「新社会兵庫」 2016年11月08日号
総合事業で対自治体要求へ
 介護保険制度が大きく改悪される事態に直面するなか、介護施設事業者、介護労働者、サービス利用者の要求や意見を各自治体に出していこうと、「安心と笑顔の社会保障ネットワーク」結成のつどいが10月15日、神戸市勤労会館で開かれた。介護保険制度の見直しについての2度の公開講座の開催などのこれまでの取り組みを踏まえ、熟年者ユニオン、I(アイ)女性会議、ろっこう医療生協、憲法を生かす会でつくる準備会が主催したもので、高齢者、介護関係者、市民など予想を超える約80人が参加した。
 つどいの第1部では「どうなる介護保険制度〜何から始めるべきか」と題して、大阪社会保障推進協議会・介護保険対策委員長の日下部雅喜さんから記念講演を受けた。
 日下部さんは、まず介護保険制度の仕組みを説明し、今回の改悪のポイントとして、@要支援1、2のヘルパーとデイサービスの保険外し、市町村の総合事業化、A特養新規入所は原則、要介護3以上、B一定の所得者の2割負担をあげた。
 来年度から実施される神戸市総合事業については、現行相当のサービスに加えて導入される緩和型や住民型について「事業所に2割カットの報酬を押しつけ、生活援助は無資格やボランティアの導入によるサービスとなる」と、その問題点を指摘した。
 最後に、現在審議中の要介護1、2の見直しも含めて「保険料を払い続けているのに要介護3以上にサービスが縮小される介護保険は詐欺だ」と怒りを込めて告発した。
 会場からは事業者、ヘルパーなど4人が発言。「グループホームを運営しているが、介護労働者の処遇改善といっても介護報酬引下げで改善どころではない。施設見学に来る高齢者からの、自分らの年金では入所できないとの言葉は辛い」などの現状や問題点が報告された。
 第2部の結成総会では、憲法25条の生存権を活かすことを目的にした会則を確認し、活動方針として神戸市などに総合事業移行についての要求書を提出することや、生活保護、年金、医療など他の分野の取り組みも今後検討していくことをあげた。
 役員には、代表に菊地憲之(憲法を生かす会)、副代表に加納花枝(I女性会議)、事務局長に小林るみ子(神戸市議)らを選出した。
(憲)

写真:会場からは介護保険の改悪をめぐり事業者やヘルパーが問題を告発した=10月15日、神戸市勤労会館
 9月19日の「戦争法強行採決1年を考える兵庫集会」をステップに新たに発足した「こわすな憲法!いのちとくらし!市民デモHYOGO」が呼びかけた「TPPを考える学習討論会」が、「毎月19日行動」の一環として10月19日、神戸市勤労会館で開かれ、約60人が参加した。
 討論会ではまず、NPO法人AMネット事務局長の武田かおりさんが「TPP批准はいのちとくらしを脅かす」というテーマで講演。その中で武田さんは、TPP問題のキーワードとして「自由貿易」と「規制緩和」をあげ、TPPは高いレベルの自由化を進めるためのもので、自由に世界を行き来することが得意な多国籍大企業のみが有利になり、中小企業や地域密着型の企業は不利になると指摘した。農業分野だけでなく、医療、雇用、教育など全ての分野で規制緩和が行われることになり、貧困と格差が拡大すると述べ、今国会での批准をさせないための行動を呼びかけた。
 討論会では武田さんの講演に続き、元シールズ関西の2人の学生から沖縄・高江の現地報告が行われた。
 「市民デモHYOGO」では今後の「毎月19日行動」として、11月19日(土)は14時30分から神戸・花時計前で沖縄や南スーダンPKOをテーマに集会とデモを開催、12月19日(月)は18時30分から神戸まちづくり会館で、貧困問題を焦点に講演会を行うことにしている。
(伸)

