「新社会兵庫」 2017年11月14日号
兵庫9区 きくち憲之さん奮闘及ばず
 安倍政権が、森友・加計学園疑惑隠しのため、北朝鮮問題を持ち出し「国難突破解散」などという、ナチスばりのとんでもない表現で衆院を解散、総選挙にうってでた第48回衆議院選挙は10月22日に投開票が行われ、自公の与党で再び3分の2議席以上を確保した。改憲を是とする希望の党、日本維新の会を加えると国会では8割の改憲勢力ができる結果に終わった。こうしたなか、新社会党、共産党、社民党、緑の党の4党の推薦を受け、連帯兵庫みなせん、市民連合あかしなどの市民団体の応援も得て、「市民と野党の統一候補」として兵庫9区でたたかったきくち憲之候補は、懸命の奮闘も及ばず、自民党の牙城を揺るがすことはできなかった。
 きくち憲之候補は2万2497票の得票(得票率12・82%)で3位に終わった。投票率は49・17%。
 10月22日夜、選挙結果が明らかになり、きくち憲之候補は、台風21号の暴風雨の中を選挙事務所に集まったスタッフらを前にあいさつ。「4党の推薦をはじめ、立憲民主党の立場からも応援もいただき、また、新社会党の全国からの励ましや支援も得てたたかえたことに改めてお礼を申し上げたい」と感謝の言葉から切り出し、「9条改憲を許さないと、安倍政治との対決を訴えたが、有権者に十分に届けることができなかった。力不足をお詫びしたい」と述べた。
 告示6日前に希望の党が第2次公認候補を発表、当初想定していた「自民対野党統一候補」の一騎打ちの構図は崩れたが、きくち憲之候補は、選挙の最大の争点は「『安倍9条改憲』を許すのか、否かだ。希望の党では自民に対決しえず、改憲の補完勢力となるだけ。本当の対決軸は、『自民・希望対市民と野党統一候補のきくち』だ」と強調しながら選挙戦をたたかってきた。無名の無所属候補というハンディを負いながらの出発であったが、共産党などの支援も得て、選挙戦での市民の反応は、日に日に手ごたえを強く感じられるほどに良くなっていた。
 きくち候補は、「この選挙で野党統一候補としてたたかえたことを土台に、今後もひきつづき安倍改憲を許さない運動をみんなと共に担っていきたい」と、「安倍9条改憲」阻止への決意も表明してあいさつを締めた。
  きくち憲之選対も「今回、選挙結果に結びつけることはできなったが、兵庫では衆院選ではじめて野党統一候補を実現できた意義は大きく、『安倍9条改憲』阻止、安倍政権打倒に向け、今後、それぞれが力を強めるとともに、市民と野党の共同、野党共闘をいっそう強めていくことが重要だ。それで展望は開ける」とのコメントを発表した。
 今回の総選挙では連帯兵庫みなせんなどの市民の活動もあり、兵庫県内12の小選挙区のうち、9区のほか、3区、6区、7区、8区で立憲野党の共同候補ができ、それぞれの選挙区で、選挙結果は及ばなかったものの、党派を超えて、市民も加わった選挙活動が繰り広げられたことが特徴的だ。
写真:(上)きくち憲之さんの第一声でも4野党と市民団体の代表が集まって市民と野党の共闘を強調した=10月10日、明石駅前(下) 右上から時計回りに)雨の中のサンデー行動=10月15日、雨の中での訴え=10月15日、250人が集まった個人演説会=10月18日、最終日も雨の中のラストサタデー総行動=10月21日、
 新社会党中央総支部とあわはら富夫後援会が共催する恒例の「平和in秋まつり」が10月1日、神戸市中央区の葺合文化センターで開かれ、会場が一杯になる約200人が参加した。
 今年で第16回となるまつりでは、脱原発を主張するDVD「未来への決断」を上映。福島原発事故で被害を受けた被災者の叫びと原発を日本に導入したアメリカの意図、さらに原爆と原発は表裏一体であることをわかりやすく解説する内容で、最後には自然エネルギーの潜在力と政策転換が必要であることが強調されていた。1時間近くの上映時間も、見る者には短く感じられた。
 その後、主催者としてあわはら富夫があいさつしたのち、新社会党が支持した、神戸市長選予定候補の松田たかひこさんもあいさつを行い、市長選への決意を述べた。
 懇談の時間を挟んだのちは音楽を楽しんだ。フォーコーナーズとはるまきちまきの2つのグループが演奏。お互いのコラボがあり、わずか1時間前に出会ったグループ同士がまるで会話を楽しむようにコラボする姿に音楽家への羨ましさも。
