「新社会兵庫」 2017年7月25日号
誰のための「働き方改革」か
 安倍政権が打ち出した「働き方改革」の具体策を盛り込んだ「労働基準法改正案」なる労働法制改悪の関連一括法案が秋の臨時国会の大きな焦点のひとつになろうとしている。安倍政権の「働き方改革」のどんな内容が立法化されようとしているのかをきちんと理解し、反対運動を強めようと、「労働法制の改革に反対する弁護士有志の会」(丹治初彦、羽柴修、上原康夫3弁護士)が呼びかけた連続学習会が7月14日、神戸市で始まった。
 第1回学習会は上原弁護士が司会を務め、丹治弁護士による主催者あいさつから始まった。
 テーマは「安倍政権の『働き方改革』の全体像〜何が立法化されようとしているのか〜」で、日本労働弁護団常任幹事の佐々木亮弁護士が講演した。
 佐々木弁護士は、安倍政権が昨年6月に閣議決定した「ニッポン1億総活躍プラン」で、「最大のチャレンジは『働き方改革』だ」と鳴り物入りでぶち上げた安倍政権の「働き方改革」の議論の最初からの経緯から説き起こし、その背景として、アベノミクスの破綻や労働力率の問題があることを指摘した。深刻な少子化の進行に対して、低賃金、雇用の不安定さ、長時間労働などの弊害に向き合わざるをえないのだ。
 そして、法案化に向けて検討されてきた長時間労働に対する上限規制やインターバル規制などの「対策」、「同一労働同一賃金」をめぐって示されたガイドライン案の問題点、さらに解雇の金銭解決制度の問題点などが詳細に検討、解説された。
 そして最後に、安倍政権が描く「働き方改革」の正体は何なのかについて総括的に指摘し、それはあくまでも企業が動きやすい社会をつくるためであり、頻繁に出てくる言葉が「生産性の向上」であって、これこそがまさに「働き方改革」の目的だと強く批判した。
 だが、これまで、専門職で年収の高い人を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度」は「残業代ゼロ法案」だと強く批判し反対してきた連合が、ここにきて条件付きでこの制度の導入の容認に転じたことが12日に報道され、大きな波紋を組織の内外に起こしている事態をも受け止め、最後に、羽柴弁護士が「反対闘争をしっかりと広げていこう」とまとめ、学習会は閉会した。
 連続学習会は、8月10日と9月2日にあと2回行われる。
写真:日本労働弁護団の佐々木亮弁護士が「働き方改革」の全体像について講演した=7月14日、神戸市勤労会館
「安心と笑顔の社会保障ネットワーク」(略称・安心ネット、菊地憲之代表)は7月8日、介護保険制度の問題について明石駅南広場で街頭宣伝行動を行い、改悪が続く介護保険制度の問題点を市民に訴えるとともに改善に向けて共に声を上げていこうと呼びかけた。老親介護の問題についての関心が高いのか、チラシの受け取りが良く、予定していたチラシ配布は短時間で終わった。
 また、12日には明石市の総合事業の取り組みについて介護支援担当者による出前講座を持った。
 明石市でも今年4月から要支援1、2の訪問介護と通所介護のサービスが介護保険から外され自治体が運営する総合事業に移行した。訪問介護については介護職員の配置基準が緩和され、介護資格がなくても一定の研修を受ければサービスに従事できることになり、従来の介護報酬単価が2割カットされるなど、介護職員の処遇悪化、介護サービスの質の低下、事業所の経営難などが懸念される事態にある。
 生活ネットとして、今後は介護事業所へのアンケート活動から総合事業などの問題点を明らかにし、自治体に対して改善に向けた要請行動などに取り組む予定だ。
(憲)
写真:菊地憲之代表らがマイクリレーで介護保険制度の問題点を訴えた=7月8日、明石市
 兵庫県青年女性平和友好祭実行委員会が毎年、夏に取り組む兵庫県「反核平和の火リレー」は今年で第33回を数えるが、その出発式が7月10日、県庁1号館前で行われた。
 出発式では、北村望実行委員長が「リレー運動の意義は、リレーを通じて核兵器廃絶と世界平和を訴えることに尽きる。7月7日、国連本部で核兵器禁止条約が採択されたが、被爆国日本や核保有国は参加していない。少しでもこのリレー活動が核兵器廃絶への力になれるようにしたい」とあいさつ。
 その後、来賓として、自治労県本部、兵庫県職労、社民党県連、新社会党県本部、部落解放同盟県連、兵庫県の6者がつぎつぎとあいさつし、リレーを激励した。
