- 糸数慶子参議院議員が講演
憲法施行70年―。節目の憲法記念日は、現憲法にとって最大の危機の中で迎えた。安倍首相は5月3日、改憲派の集会に寄せたビデオメッセージで「東京五輪が開かれる2020年を新しい憲法が施行される年に」と訴え、「9条に自衛隊の明記を」と改憲項目にまで踏み込んだ発言で明文改憲への執念を露骨に示した。
こうしたなか、「戦争をする国」へと突き進む安倍政権と真っ正面から対決する行動や集会が全国各地で取り組まれた。兵庫でも県下の憲法改悪に反対するあらゆる労働組合や市民団体に呼びかけた「戦争させない、9条壊すな!5・3兵庫憲法集会―沖縄、平和、憲法 そして私たちの未来―」が5月3日、神戸市内で開かれ、1200人が参加した。昨年に引き続き、「戦争させない、9条壊すな!5.3総がかり行動兵庫県実行委員会」が主催した。
集会のオープニングは「ゆがふバンド」による沖縄の歌の演奏。司会の川元志穂弁護士の開会あいさつののち、主催者を代表して集会呼びかけ団体の一つ、9条の心ネットワークの羽柴修弁護士があいさつし、「安倍政権は北朝鮮ミサイル問題や日米合同軍事訓練で危機を煽っている。武力による威嚇を放棄するという憲法9条に違反するもので、こういう中でこそ9条を守っていかねばならない」と訴えた。
続いて、明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)兵庫支部のメンバーによる寸劇「え、共謀罪?悪いことしてへんかったら大丈夫…よね?」が披露され、共謀罪が制定された未来社会をリアルに演じ、個人情報まで明らかにされてしまう社会の怖さを伝えた。
記念講演は沖縄選出の糸数慶子・参議院議員が行った。読谷村で生まれた糸数さんは、バスガイドの仕事を通じて沖縄戦の悲劇を見つめ伝えてきたと述べ、沖縄が戦争の捨て石とされてきたことに触れて、「辺野古新基地建設反対運動の中での山城博治さんの逮捕・長期拘留は共謀罪法案を先取りしたもので、戦後、銃剣とブルドーザーで基地をつくった状況を彷彿させる」と安倍政権の強権的な姿勢を批判。平和憲法を無傷で次世代に渡すのが沖縄から選ばれた国会議員の役割だと述べた。また、自らの兄妹を沖縄戦で失った体験にも触れ、「戦争が始まってしまえばどうすることもできない。命を守るというのは平和だからこそできる」と締めくくった。
集会は最後に「沖縄を返せ」を全員で合唱し、共謀罪の成立阻止をも呼びかけた「5・3兵庫憲法アピール」を採択して幕を閉じた。(伸)写真:1200人が集まったひょうご憲法集会と糸数慶子さん=5月3日、神戸芸術センター









安倍政権が5月連休明けにも共謀罪法案の委員会強行採決を目論むという動きも伝わるなか、兵庫県弁護士会の主催による「いわゆる共謀罪法案に反対する街頭パレード」が4月29日、神戸市の三宮で行われた。

「沖縄、辺野古のいま、これから」と題して講演した安次富さんは、名護市民投票以来の辺野古の20年の闘いの経緯に触れながら、「沖縄は徹底的に非暴力で、勝つまで諦めない闘いに取り組んでいる。今週中に着工する予定だった工事が今もできていない。だが、沖縄だけでは勝てない。本土と一体になって闘うことで初めて勝利の展望が開ける。民主主義は与えられるものではなく、私たちが自ら勝ち取るものだ。共謀罪反対など平和や戦争反対を求める民意を、沖縄と連動して兵庫でもつくってもらいたい」と訴えた。
第40回あかし市民平和講座が4月19日、アスピア明石北館で開かれた。同講座はピースネット明石の活動の一環として毎年4回程度開催されているが、今回は「戦争法(安保法制)廃止・総がかり行動明石」との共催で取り組まれた。
4月下旬の休日から5月1日にかけて規模もさまざまに各地でメーデーが開催された。
参加者は朝10時にJR新長田駅前に集合し、周辺の商店街などをデモ行進して若松公園に再集結、ステージでの祭典が始まった。
基調提案に続き、3つの労働組合から報告が行われた。郵政産業労働者ユニオンからは労働者の権利より企業利益を優先する職場の問題の訴えと労働契約法20条裁判支援の呼びかけ。全港湾神戸支部山陽バス分会は、長時間労働など勤務条件の改善や賃上げを求めてまだ春闘の闘争中と報告。神戸ワーカーズユニオン恵泉寮分会からは、職員の人員不足や施設の老朽化による職場環境の悪化が続く中で、職員と利用者の安全を要求している取り組みや組合員の非常勤雇用を拒否している法人の姿勢を追及する報告が行われた。
107人の尊い命を奪い562人を負傷させたJR福知山線脱線事故の大惨事から12年、「ノーモア尼崎事故 生命と安全を守る集会」が4月22日、尼崎市内で開かれ、100人以上が参加した。
熟年者ユニオンは4月19日、第18回総会を神戸市勤労会館で開いた。