 まつりの最後は、2つのグループの演奏で「戦争を知らない子どもたち」をみんなで歌って終了した。
(粟原)
写真:フォーコーナーズとはるまきちまきの2つのグループがコラボしてまつりを盛り上げた=10月1日、葺合文化センター
 憲法を生かす北区の会は、昨年行った神戸空襲の写真展に引き続き、今年は沖縄戦をテーマにした写真展を9月23日〜26日の4日間、憲法カフェでお世話になっている「拠り所いっぷく」を展示会場に行った。 普段はデイサービスのお年寄りや子どもたちが過ごしている部屋に、写真を貼ったダンパネを5枚ほど吊り下げて展示場にした。外の通路にはテーブルと椅子を置き、200円のコーヒーとお菓子を用意して、自由に座ってしゃべってもらえるようにした。 事前に近辺の住宅に1千枚のビラを各戸配布し、ポスターも貼って呼びかけをした。結果、4日間で延べ115人の来場者があった。近所の顔見知りの人同士が椅子に座って世間話を始め、通りがかり人が何事かと写真を覗いていき、中には自分の戦争体験をしゃべっていく人もいて、昨年の区民センターとはまた違った良さがあった。 終了後の幹事会では、過去の写真ばかりでなく、現在の沖縄や原発事故被災地などの写真はどうか、区民センターは4月に予定が決まってしまうのでそれに間に合うようにテーマを決める方がよいなど、次回の展示会に向けての意見が出され、今後も続けていくことを確認した。
(渡辺)
写真:じっと見入る人も=9月23日、神戸市北区
「辺野古新基地建設を止めるため」
 40を超える団体でつくるネットワーク「市民デモHYOGO」が毎月取り組む「19日行動」の一環として、沖縄在住の芥川賞作家、目取真俊さんの講演会とデモが10月14日、神戸市内で行われ、約100人が参加した。
 目取真さんは小説家として活躍するほか、「辺野古ぶるー」の一員として日々カヌーに乗って辺野古新基地建設抗議の海上行動に参加している。その体験を踏まえて「辺野古新基地建設を止めるため」と題した講演では、まず現在の新基地建設の進捗状況を説明。その中で、「4月から始まった護岸工事は、難しい工事だと言われながら着実に進んでいる。コンクリートや砂利が沈められ、着実に珊瑚礁などが破壊されている」と報告。また、ゲート前の座り込みも人数が激減し、一時期の勢いは落ちているとしながら、「名護市に埋め立て承認の権限があり、工事機材を搬出予定の辺野古港の埋め立てはストップしたまま」とし、来年の名護市長選の重要性を訴えた。
 さらに、「護岸工事が終わり、本格的に埋め立てが始まると、工事は一気に進み、手のつけようがなくなる。この数年が勝負だ」と訴えた。そして、カヌーでの抗議や座り込みなどで少しでも工事を送らせることが当面の課題だとして、「沖縄の問題は、自分自身が当事者だという気持ちで辺野古に来て欲しい」と訴えた。
 終了後は三宮駅周辺でデモ行進を行いながら市民へのアピールを行った。
(中村)
写真:講演会後、参加者は三宮センター街などをデモ行進して市民にアピール=10月14日
支えた新聞記者のお話も
 灘区・東灘区平和マップを歩く会が主催する「空襲被害者ドキュメンタリー上映会が10月15日、灘区の原田の森ギャラリーで開かれた。上映された「きずあと101歳 戦争と平和のレクイエム」は、名古屋空襲で左目を失い、昨年101歳で亡くなった杉山千佐子さんの戦後を記録じた東海テレビ制作のドキュメンタリー映画でギャラクシー賞奨励賞を受賞している。
 戦後、杉山さんは勤めていた大学も辞め、職を転々とし50歳で大学の寮母になる。56歳の時、軍人・軍属には年金などの補償があるのに空襲で被害にあった民間人には何の救済もないことはおかしいと、たった一人で「全国戦災障害者連絡会」を立ち上げた。そして昨年101歳で亡くなるまでの45年間、国による救済を求め続けたが、その願いは叶わなかった。
 映画のカメラは、杉山さんのさまざまな表情や思いをありのまま克明にとらえていたが、特に亡くなる3か月前の「空襲被害シンポジウム」でうつろな感じで歌を歌う杉山さんの様子には強く心を揺さぶられた。
 上映後、杉山さんを40年間支えて来た元中日新聞記者岩崎建弥さんのお話を聞いた。岩崎さんは杉山さんはうなぎが大好きだった」「結婚を約束した人がいたが軍医として召集され戦死した」など、近くから見てきた杉山さんの横顔を紹介された。そして最後に、「杉山さんは一生をかけて、戦後72年間、国が国民に対して、また戦争に対して、どういう姿勢を貫いてきたのかを明らかにしたのだと思う」と述べた。
