「新社会兵庫」 2017年5月23日号
糸数慶子参議院議員が講演
 憲法施行70年―。節目の憲法記念日は、現憲法にとって最大の危機の中で迎えた。安倍首相は5月3日、改憲派の集会に寄せたビデオメッセージで「東京五輪が開かれる2020年を新しい憲法が施行される年に」と訴え、「9条に自衛隊の明記を」と改憲項目にまで踏み込んだ発言で明文改憲への執念を露骨に示した。
 こうしたなか、「戦争をする国」へと突き進む安倍政権と真っ正面から対決する行動や集会が全国各地で取り組まれた。兵庫でも県下の憲法改悪に反対するあらゆる労働組合や市民団体に呼びかけた「戦争させない、9条壊すな!5・3兵庫憲法集会―沖縄、平和、憲法 そして私たちの未来―」が5月3日、神戸市内で開かれ、1200人が参加した。昨年に引き続き、「戦争させない、9条壊すな!5.3総がかり行動兵庫県実行委員会」が主催した。
 集会のオープニングは「ゆがふバンド」による沖縄の歌の演奏。司会の川元志穂弁護士の開会あいさつののち、主催者を代表して集会呼びかけ団体の一つ、9条の心ネットワークの羽柴修弁護士があいさつし、「安倍政権は北朝鮮ミサイル問題や日米合同軍事訓練で危機を煽っている。武力による威嚇を放棄するという憲法9条に違反するもので、こういう中でこそ9条を守っていかねばならない」と訴えた。
 続いて、明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)兵庫支部のメンバーによる寸劇「え、共謀罪?悪いことしてへんかったら大丈夫…よね?」が披露され、共謀罪が制定された未来社会をリアルに演じ、個人情報まで明らかにされてしまう社会の怖さを伝えた。
 記念講演は沖縄選出の糸数慶子・参議院議員が行った。読谷村で生まれた糸数さんは、バスガイドの仕事を通じて沖縄戦の悲劇を見つめ伝えてきたと述べ、沖縄が戦争の捨て石とされてきたことに触れて、「辺野古新基地建設反対運動の中での山城博治さんの逮捕・長期拘留は共謀罪法案を先取りしたもので、戦後、銃剣とブルドーザーで基地をつくった状況を彷彿させる」と安倍政権の強権的な姿勢を批判。平和憲法を無傷で次世代に渡すのが沖縄から選ばれた国会議員の役割だと述べた。また、自らの兄妹を沖縄戦で失った体験にも触れ、「戦争が始まってしまえばどうすることもできない。命を守るというのは平和だからこそできる」と締めくくった。
 集会は最後に「沖縄を返せ」を全員で合唱し、共謀罪の成立阻止をも呼びかけた「5・3兵庫憲法アピール」を採択して幕を閉じた。
(伸)
写真:1200人が集まったひょうご憲法集会と糸数慶子さん=5月3日、神戸芸術センター
 安倍首相が「2020年に新しい憲法を施行したい」と表明した翌日の5月4日、伊丹市のいたみホールで「憲法フェスタ」が開かれ(主催=5・4憲法集会実行委員会)、会場ほぼ一杯の1000人を超える人たちが参加した。
 高作正博さん(関西大学教授)の講演と松元ヒロさんの「一人芝居」をメインに、森友学園問題の特別報告、早苗ネネさんの歌、さらに市民アピールとして川元志穂弁護士(明日の自由を守る若手弁護士の会)と高木哲次さん(伊丹ワーカーズコープ)の訴えなど盛り沢山な内容で、爆笑も起こる楽しい集会となった。
 高作さんの講演では、安倍政権のもとで憲法秩序の破壊が軍事優先の論理のもとに進められてきたこと、米・トランプ政権の誕生で国際関係の不安定化が増す中、防衛費の大幅増加を米政権から迫られるだろうこと、さらに、「共謀罪」はテロから市民を守るためではなく、市民を監視し、自由な発言・行動を抑圧するためのものであることなどが指摘された。
「松元ヒロ一人芝居」では、その軽快なテンポ、切れ味鋭いおしゃべりに会場が笑いの渦に包まれた。アンコールの「憲法前文」のメロディーに載せた語りは圧巻だった。
(奥山)
写真:松元ヒロさんの一人芝居や高作正博さんの講演、早苗ネネさんの歌など盛り沢山な内容の集会となった=5月4日、伊丹市
こわすな憲法!いのちとくらし!市民デモHYOGO
「こわすな憲法!いのちとくらし!市民デモHYOGO」が呼びかける毎月「19日行動」の一環として、沖縄から安次富浩さん(ヘリ基地反対協・共同代表)を招き、「辺野古の新基地ゼッタイ止める!4・23兵庫県集会」が神戸市内で開かれ、約200人が参加した。