写真:農業、医療、雇用、教育などあらゆる分野で記載緩和を進め、貧困と格差を拡大するTPPの国会批准阻止を訴えた=10月19日、神戸市中央区
 10・21国際反戦デー兵庫県集会が10月21日、神戸市勤労会館で開かれ、約170人が参加した。主催したのは平和憲法を守る兵庫県連絡会(自治労兵庫県本部や兵庫県医労連など5団体が呼びかけ団体)。
 「広げよう共同」「辺野古への新基地建設を許さない」「高江ヘリパッド工事強行に抗議」を掲げた集会のメインは、沖縄から駆けつけた中村司さん(オール沖縄会議事務局次長、基地の県内移設に反対する県民会議共同代表)による「オール沖縄の闘いと辺野古・高江」と題した講演。中村さんは、沖縄の米軍基地をめぐる長いたたかいにも触れながら「オール沖縄」が形成されてきた経過やその意義・成果も紹介し、辺野古と高江の闘いの現況を報告した。
 その中で、参院選の翌日(7月11日)早朝から資材の搬入を強行し、7月22日からは全国からの機動隊500人、県警機動隊300人を投入して非暴力の市民を暴力的に強制排除して建設工事を開始した姿は「まさに戒厳令・無法地帯そのものだ」と批判。「かつて米軍が銃剣とブルドーザーで県民の土地を収奪した歴史の再現だ」と訴えた。
 講演後の熱心な質疑応答によって高江の状況などがさらに詳しく明らかにされ、全国からの支援、高江への訪問が強く訴えられた。
 集会の最後に、「日本政府の沖縄差別に屈することなく不屈に闘う沖縄県民の闘いに連帯しよう」とする集会アピールを採択。団結ガンバローの三唱で閉会した。

写真:オール沖縄会議事務局次長の中村司さんが辺野古と高江の状況を訴えた=10月21日、神戸市
 国際反戦デー芦屋地区連帯集会が10月21日、芦屋市役所前で行われ,約150人が参加した。
 芦屋では国際反戦デーの集会は毎年、芦屋地労協などの4団体で取り組まれているが、今年の集会では「継続した反戦平和の取り組みこそが大切だ」と訴える長谷啓弘(ながたにのぶひろ)・芦屋地労協議長の主催者あいさつののち、市民がつくる芦屋会議の佐治孝典さん(88歳)をはじめ、呼びかけの各団体代表から力強いアピールが続いた。
 参加者からは西宮市で沖縄問題の請願・署名活動に取り組む市民から連帯のあいさつが行われたのち、「あすわか」の川元志穂弁護士から「緊急事態条項」の危険性について熱のこもった訴えがなされ、参加者は真剣に聞き入っていた。
 その後、「沖縄県民の闘いに連帯を!」との集会アピールを採択、JR芦屋駅までデモを行った。
 駅前ではすぐにリレートークへと移り、憲法を生かす阪神連絡会の憲法カフェの活動紹介などが行われた。また、芦屋でも沖縄問題で市議会での意見書採択を求める取り組みを展開中との報告もあった。
 今年で50周年となる国際反戦デーは公務職場からの若い参加者が多いのが特徴的だった。
(克)

写真:芦屋地労協等4団体が呼びかけ集会とデモ=10月21日、芦屋市
 今年6月に結成された憲法を生かす会・但馬が、秋の取り組みとして企画した映画「戦場ぬ止み」の上映会が10月20日、豊岡市のアイティー市民プラザで開かれ、約60人が参加した(主催は「但馬と丹波で『戦場ぬ止み』を観る会」)。
 上映にあたり、西原良実代表が「沖縄では基地反対の民意が示されているにもかかわらず、強権的に工事を強行するのは基本的人権を無視した行為だ。平和憲法を一緒に守っていこう」とあいさつした。
 続く映画上映では、沖縄の辺野古新基地建設反対闘争を闘う地元の人々の気概やその実情をつぶさに学んだ。「二度と沖縄を戦場にさせない。そして、戦争の息の根を沖縄から止めたい」―そんな沖縄の人々の思いが映画から伝わった。
 今回の上映会に向け、開催のひと月前から自治労但馬丹波ブロック共闘会議に協力要請に足を運び、その後、分担して但馬内の労働組合に呼びかけに回った。また、一般向けに新聞各社にも情報を提供して掲載してもらった。会員はひとり10枚を目標にチケットを販売することとし、中には自治会の役員にも購入してもらうなど10枚を達成した会員もあった。
(島田)

