「新社会兵庫」 2017年7月11日号
 安倍首相の“改憲暴走”が止まらない。今年の憲法記念日に突如行った「2020年改憲」「9条に自衛隊明記」の発言以来、自民党はこの改憲スケジュールを実行しようと、党の憲法改正推進本部の体制を“安倍色”で強化し、9条改憲案をまとめようとするなか、安倍首相はさらに“改憲暴走”のアクセルを踏み込み、6月24日の神戸市での講演会では、今年の秋の臨時国会中に改憲案を両院の憲法審査会に提出するとまで明言した。その後の都議選での歴史的惨敗によって、この改憲スケジュールは大きな影響を受けるだろうが、いよいよ改憲国民投票を意識した改憲阻止の運動の構築が求められる情勢だとして、憲法運動にかかわる45団体でつくるネットワーク「こわすな憲法!いのちとくらし!市民デモHYOGO」は6月18日、「これからの憲法運動交流会」を神戸芸術センターで開いた。
 75人が集まった集会では「9条の心ネットワーク」の羽柴修弁護士が「憲法をめぐる情勢と国民投票を意識した取り組み」と題して講演。「安倍改憲」をめぐる情勢として、今後の改憲に向けた政治日程などを想定しながら、予想される“壊憲”の内容、さらには国民投票法についても改めてその内容と問題点を検討し、国民投票を意識した取り組みの強化について問題提起を行った。 予想される今後の政治日程の一つは、今年の臨時国会までに党内案をまとめ、11月頃までに公明党との与党協議で調整、来年の通常国会での予算成立後に発議に向けた国会論戦を行い、2020年までに改憲・施行を図ろうというもの。改憲案としては9条だけでなく、緊急事態条項や教育無償化などとセットで出されることが予想される。
 そして、国民投票を意識した取り組みとしては、①まず国会に発議をさせない運動として、安倍内閣打倒を掲げて解散・総選挙をたたかい、野党共闘で衆院の改憲勢力を3分の2割れに追い込むこと。②さらに国民投票で勝ち抜くためにしなければならないこととして、「憲法条文に自衛隊を明記することは戦争する国になる」ということを多数意見にすること、そのための学習と宣伝活動の強化、学習会のための人材養成。さらには国民投票を勝ち抜くための組織づくりを提起し、あらゆる行動主体の把握と連絡体制の確立・交流を強調した。
 そして、兵庫の運動として、この秋に予定している1万人の意見広告運動について提起し、人を核にした運動の大切さにも触れた。
 集会では、改憲国民投票に備えた草の根の憲法運動をいっそう強く意識しようと、各地の工夫をこらした先行的な取り組みの報告も行われ、5つの地域・団体からそれらの活動と教訓が紹介されたのち、5つの分散会で交流した。
写真:(上)羽柴修弁護士(=写真下)の講演に学ぶとともに各地の活動経験も交流し合った憲法運動交流会=6月18日、神戸市中央区(下)羽柴修弁護士
教労研と憲法を生かす会が集会共催
 森友学園問題の幕引きを許さず、真相究明をと、教育労働運動研究会と憲法を生かす会・ひょうごネットは6月25日、森友学園問題の疑惑が明るみに出るきっかけとなる暴露を行った、豊中市議の木村真さんを講師に招き、「森友学園問題を考える集い」を共催した。
 集いには約60人が参加して、木村さん自身の森友学園問題に対するこの間の取り組みについて具体的な報告を聴き、この事件から浮かび上がった問題を共に考えた。
 問題の発端は伊丹空港の離着陸騒音直下の土地の利用問題。住民が立ち退いたあとの国有地を公園にしようと、土地の半分を豊中市が14億円で国から買い取ったところ、残りの半分の土地に「教育勅語」を教材とするような愛国心教育、皇民化教育の理念を持つ学校法人が小学校を開設しようとしている事態が判明。木村さんは疑問を感じて情報公開請求などで調査を始めたところ、土地の価格は豊中市が買った10分の1だということなどがわかり、森友学園問題への取り組みが始まった。ポスティングなどの地域での宣伝行動、背任罪と公用文書棄損罪での刑事告発とマスコミへの発表、そして集会や街頭宣伝など、疑惑追及への取り組みを広げてきたことなどが木村さんから具体的に報告された。
