- 誰のための「働き方改革」か
安倍政権が打ち出した「働き方改革」の具体策を盛り込んだ「労働基準法改正案」なる労働法制改悪の関連一括法案が秋の臨時国会の大きな焦点のひとつになろうとしている。安倍政権の「働き方改革」のどんな内容が立法化されようとしているのかをきちんと理解し、反対運動を強めようと、「労働法制の改革に反対する弁護士有志の会」(丹治初彦、羽柴修、上原康夫3弁護士)が呼びかけた連続学習会が7月14日、神戸市で始まった。
第1回学習会は上原弁護士が司会を務め、丹治弁護士による主催者あいさつから始まった。
テーマは「安倍政権の『働き方改革』の全体像〜何が立法化されようとしているのか〜」で、日本労働弁護団常任幹事の佐々木亮弁護士が講演した。
佐々木弁護士は、安倍政権が昨年6月に閣議決定した「ニッポン1億総活躍プラン」で、「最大のチャレンジは『働き方改革』だ」と鳴り物入りでぶち上げた安倍政権の「働き方改革」の議論の最初からの経緯から説き起こし、その背景として、アベノミクスの破綻や労働力率の問題があることを指摘した。深刻な少子化の進行に対して、低賃金、雇用の不安定さ、長時間労働などの弊害に向き合わざるをえないのだ。
そして、法案化に向けて検討されてきた長時間労働に対する上限規制やインターバル規制などの「対策」、「同一労働同一賃金」をめぐって示されたガイドライン案の問題点、さらに解雇の金銭解決制度の問題点などが詳細に検討、解説された。
そして最後に、安倍政権が描く「働き方改革」の正体は何なのかについて総括的に指摘し、それはあくまでも企業が動きやすい社会をつくるためであり、頻繁に出てくる言葉が「生産性の向上」であって、これこそがまさに「働き方改革」の目的だと強く批判した。
だが、これまで、専門職で年収の高い人を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度」は「残業代ゼロ法案」だと強く批判し反対してきた連合が、ここにきて条件付きでこの制度の導入の容認に転じたことが12日に報道され、大きな波紋を組織の内外に起こしている事態をも受け止め、最後に、羽柴弁護士が「反対闘争をしっかりと広げていこう」とまとめ、学習会は閉会した。
連続学習会は、8月10日と9月2日にあと2回行われる。写真:日本労働弁護団の佐々木亮弁護士が「働き方改革」の全体像について講演した=7月14日、神戸市勤労会館