 安倍政権は昨年12月、沖縄の民意を押し切って高江のヘリパッド建設を強行。さらに今年1月からは辺野古の基地工事を再開し、国が現場海域で岩礁破砕の許可を得ず、許可の期限が切れる4月以降も工事を強行し、護岸工事に着手しようとしているが、翁長沖縄県知事は埋め立て承認を撤回する方針を明らかにし、徹底抗戦の構えを示している。
「沖縄、辺野古のいま、これから」と題して講演した安次富さんは、名護市民投票以来の辺野古の20年の闘いの経緯に触れながら、「沖縄は徹底的に非暴力で、勝つまで諦めない闘いに取り組んでいる。今週中に着工する予定だった工事が今もできていない。だが、沖縄だけでは勝てない。本土と一体になって闘うことで初めて勝利の展望が開ける。民主主義は与えられるものではなく、私たちが自ら勝ち取るものだ。共謀罪反対など平和や戦争反対を求める民意を、沖縄と連動して兵庫でもつくってもらいたい」と訴えた。
 その後、県内で沖縄に連帯する闘いに取り組んでいる「辺野古の海に基地をつくらせない神戸行動」「カヌーチーム辺野古ブルー」「沖縄現地派遣基金」など6つの団体からアピールが行われた。集会後、参加者は元町までデモを行った。
(伸)
写真:(上)200人が集まった集会で安次富浩さんは本土のたたかいの強化を訴えた=4月23日、神戸市(下)集会後は元町までをデモ行進、=4月23日、神戸市中央区
 第40回あかし市民平和講座が4月19日、アスピア明石北館で開かれた。同講座はピースネット明石の活動の一環として毎年4回程度開催されているが、今回は「戦争法(安保法制)廃止・総がかり行動明石」との共催で取り組まれた。
 当日は、毎月の「19日行動」に取り組んでいる「総がかり行動」が夕方5時から明石駅前で共謀罪反対の署名活動などの街頭宣伝行動に取り組んだ後、講座に参加した。 会場いっぱいの65人が参加した講座では、「憲法に緊急事態法は必要か」と題して永井幸寿弁護士(日弁連災害復興支援委員会・元委員長)から共謀罪のことも含めた講演を受けた。
 大規模災害を理由に「緊急事態条項」の創設が改憲項目として取り沙汰されているなか、永井弁護士は、緊急事態条項(国家緊急権)は、災害が発生したことを理由に、民主主義や基本的人権までをも大幅に制限し、すべての権力を総理大臣に集中させるという、まさに「独裁条項」となっていると説明。そして、災害時に対してはすでに多くの法律ができており、災害時に重要なことは、これらの法律・条令・通知などの適正な運用と、何よりも災害への事前準備であると強調した。
 大規模災害などの緊急事態と政府はいうが、自民党改憲草案では自然災害よりも前に「有事(戦争)」の文言が出ているとも指摘した。
 「テロ対策支援法」、「緊急事態法」などの言葉に惑わされず、しっかりと本質を見極めることが重要だと学んだ講座となった。
(明石・K)
写真:ピースネット明石と総がかり行動明石が共催した講座=4月19日、明石市
各地でメーデー
 4月下旬の休日から5月1日にかけて規模もさまざまに各地でメーデーが開催された。
 4月30日は、神戸地区労を中心とした実行委員会による「第2回はたらく仲間のメーデー」の第1部が長田区の若松公園で開かれた。阪神・淡路大震災で始まった被災地メーデーの後を受け、昨年から始まった「はたらく仲間のメーデー」の第2回目である。
 参加者は朝10時にJR新長田駅前に集合し、周辺の商店街などをデモ行進して若松公園に再集結、ステージでの祭典が始まった。
 ステージでは、神戸ワーカーズユニオン権田工業分会の闘いの小劇や歌などが披露された。
 参加した労働組合が出店した屋台の周辺では飲食しながらの交流の輪がいくつもできた。
(司)
 翌5月1日、第2部が神戸市勤労会館で開かれ、60人が参加した。
 基調提案に続き、3つの労働組合から報告が行われた。郵政産業労働者ユニオンからは労働者の権利より企業利益を優先する職場の問題の訴えと労働契約法20条裁判支援の呼びかけ。全港湾神戸支部山陽バス分会は、長時間労働など勤務条件の改善や賃上げを求めてまだ春闘の闘争中と報告。神戸ワーカーズユニオン恵泉寮分会からは、職員の人員不足や施設の老朽化による職場環境の悪化が続く中で、職員と利用者の安全を要求している取り組みや組合員の非常勤雇用を拒否している法人の姿勢を追及する報告が行われた。