 私たちは杉山さんの一生をかけた問いかけに応えなくてはいけないと感じた。一人でも多くの人に見てもらいたい映画だ。
(築山)
写真:取材で支え続けた元中日新聞記者の岩崎建弥さん
コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク第29回全国交流集会
 コミュニティ・ユニオン全国ネットワークの第29回全国交流集会が10月7日〜8日、福岡市都久志会館他で開かれた。集会テーマは「バリカタ絆!諦めんたい!」。全国から431人が参加し、2日間の討論と交流を深めた。兵庫からは41人が参加した。
 1日目の全体集会では地元の歓迎あいさつや来賓あいさつに続き、全国ネットワークの総会議事が進められた。その後、1本の特別報告と4本の特別闘争報告があった。
 「混迷する今、確かな一歩で未来を拓く」というテーマでパネルディスカッションが行われ、コーディネーターに勝山吉章福岡大学教授、パネリストとして安元隆治弁護士、全国ネット顧問の中野麻美弁護士、全国ネットの岡本哲文事務局長がそれぞれの視点で考えや取り組みを報告し、意見交換を行った。安倍政権が進める「働き方改革」は「働かせ方改革」であり、「労働力の買い叩き」をより進め、「格差と長時間労働が拡大する」と指摘した。また、改憲論議についても「労働者は時間を作り、考えの違う人とも論議していくこと」「人権を地道に積み上げた社会でないと平和は来ない」などの運動の課題も示された。
 最後に「憲法・平和主義と民主主義を守る闘い・労働法制改悪に反対する闘いを、全力をあげて取り組もう」との特別決議と集会宣言を採択し集会を終えた。
 懇親会では地元、福岡の有志によるミニ劇が披露され、楽しい交流となった。
 2日目は課題別に11の分科会に分かれ学習・討論を深めた。閉会集会で来年の開催地を岩手県盛岡市と決め、2日間の日程を終了した。
(石上)
「バリカタ絆!諦めんたい!」をテーマに2日間にわたって交流と討論を深めた=10月7日、福岡市
 ひょうご社会主義ゼミナール(同実行委員会主催)はこの間、世界の社会運動、労働運動にも視野を広げながら日本の運動の前進に役立てていこうと、欧米左翼や韓国の運動などに学ぶ企画を行ってきたが、今年は南米ウルグアイの中道左派連合「拡大戦線」の運動について10月29日、朝日新聞の萩一晶記者を講師に招いて学んだ。
 ウルグアイと言えば、昨年来日し、日本でも「世界で一番貧しい(?)大統領」として話題になったホセ・ムヒカ前大統領が有名だ。そのムヒカ氏の出身母体である「拡大戦線」が2005年、新自由主義に抗し、ウルグアイで初めての中道左派政権を打ち立てた(第1次バスケス政権発足)。
 講師の萩さんは1996年から99年の4年間、ラテンアメリカ特派員(サンパウロ支局長)として南米の取材を重ねてきた記者。ムヒカ前大統領への単独インタビューも行い、昨年末、「ホセ・ムヒカ 日本人に伝えたい 本当のメッセージ」という書(朝日新書)も出版している。
ゼミナールでは、都市ゲリラから運動を出発させたムヒカ氏がなぜ大統領への道を歩めた のかという経緯やウルグアイの社会的・政治的意識状況などにふれながら、長年の闘争(刑務所生活を含め)の中で培ったムヒカ氏の哲学ともいえる運動上の豊富な実践的教訓が紹介された。とくに統一戦線をめぐっては、まさにいま、日本の活動家が学ぶべき示唆に富んだ内容だった。
写真:萩一昌朝日新聞記者が講演=10月29日、あすてっぷKOBE
 憲法を生かす会・垂水は今年で6回目となるフィールドワークを9月30日〜10月1日に行い、若狭湾を巡った。
 1日目は小浜市の明通寺に中島哲演さんを訪ねた。「原発銀座」と呼ばれるほど原発が林立する中で、小浜には1基もつくらせなかった市民のねばり強い闘いの経過や、今年9月、小泉純一郎講演会に1千人も集めることができた原動力は何だったかなど、示唆に富んだお話を聞いた。明通寺は見事なお寺で、広くて古い境内や国宝の仏像なども見せてもらった。
 2日目は舞鶴引揚記念館を見学。舞鶴には自衛隊の駐屯基地があり、鉄条網が張り巡らされた広い敷地はいやでも沖縄を思い起こさせるもので、その果てに記念館がある。あまり大きくはないが、酷寒の地へ送られた人々の苦労と生還できた喜び、帰りを待ち続けた「岸壁の母」の嘆きなどが詳しく展示され、見学者も多かった。