 疑惑の焦点は、異常な安値で売却された国有地の売却をめぐる疑惑と、本来ならあり得ない、学校設立の認可をめぐる疑惑だ。安倍1強体制の下での政治の私物化が生んだものであり、加計学園問題が同時に発覚したのは偶然ではないことが指摘された。安倍昭恵夫人、国と大阪府の関与はもはや疑いのない事実。疑惑の幕引きは許されず、真相究明と責任追及は譲れないことだと集会では確認された。
 また、「森友的な教育」が広がってきている面についても問題視しなければならないと提起された。
写真:(上)政権による政治の私物化を糾弾した集い=6月25日、神戸市(下)木村真豊中市議
憲法ひょうご 第18回ピース・セミナー
 憲法ひょうごが主催する第18回ピース・セミナーが6月20日、神戸市勤労会館で開かれた。テーマは「日米安保と北東アジア情勢」。元衆議院議員の服部良一さんが講師を務めた。
 今年5月、海上自衛隊の護衛艦いずもが平時に米艦防護の任務に就くという戦争法発動の事態にまで至った日米安保の現況や共謀罪の強行成立を起点に、服部さんは、第2次安倍政権の発足から5年が経とうとするなかで、安倍政権が突っ走ってきた「戦争する国」づくりへの一連の足跡を振り返った。13年12月の国家安全保障会議(日本版NSC)の設置、秘密保護法の制定、14年4月の武器輸出3原則の廃止、集団的自衛権容認の閣議決定(7月)、日米新ガイドライン(15年4月)、戦争法制定(15年9月)、そして今回の共謀罪創設などを取り上げ、その総仕上げとして9条改憲があることを指摘した。
 この過程では日本の防衛予算は5兆円を超え、15年10月には防衛装備庁が発足(職員数約1800人)。いまや、戦車1台の製造に中小企業も含め1300の企業が、軍艦1隻の製造には2500の企業が参加するなど、アメリカと同様に、戦争に期待し軍事に頼る軍事産業化が進んでいることも明らかにされた。また、グアム、テニアンなどの海外の米軍基地建設にも日本が思いやり予算を出していることが指摘され、戦争マニュアルたる日米新ガイドラインを軸に、それに沿った日本の法整備が進められてきたと日米軍事同盟を批判した。
 厳しい北東アジア情勢をめぐっては、韓国の文政権の外交政策に期待しながらも、「核なきアジア」の構築こそアジアの平和実現への確かな道だと展望し、民間レベルの交流の大切さも強調した。
写真:日米軍事同盟の量的、質的強化によって日本がいっそう戦争国家に近づいていることが明白に=6月20日、神戸市勤労会館
 ひょうごユニオン(西山和宏委員長)は6月17日、神戸市勤労会館で第20回定期総会を開いた。
 来年3月28日で結成から満20年を迎えるひょうごユニオンのルーツは、1995年の阪神・淡路大震災にある。震災による大量解雇に対して、尼崎と神戸でホットラインを開設し、「被災労働者ユニオン」を結成して取り組んできた活動は、小さな組織ではあっても地域に大きな影響を与え、被災地の労働者の権利水準を支える役割を果たした。その活動を通じて、働く者が安心して相談できる拠り所として地域ユニオン運動を広げるとともに、労働運動のセンター的機能の再構築に取りかかる組織としてひょうごユニオンは誕生した。8つの地域ユニオンを擁し、ひょうご労働法律センターやひょうご労働安全衛生センター、ひょうご地域労働運動連絡会などの創設の中心を担うとともに、闘う仲間の集会など、兵庫における労働組合共闘の中心的な役割を果たしている。
 今年の総会では、各地域ユニオンから労働法制改悪反対や公契約条例制定の取り組みなど、労働組合共闘の成果や前進の報告がされるとともに、いま争議中の組合員らからは闘争報告や争議支援の要請が行われた。若い組合員からも発言がされるなど、新しい芽を感じることができた。
懸案の組織財政問題については、年内に方向性を出し、新しい形でひょうごユニオン運動を強化・発展させていくことを全体で確認して終了した。
(塚原)
写真:来年の3月で結成20周年を迎えるひょうごユニオンの総会=6月17日、神戸市
 神戸学生青年センター、兵庫社会労働運動センター、自立労連神戸支部の3者でつくる実行委員会主催の第38回アジア労働者交流集会in神戸が6月21日、神戸市勤労会館で開かれ、アメリカと韓国からの活動家のゲストの報告を聴いた。