写真:60人が集まった但馬上映会=10月21日、豊岡市
 沖縄県東村高江で米軍ヘリパッド建設工事が安倍政権によって強行され、工事に抗議する沖縄県民が、全国から動員された機動隊によって暴力的に排除される毎日が続いている。
 参院選直後の工事再開、座り込みテントの強制撤去などをめぐる高江のたたかいを多くの人に映像で観てもらおうと、映画「高江―森が泣いている」の上映会が10月21日、篠山市民センターでが行われた。この上映会は、前日の「戦場ぬ止み」但馬上映会と連動して行われ、「但馬と丹波で『戦場ぬ止み』を観る会」が主催した。
 昼夜2回の上映会に90人の市民が参加し、生々しい高江現地のたたかいを観た。 上映前には「ちゅらさんご」(川口真由美さん、春間げんさんによる新しいユニット)のミニライブ、上映後には沖縄の座り込み行動に幾度となく参加している川口真由美さんのトークも行われた。ミニライブ、映画、トークのいずれも好評だった。
 参加者からは、「沖縄でこのような事が起きていたとは全く知らなかった」「沖縄の報道が少ない」「沖縄県民の大変な思いや頑張りに胸が痛くなった」「私も高江に一度行きたい」などの感想が寄せられた。
(雄)

写真:上映後にはミニライブの川口真由美さんのトークも行われた=10月21日、篠山市
中野麻美弁護士が記念講演
 第20回働く女性の交流集会が10月23日、60人を超える参加者で神戸市内で開かれた(主催は自治労臨職評などでつくる集会実行委員会)。
 集会では職場報告として、社保労連、三木市職労、明保労(明石市保育所臨時職員労組)、芦屋留守家庭労組、尼崎嘱託労組、神戸ワーカーズユニオンの6人から、職場のたたかいの経過、労働組合の活動や職場の状況、闘争の支援要請などが述べられたが、そのひとつひとつから労働組合の大切さが伝わった。
 記念講演は「アベノミクスにごまかされない―労働組合の課題―」と題して派遣労働ネット代表の中野麻美弁護士が行った。
 中野さんは、安倍政権が掲げる労働政策を一つ一つ分析、説明し、いま安倍政権によって崩されようとしている8時間労働制について、「8時間は収入のために、8時間は休息のために、残りの8時間は自分自身のために」と言う際の“自分自身”とは、労働者の自由、人権の確保ということであり、その中には結社の自由や労働組合に結集しその活動をすること、さらに市民活動、政治活動をする時間の確保も含まれていると指摘。労働者の繁忙政策は、差別を強化し、戦争への道を準備するものだと批判した。
 最後に、E・フロムの『自由からの逃走』から例をあげ、「しっかりと見分けて選び、自分で選択したことに責任を持てるようになることだ。無関心と無知を連帯に代えよう。無関心と無知は、私に言わせれば人間の死、人間性の死だ」と結び、労働組合の社会的な役割を強く提起した。
(智)

写真:6つの労組からの職場のたたかいや活動の報告は参加者を元気づけた=10月22日、神戸市中央区
 新社会党近畿ブロック協議会(議長・山下けいき茨木市議)は10月22、23日の2日間、秋季恒例の近畿ブロック党学校を今年は和歌山県で開いた。
 第1部として、和歌山市で開かれた「憲法を生かす会・和歌山」主催の金原徹雄氏講演会に合流参加し、「参院選後の改憲の動きと私たちの課題」と題する講演に学んだ。金原氏は和歌山で憲法・平和問題や原発問題で積極的に活動されている弁護士。
 終了後は会場を湯浅町に移し、第2部の党学校を開いた。山下議長のあいさつののち、加藤晋介中央本部副委員長(党政策委員会委員長)から「憲法を活かす『社会国家』をめざして(中期的政策の補強)」というテーマでの講演を受けた。加藤副委員長は、「なぜいま中期的政策の補強か」として、結党後の情勢の変化を述べ、安倍政権の改憲攻勢への反撃のためにと、9条に加えて憲法が保障する社会権(憲法25、26、27、28条)とそれにもとづく「社会国家」構想について解説した。
 2日目は全体会議で、松枝佳宏委員長から、新自由主義による社会構造の急激な変化とそれへの対抗軸などをめぐる問題提起を受けたのち、各府県本部から参院選闘争の総括を含め、それぞれが取り組んできた活動を報告・交流しあった。