 そのあと京丹後市経ヶ岬の米軍Xバンドレーダー基地に行き、「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」の永井友昭事務局長に現地を案内してもらった。古くから地元の信仰の対象となっている「穴文殊」という海食洞の上に米軍基地と自衛隊基地が拡張され、静かな風情はすっかり失われてしまっている。基地がつくられてしまうと当初の確認や約束は次々と反故にされ、事故・事件も数多く起こっているが、その都度、要請や陳情、抗議活動を続けて京丹後にしかない回答も引き出すことができている。闘うとはあきらめないことだ、という「芯」を性根に据えた永井さんの気負わない姿勢に学ぶことができた。
(門永三)
写真:小浜市の明通寺を訪ね中島哲演さんのお話を聞いた=9月30日、福井県小浜市
 第21回働く女性の交流集会が10月28日、神戸市内で開かれた。参加者は自治労臨職評や社保労連、各地域ユニオンなどから約60人。
 どこでも非正規労働者が増やされていること、正規も含め職場が働きにくくなっていることがよくわかる報告が続いた。
 同時に、そんな中でもあきらめないで職場を変えていこうとする取り組みの報告に、「やっぱり声をあげることは無駄じゃない」と元気づけられた。
 講演は、ブラック企業問題などに精力的に取組んでいる佐々木亮弁護士による「『働き方改革』で何が変わるのか?」。安倍政権が「働き方改革」を打ち出したのは、アベノミクスの支障になっているのは、低賃金、長時間労働、労働力不足だという現状認識からだと指摘。「過労死するような長時間労働を変える、『非正規』という言葉をなくす」とうたっているが、実際には財界の要望で、さらなる規制緩和、残業代を支払わない「高度プロフェッショナル制度」や「裁量労働制の適用拡大」が法案化され、しかも一括上程されるという危険な動きが画策されている。
これに対し、私たちは労働の現場から、長時間労働、正規・非正規の格差、いじめ・嫌がらせの問題等を正面から取り上げ、労働者の意識や文化も変えていく「改革」に声をあげていこう、と提案された。
(小城))
写真:自治労臨職評や社保労連、各地域ユニオンなどから60人が参加した=10月28日、神戸市
医療や介護の切り捨てを許さない
 「安心と笑顔の社会保障ネットワーク」結成から1年、第2回総会・講演会が10月22日、台風21号が近づく最中の神戸市内で開催された。
 選挙戦を戦い終えたばかりの菊地憲之代表の主催者あいさつに続き、第1部は「STOP!医療や介護の切り捨て みんなで怒ろう 声をあげよう」とのテーマで、日本の医療の現状を憂い、幅広く執筆や講演活動を行なっている外科医師の本田宏さんの講演が行われた。制度崩壊が進んでいる医療・介護分野の課題を歴史的・社会的視点で捉えた話に参加者はうなずきながら聞き入った。
 「自力で生活できない人を政府が助ける責任はない」と考える日本人が約38%にものぼる、という話が印象に残った。そこまで日本人の心が荒んできていることを憂える。 その後、ヘルパーやケアマネージャー、家族介護者の切実な話に続き、第2部総会では、小林るみ子事務局長から、介護保険改悪をめぐる神戸市や明石市への申し入れ、街頭・駅頭行動、20回を超える出前講座など、この1年間の活動報告と、当面は介護問題を主として取り組むとする活動方針などの提案が行われた。
 沈黙や無関心であってはいけないことを改めて考えさせられた総会・講演会だった。
(小林)
写真:外科医師の本田宏さんが制度崩壊が進んでいる医療・介護の問題を講演=10月22日、神戸市勤労会館
インフォメーション
戦争をさせない1000人委員会ひょうご・学習会
  • 11月18日(土)12時30分受付、13時開会
  • 兵庫県教育会館(ラッセホール)地階 リリー
  • 講師:山城博治さん(沖縄平和運動センター議長)「辺野古新基地建設阻止の取り組みから 安倍政権と対峙して(仮題)」
  • 学習会終了後、JR元町東口で街頭宣伝行動
平和憲法を守る11.24兵庫県集会
  • 11月24日(金)18時30分〜20時
  • 神戸市勤労会館308号
  • 講演「憲法情勢と私たちの課題(仮題)」講師:石川康宏さん(神戸女学院大学文学部教授)
  • 参加費 500円 
  • 主催:平和憲法を守る兵庫県連絡会