「新社会兵庫」 2016年12月13日号
永井幸寿弁護士が講演
 憲法を生かす会・明石は11月25日、「憲法を生かし、憲法に学ぶ講演会」を明石市内で開き、明文改憲の焦点とされるであろう緊急事態条項の問題を学ぼうと、『憲法に緊急事態条項は必要か』(岩波ブックレット)の著者、永井幸寿弁護士を講師に招いた。永井弁護士はいち早く緊急事態条項(国家緊急権)の危険性について警鐘を鳴らしてきた方で、たいへんわかりやすい解説に、参加者は改めて緊急事態条項は憲法には不要であること、災害対策を改憲のための“ダシ”に使ってはならないことを確認した。
 永井俊作明石市議の主催者あいさつで始まった講演会では、講師の永井弁護士はまず国家緊急権の定義から始め、近代憲法における基本的人権の保障の意義を強調。人権保障と権力分立を一時的に停止する国家緊急権と立憲主義とはまったく逆の関係であることを解説、ナチス・ドイツの歴史や大日本帝国憲法も振り返りながら国家緊急権の濫用の危険性を指摘した。そして日本国憲法では濫用の危険性から国家緊急権は憲法には規定せず、非常事態への対処の必要性からは平常時から厳重な要件で法律を整備するという考え方を解説し、関係する現行法の諸制度も紹介した。また、国家緊急権は戦争遂行と一体であり、9条を持つ日本国憲法に国家緊急権がないのは当然だとも強調した。さらに、災害対策の原則は、「準備していないことはできない」ことであり、準備していない事態に対してはいかなる強力な権力でも対処しえないことを力説した。
 講演会では連携・共闘団体からのあいさつが3者から行われ、新社会党兵庫県本部からは菊地憲之書記長が “安倍壊憲政治”を許さない運動の強化を、などと訴えた。
写真:(上)自民党改憲草案にある緊急事態条項の問題点が余すところなく解き明かされた講演会=11月25日、明石市(下)永井幸寿弁護士

新社会党兵庫9区国政対策委員長 きくち憲之さん
 街頭からも連日訴え
 自民党の改憲策動を許すなと、きくち憲之・新社会党兵庫9区国政対策委員長は連日、明石市内の街角に立ち、緊急事態条項の危険性についても街頭から訴えている(=左写真)。
 7つの地区労、6つの労働組合、1労働者団体の14団体が参加するひょうご地域労働運動連絡会の第13回総会が11月12日、神戸市勤労会館で開かれた。
 冒頭、酒井浩二議長(尼崎地区労議長)があいさつに立ち、安倍内閣が掲げる「働き方改革」について触れ、みせかけの改革であることを強調し、批判した。
 つづいて岡崎進事務局長(明石地労協特別常幹)らから活動の報告と総括、情勢と課題、活動目標などが報告、提案された。活動目標では、組織づくりの課題として次世代の活動家の育成や空白地域への広がりの追求などが示された。
 議案の採択後、特別報告として4つの労組から報告が行われた。
 神戸ワーカーズユニオン権田工業分会が、悪らつな経営者に対してストライキも交えて労働条件の改善を求めている闘争を報告。尼崎地区労は10月21日からの施行を実現させた「公共調達基本条例」(公契約条例)をめぐる活動を、明石地労協は市民や他団体との共闘組織であるピースネット明石を軸にした反戦・平和のための活動を、そして、ひょうごユニオンは共闘組織の「ひょうご労働アクション」を通じた労働法制改悪反対の運動の取り組みを報告した。
 総会では「『同一労働同一賃金』とは何か 均等待遇確保の課題」と題した中野麻美弁護士による記念講演も行われた。
写真:総会では4つの労働組合から地域での特徴ある活動が報告しあわれた=11月12日、神戸市
 「こわすな憲法!いのちとくらし!市民デモHYOGO」(34団体が呼びかけ団体)が呼びかける毎月の「19日行動」が11月19日、神戸市三宮の花時計前で開催された。直前の15日には、自衛隊・南スーダンPKO派遣部隊へ「駆けつけ警護」「宿営地の共同防護」などの新任務付与が閣議決定されたばかりで、南スーダンPKO問題や沖縄をテーマに、集会とデモが行われ、約100人が参加した。
 集会では、まず南スーダンへの自衛隊派兵反対のアピールを元自衛官の大伴一人さん(自衛隊員の命と人権を守る京都の会)が行い、次に「戦争法は違憲だ」として冠木(かぶき)克彦さん(弁護士、違憲訴訟の会)が違憲訴訟の取り組みを中心に訴えた。冠木さんはその中で、「イラク派兵では丸腰にもかかわらず、精神的な緊張から64人の自衛官が自殺した。今回の南スーダンPKOではさらに緊迫した情勢の中で送られる。しかも戦争のための任務遂行型の武器も持っていく。“戦死”した場合の”弔慰金”が6千万円から9千万円に引き上げられる」と今回のPKO派遣の危険性を訴えた。また、集会では沖縄・高江の現地報告、TPP批准反対のアピールが行われたほか、自衛隊の南スーダンからの徹底を求める決議を採択し、元町までデモを行った。
 なお、「市民デモHYOGO」の12月の「19日行動」は、元町のこうべまちづくり会館で、子どもの貧困問題をテーマに学習討論集会が行われる(18時30分から)。
(伸)