写真:第1部は憲法を生かす会・和歌山が主催した金原徹雄氏講演会に合流参加=10月22日、和歌山市
インフォメーション
第15回ピース・セミナー
  • 11月11日(金)19時〜・神戸市勤労会館403
  • 講師 高作正博関西大学法学部教授
  • 参加費 500円
「憲法を生かし、憲法に学ぶ」講演会
  • 11月25日(金)18時30分〜
  • アスピア明石北館7F(明石駅から東へ5分)
  • 「憲法に緊急事態条項は必要か」永井幸寿弁護士(同名の岩波ブックレット著者)など
  • 参加費=500円
  • 主催=憲法を生かす会・明石
ひょうご社会主義ゼミナール2016
「ヨーロッパの左翼 その主張と最近の動向」
  • 11月27日(日)13時30分〜
  • 兵庫県私学会館101
  • 講師=松尾 匡 立命館大学教授
  • 参加費=500円
12.10平和の集い
 『蒼(そらいろ)のシンフォニー』上映
  • 12月10日(土)14時開会
  • 長編ドキュメンタリー映画『蒼(そらいろ)のシンフォニー〜日本で生まれ育った朝鮮学校生徒達の物語〜』
  • 神戸アートビレッジセンター
  • 前売り1,000円 当日1,200円
  • 連絡先 078・360・4674
労働大学講座 神戸・東播磨・姫路・但馬地区
  • 《神戸講座》
    ▼開講日/時間=@10月19日(水)A27日(木)B11月1日(火)C10日(木)D16日(水)E24日(木)の全6回/午後6時30分〜8時30分
    ▼会場=兵庫勤労市民センター
    ▼講義テーマ/講師=@憲法改悪を許すな/鈴田渉A労働者の雇用と権利/菊地憲之B許すな原発再稼働/米岡史之Cアベノミクスの破綻/津野公男D沖縄問題を考える/森哲二E揺らぐ世界と若者/佐野修吉
    ▼受講料=4100円(聴講料=1回800円)
  • 《東播磨講座》
    ▼開講日/時間=@10月26日(水)A11月2日(水)B9日(水)の全3回/午後6時30分〜8時30分
    ▼会場=加古川市立勤労会館
    ▼講義テーマ/講師=>@平和憲法と自民党改憲草案/鈴田渉A世界の経済―ヨーロッパを中心に―/津野公男B労働法改悪の動き/菊地憲之
    ▼受講料=2000円(聴講料=1回800円)
  • 《姫路講座》
    ▼開講日/時間=@10月12日(水)A19日(水)B26日(水)C11月2日(水)D9日(水)E16日(水)の全6回/午後6時30分〜8時30分
    ▼会場=姫路・花の北市民広場
    ▼講義テーマ/講師=@世界が変わる、世界を変える、ミレニアル世代/佐野修吉A自民党は日本国憲法をどう改「正」しようとしているのか/大西慶博B労働法制全面改悪に立ち向かう/赤松範夫C労働運動と市民運動/菊地憲之D原発―再稼働と運転期間延長の危険性―/米岡史之Eとりまく情勢と課題/今村稔
    /h1<>
  • 《但馬講座》
    ▼開講日/時間=@11月4日(金)A11日(金)B18日(金)の全3回/午後6時30分〜8時00分
    ▼会場=豊岡市民会館
    ▼講義テーマ/講師=@平和憲法と自民党改憲草案/鈴田渉Aアベノミクス―格差拡大と更なる貧困の増加―/津野公男Bユニオンの闘い―金田組の闘い―/細川雅弘
    ▼受講料=2000円(聴講料=1回800円)