 アメリカからのゲストは、9・11事件の直後の結成から活発に反戦運動を展開してきたANSWER連合のオルガナイザー、カレー・マロットさん。マロットさんは、トランプ大統領の登場は、「資本主義とその最近の危機の産物」だと規定し、“制約なき資本主義のプログラム”と定義ができるトランプの政策概要を批判。それがどんな悪影響を労働者に与えているのかについて、環境問題、労働組合破壊、住宅支援削減、移民問題、企業的教育改革などの面から報告した。
 韓国からは平等労働者会(今年3月に左派労働者会を改称)の代表を務めるホ・ヨングさんが、朴槿恵政権を退陣に追い込んだ「ろうそく革命」と呼ばれる韓国民衆の歴史的な大闘争の経過やその評価・限界などについて報告した。「ろうそく革命」には、最大時で230万人以上、合計20回余りにわたったろうそく集会・デモで歴代最大規模の延べ1600万人が参加した。
 ホ・ヨングさんはまた、韓米日軍事同盟とミサイル防衛(MD)の体系に位置づけられる星州へのサード(THHAD)配備に対する反対闘争についても報告した。
写真:アメリカと韓国からのゲストからそれぞれの国の激動する社会運動、社会情勢が報告された=6月21日、神戸市勤労会館
 戦争を体験した人々が少なくなり、当時の状況を語り伝えることが難しくなっている中で、戦争遺跡や被害のあった現地を訪ねることで、戦争の実態を少しでも知る糸口にしたい、そのための現地フィールドワークができる地図を、と作製が始まったのが「平和マップ」だ。
 2012年秋に兵庫区版(北部、南部のセット)が発行されたのを皮切りに以降、長田区版(北部、南部)、中央区版(北部、南部)、灘区版(北部、南部)、東灘区版(東部、西部)、須磨区版(東部、西部)、西区版(北部、南部)、北区版(東部、西部)と続いて発行されてきたが、残っていた垂水区版(東部、西部)もこのほど完成。これで神戸市9区すべての「平和マップ」ができあがった(いずれもA3判4つ折り)。
 全区のマップの取材・執筆をしたのは、教員時代に平和教育に積極的に取り組んできた、元小学校教員の小城智子さんで、マップを発行する「神戸平和マップの会」(共同代表=中田政子・神戸空襲を記録する会代表、飛田雄一・神戸学生青年センター館長)で事務局長を務める。
同会では、これまで各2000部を発行し、神戸市内の小、中、高校、特別支援学校に見本を送ってきたが、生徒たちに平和マップを使ってフィールドワークをしてもらえるよう、学校にマップを無料ように支援の協力を求めている。
 マップは1部250円(各区セットで500円)。
 連絡先は、神戸学生青年センター 電話078・851・2760
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安倍政権「働き方改革」で連続学習会

 労働法制の改悪に反対する弁護士有志の会(丹治初彦弁護士、羽柴修弁護士、上原康夫弁護士)が主催する「労働法制改悪反対連続学習会」が3回連続で開かれる。
  • 第1回 7月14日(金)18時30分~/「『働き方改革』の全体像~何が立法化されようとしているか」佐々木亮弁護士(日本労働弁護団常任幹事)
  • 第2回 8月10日(木)18時30分~/「過労死遺族は訴える」西垣迪世氏(兵庫労災を考える家族会代表)
  • 第3回 9月2日(土)14時00分~/「私たちの求める『働き方改革』」西谷敏氏(大阪市立大学名誉教授)

     ※会場はいずれも神戸市勤労会館 各会資料代 500円
貧困問題を考えるドキュメンタリー
映画「さとにきたらええやん」上映会
  • 7月19日(水)①10時30分②15時00分③18時30分/13時00分から講演
  • 神戸市勤労会館多目的ホール
  • 前売り券800円、当日券1000円(学生・避難者半額)
  • 主催:市民デモHYOGO
第4回憲法講演会 松元ヒロひとりライブ
  • 7月30日(日)13時30分(14時開演)
  • 西宮・夙川公民館ホール(阪急夙川駅南)
  • 参加費1000円(前売り800円)学生無料
  • 連絡先:090・4560・5020(奥山)