写真:花時計前での集会に参加した約100人は市街地を通るデモ行進に出発=11月19日、神戸市
 全国農業問題連絡会の第14回総会・視察交流会が10月29、30日の両日、鳥取市内で開催された。北海道など1道1府8県から約40人が参加して、TPP反対の闘いや中山間地農業を維持する闘い、原発損害賠償請求訴訟を支援する取り組みなどについて報告・交流が行われた。
 兵庫県からは兵庫県農業問題懇話会の7人が参加。中井常男会長から延び延びになっている農業政策づくりを急ぐよう要請し、森山容光さんからは1985年から続いている姫路の「自然とみどりの会」の山を守る活動報告が行われた。
 総会後は、「全日農の歴史と運動」および「鳥取農業(畜産業)の現状と課題」について講演を受けた。
 2日目は鳥取県畜産農協が経営する、鳥取市内の美歎(みたに)牧場を視察し交流した。
 来年は九州で開催されることになった。
(浩)

写真:兵庫県農業問題懇話会からも7人が参加して講演や各地の活動に学んだ=10月29日、鳥取市
松尾 匡 立命館大学教授が講演
 「ヨーロッパの左翼―その主張と最近の動向」をテーマにした「ひょうご社会主義ゼミナール2016」(実行委員会主催)が11月27日午後、神戸市中央区の兵庫県私学会館で開かれ、松尾匡(ただす)さん(立命館大学経済学部教授)が「レフト3・0へ」と題して講演した。
 松尾さんは、今年1月に刊行した自著『この経済政策が民主主義を救う―安倍政権に勝てる対案―』で、左派・リベラル派が安倍政権に勝てる対案として反緊縮、もっと大胆な民衆のための量的緩和を提唱するなどして注目を集めている。
 講演では、最近の英国を含むヨーロッパの労働者党や欧州左翼党、欧州労連、欧州議会、さらに米大統領選のサンダースなど欧米左翼の動向について「反緊縮は今流行りだ!」というキーワードで紹介、日本でも左派が民衆のために積極的に量的緩和を訴えなければならないと強調した。
 また、欧米で台頭する左派は、過去のマルクス・レーニン主義の運動に対して第3バージョンの左派=「レフト3・0」とも言い得る(松尾氏)が、70年代の「レフト1・0」の主張を復活させている面もある。レフト3・0がたんに過去の運動に逆戻りするのか、新たな総合を展望することができるのか注視したいと話を締めくくった。 
(門)

写真:台頭する欧米左翼の反緊縮、「人民のための量的緩和」の経済政策を解説する松尾匡さん=11月27日、神戸市中央区
インフォメーション
第16回ピース・セミナー
  • 2017年1月19日(木)19時〜・神戸市勤労会館405、406
  • 「駆け付け警護の危険性」 講師 泥 憲和さん(元自衛官)
  • 参加費 500円
  • 主催 憲法ひょうご ※市民デモHYOGOも賛同参加
新社会党兵庫県本部 2017新春の集い
  • 2017年1月21日(土)18時30分〜
  • 兵庫県民会館11Fパルテホール
  • 参加費 3000円 ※申し込みは新社会党兵庫県本部まで