 後半はグループに分かれて、若手が企画する労働法に関するクイズ大会があり、最後にメーデーアピールを採択して終了した。
(石)
写真:(上)連合系の神戸中央大会=4月29日、神戸市大倉山野球場(中)ステージの上では神戸ワーカーズユニオンの権田工業分会の闘いが劇で報告された=4月30日、神戸市長田区・若松公園(下)第2部は屋内で闘争交流=5月1日
 107人の尊い命を奪い562人を負傷させたJR福知山線脱線事故の大惨事から12年、「ノーモア尼崎事故 生命と安全を守る集会」が4月22日、尼崎市内で開かれ、100人以上が参加した。
 集会では遺族の藤崎光子さんが「JR西日本は交渉でもウソばかりで信用できない。日本の刑法は個人の責任しか裁かないが、企業の責任を社会的に問う『法人罰・組織罰』の実現をめざす運動を進める」と発言。
 記念講演は、「JR30年を検証する―国労安全キャラバンの取り組みから」と題して坂口智彦・国労中央執行委員長が行った。坂口さんは、国鉄の分割・民営化から30年が経過した今日、JR本州3社(西日本・東海・東日本)と3島会社(九州・四国・北海道)、貨物との会社間格差が拡大し構造矛盾があらわになっていることを指摘。地方路線は廃止され、都市圏の鉄道路線は新設されるという地域間格差が拡大し、民営化されたJRは利益優先で安全がないがしろにされて危険な状態であることも示した。そして、イギリス国鉄の民営化見直しの例を紹介しながら、日本でも鉄道のあるべき姿をもう一度考える時期だとし、再び事故を起こさないために、国労と利用者が連携してJR会社や国へ要求することが重要だと提起。鉄道労働者と利用者の生命を守る運動を強化する決意を述べた。
 その後、北海道から参加した地脇さん(安全問題研究会)によるJR北海道の経営破綻を招いた国鉄改革後の歴史の報告、JR西日本の労働者からは、利用者のホームからの転落事故が続発している実態や要員再配置を求めた運動の報告・決意表明とつづいた。
 集会後、参加者は、「JRは事故の責任を取れ!安全を守れ!」とシュプレヒコールを行いながら事故現場までアピールし、犠牲者に献花して行動を終えた。
(東)
写真:記念講演では坂口智彦・国労中央執行委員長が国労の安全への取り組みなどを報告した=4月22日、尼崎市
 熟年者ユニオンは4月19日、第18回総会を神戸市勤労会館で開いた。
 総会第T部には51人が参加。今回で退任する今村稔会長のあいさつのあと、明日を考える東播高齢者の会(横山良介さん・オブザーバー)、西はりま熟年者の会(尾上勝さん)、安心と笑顔の社会保障ネットワーク(菊地憲之さん)から来賓あいさつを受け、議案をめぐる質疑討論に入った。
 新会員からの発言や会員拡大の報告、また、「みんなが参加できる取り組みを」「参加者が増える学習会を」などの意見が相次ぎ、会員拡大や「年金学習会」「課題別学習会」の充実・発展などをめざす活動方針を確認した。
 今大会で、今村稔さんに代わって山崎貢(すすむ)さんが新会長に、横林賢二さんに代わって加納功さんが新事務局長に就任し、新しい体制で新年度の活動に臨むことになった。
 U部の懇親会には31人が参加して会員による三線の演奏を楽しんだり、アコーディオンの伴奏での“うたごえ”(「歌えば元気になれる〜懐かしの歌♪」)でみんなで元気いっぱい歌ったりして盛り上がったのち、最後に「闘いはここから、闘いはいまから♪」と「がんばろう」の歌で締めくくった。
(横林)
写真:第2部懇親会の最後は「がんばろう」の歌で締めくくり=4月19日、神戸市
インフォメーション
これからの憲法運動交流会
  • 6月18日(日)13時30分〜17時
  • 神戸芸術センター6階(新神戸駅前)
  • 講演「憲法をめぐる情勢と国民投票を意識した取り組み」羽柴修弁護士/報告と分散会
  • 参加費 500円
  • 主催:市民デモHYOGO
憲法ひょうご 第18回ピース・セミナー
  • 6月20日(火)19時〜
  • 神戸中市勤労会館
  • 「日米安保と北東アジア情勢」服部良一さん(元衆議院議員)
  • 参加費 500円