関紙読者への親書などに取り組んだ。
写真:3部構成の第一部では三線の演奏も行われ、みんなで音楽を楽しんだ=11月23日、神戸市灘区
 灘区・東灘区平和マップを歩く会が呼びかけた「平和マップを歩こう2017」が11月18日、東灘区で行われた。阪急御影駅前に集合し、阪神御影駅まで東灘区西部の戦跡を「平和マップ」の作成者、小城智子さんの説明を聞きながら約2時間半かけて歩いた。
 中勝寺には戦没者の墓が10基あった。墓には亡くなられた場所が記されていたが、昭和13年からの6人は中国山西省や広東省、18年からの4人はニューギニア、ブーゲンビル、ビルマだった。御影公会堂は1945年6月5日の空襲で内部が焼かれてしまったが、その後の大震災にも耐え、今回リニューアルされて神戸の歴史を静かに伝えていた。そして、石屋川公園にある「火垂るの墓」モニュメント、今も弾痕が生々しく残る東明八幡神社の石柱、大きな被害に遭いながらも焼け残った西方寺のイチョウの木などを巡った。説明を聞きながら歩くことで、身近にあった戦争の様子をわずかながらでも感じることができた。
 4歳と2歳、そして3ヵ月の3人の子どもを連れて参加された若いお母さんは「西方寺のイチョウの木が希望のシンボルのようで生命力を感じた」「神戸の歴史をもっと知りたい」とアンケートに書いてくれた。有意義な時間だった。 
(築山)
写真:「火垂るの墓」のモニュメントも訪問
  新社会党の第17回全国女性党員交流会が11月25、26日の2日間、茨木県土浦市で開かれ、全国から約60人が参加した。兵庫からは5人が参加した。
 1日目、「新社会党の女性に求めるもの」と題して岡崎宏美・新社会党委員長がまず講演。「かつて自立して生きたいと願い、自治労時代に労働運動に身を投じたが、運動が勝ち取ったものは家族単位を前提とする労働者の権利にすぎなかったと言わざるを得ない。現在、女性は7割が非正規、若者は不安定な雇用環境に置かれ、憲法の『勤労の権利』が保障する範囲にはいない。今、求められているのは個人単位の“生”を丸ごと肯定する政策。私たち女性は幸せに生きるためにもっと前へ出なければ」と訴えた。
 続く記念講演は、新社会党茨城県本部も活動を共にする、脱原発ネットワーク茨城・共同代表の小川仙月さんのお話し。折しも、寿命を迎えた茨城県の東海第2原発の運転期間の20年延長が日本原子力発電によって申請されたことが報道されたばかり。小川さんは同原発の安全性の脆弱さはもちろん経済合理性においても何のメリットもないことをデータを基に解説。7割以上の県民が再稼働反対など、再稼働阻止の条件があるにもかかわらずそうならないのは、多くの人にとって原発問題の重要度が他の問題より低いこと、真に危険性を理解してもらうためには伝える側も伝える対象や伝え方に工夫がいることなどを指摘した。
 2日目は、阿見町予科練平和祈念館と、60年以上にわたって航空自衛隊百里基地への土地売却拒否運動を続ける基地反対同盟の拠点を見学し、その闘いに学んだ。     
(彩)
写真:交流会では岡ア宏美・新社会党委員長も講演した=11月25日、茨城県土浦市
改憲の行方と運動の課題を探る
 有事法制に反対するネットワーク東播磨が主催する「第14回平和と憲法を考えるつどい」が11月25日、加古川市の東播磨生活創造センター「かこむ」で開かれた。
 約40人が参加して、上脇博之さん(神戸学院大学法学部教授・憲法学)の講演に学んだ。演題は「憲法改正の行方と私たちの課題―安倍政権が目指している改憲内容とその危険性―」。
 そのなかで、特に独裁政治の危険性として訴えられたのが、自民党が改憲で加えようと目論む「緊緊急態条項」。内閣総理大臣が「緊急事態宣言」を発すると、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができることになる。法律がなくても、政令を制定することができ、その政令に法律と同一の効力を認める。このことによって「国の唯一の立法機関」が骨抜きになり、3権分立が崩されてくる、大変危険な手口を含んでいる。
 今後の取り組みとして、「安倍9条改憲NO!全国統一署名(3000万署名)」の取り組みが大切だと強調された。署名活動は「対話」ができるからいいとの提起に、会場からは「ビラをまいていると『北朝鮮が攻めてきたらどうする』と言われる。ワンフレーズでギャフンと反論できないか」(笑)との質問が出され、「『瀬戸際外交をやっているのだ』と反論しよう。そうすれば対話ができる。対話で『改憲反対派が多数』だという世論ができる」との回答があった。
 地道に訴え続けていくことが大切だと確認しあった集会になった。
(彰)
写真:「安倍9条改憲NO!全国統一署名(3000万署名)」運動の強化を訴えた上脇博之教授=11月26日、加古川市
 戦争をさせない1000人委員会ひょうごは11月18日、神戸市中央区のラッセホールで沖縄平和運動センター議長の山城博治さんを講師に迎え学習会を開いた。約80人が参加した。
 冒頭、主催者を代表して大野義政代表委員(自治労県本部委員長)が「総選挙は厳しい選挙結果となったが、憲法改悪をさせず、戦争を起こさせないためにも地域からねばり強く運動を進めていこう」とあいさつ。
 つづいて、山城さんは、自身が152日間もの不当な勾留を受けた現状などから権力の不当性を指摘しつつ、辺野古では警察や海上保安庁の凄まじい弾圧、暴力の中でも市民が新基地建設阻止の取り組みを続けていると沖縄のたたかいを報告した。
山城さんは、「沖縄の民意を一顧だにせず72年前のことを詫びない国に対してひるむことなく、“しなやかに”、“したかかに”闘う。裁かれるのは私たちではなく国だ」と訴え、「沖縄は、米軍基地で食べているわけではない。有事の島、基地の島・沖縄ではなく、平和交流の要・沖縄を全国の仲間とともにつくり上げていく」と沖縄からの決意を述べた。  学習会終了後、参加者たちはJR元町駅前に移動。山城さんとともに街頭宣伝行動を行い、沖縄連帯を力強く呼びかけた。
(哲)
写真:「裁かれるべきは民意に背きつづける国だ」と訴えた山城博治・沖縄平和運動センター議長=11月18日、神戸市中央区
インフォメーション
憲法を生かす会・ひょうごネット
     「9条改憲NO!木曜行動」
  • 12月21日(木)17時〜18時
  • JR元町駅・東口南側
新社会党兵庫県本部2018年新春の集い
  • 2018年1月20日(土)18時30分
  • 兵庫県民会館パルテホール
  • 参加費 3,000円