 このうち、新社会党兵庫県本部を代表してあいさつした菊地憲之書記長は、「かつて、このリレーの事務局を3年間担当したことがあり、自分にとってはこのリレーは活動の原点のようなもの。戦争する国づくりへ暴走する安倍政権の改憲戦略を許さず、平和を守るために力を合わせて闘っていきたい」と述べた。
 その後、ランナーたちの自己紹介があり、第1ランナーのトーチに広島平和公園の「平和の火」から採火してきた火が点火され、リレーは出発。
 以降、時計回りで県内を走り継ぎ、8月1日に神戸市役所前に到着する予定だ。
写真:広島平和公園の「平和の火」から採火した火が第一走者のトーチに移された=7月10日、県庁前
 憲法を生かす会・垂水は7月2日、喫茶「カフェドリーム」で憲法カフェを開催した。
 今回のテーマは「介護保険の改悪」で、講師は小林るみ子神戸市議。地域の住民ら14人が参加した。
 ふだんから付き合いがあり顔見知りのメンバーばかりのため和気あいあいとおしゃべりに花が咲くといった感じで会は進行。制度の改悪でますます利用しにくくなった介護保険制度について、小林市議から詳しく説明を受けた。介護認定が厳しくなり、保険料が引き上げられたうえ、認定されてサービスを利用しようにも、最高3割もの利用料が払えなくなるなど、介護保険制度当初のうたい文句であった“社会的介護”から再び“個人介護”“家族介護”に戻されようとしていることなどが明らかになると、ため息と質問が次々と出された。
「年金が3回も減って7万円だったのが今、5万円。介護保険料は高すぎる」「介護認定の基準があいまいでよくわからない。家族がうまいこと言って認定されている人がいるみたい」「そんな掛け捨てみたいな、使えない介護保険なら保険料を返してほしい。その分貯金しておいて必要になった時、自分で使いたい」
 もっともな意見ばかりで、年金の少なさや福祉の不十分さが生活保護への風当たりの話にも及んでいったが、弱いもの同士の対立は為政者の思うつぼであると講師がまとめた。「安心と笑顔の社会保障ネットワーク」への参加も呼びかけ、カフェはあっという間に楽しく終った。
(門)
写真:小林るみ子神戸市議の説明を聞き、活発な質問や意見が飛び交ったカフェ=7月2日、神戸市垂水区
 三上智恵監督の最新作「標的の島 風(かじ)かたか」の上映会が7月5日、6日の2日間、篠山市民センターと三田市まちづくり協働センターで開かれた。この上映会は、9月5日に丹波の森公苑ホールで開催される「憲法という希望〜木村草太さん講演会」のプレイベントとして行われたもので、2日間3回上映に185人の市民が参加した。
「標的の島 風かたか」は、「標的の村」、「戦場ぬ止み」に続く三上監督のドキュメンタリー映画の第3弾で、これから県下各地で上映運動が展開される予定だが、いち早く行われた今回の上映会には県下各地のみならず、京丹後市や福知山市、能勢町など県外からも参加があった。
 参加者からは、「宮古島に旅行した時、ガイドさんが自衛隊配備の心配があると言われていたが、現実に進んでいることに心が痛む」「沖縄の人々の生の叫びを感じた」「日本は沖縄を捨て石にしている」「沖縄の人々だけの問題ではなくみんなで考えたい」「ただただ涙です。止まりません。情けない国です」「沖縄がまた標的にされることをもっと広めたい」「沖縄のことが全くわかっていなかった」「あっという間の2時間。沖縄の人たちの強い意志を再確認した」などの感想が寄せられた。
(川崎)
写真:「木村草太さん講演会」のプレイベントとして開かれた上映会には2日間3回上映で185人が参加した=7月5日、篠山市
インフォメーション
第4回憲法講演会 松元ヒロひとりライブ
  • 7月30日(日)13時30分(14時開演)
  • 西宮・夙川公民館ホール(阪急夙川駅南)
  • 参加費1000円(前売り800円)学生無料
  • 連絡先:090・4560・5020(奥山)
労働法制改悪反対連続学習会
  • 第2回 8月10日(木)18時30分〜/「過労死遺族は訴える」西垣迪世氏(兵庫労災を考える家族会代表)
  • 第3回 9月2日(土)14時00分〜/「私たちの求める『働き方改革』」西谷敏氏(大阪市立大学名誉教授)

     ※会場はいずれも神戸市勤労会館 各会資料代 500円
8.15平和のための市民の集い- 山城博治さん来神
  • 8月15日(火)13時15分
  • あすてっぷKOBE(湊川神社西)
  • 山城博治さん、知花昌一さんのお話
  • 協力費1000円
  • 主催:戦争を起こさせない市民の会