「新社会兵庫」 2016年10月11日号
 戦争法の強行採決からまる1年が経った9月19日、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会が呼びかけた「戦争法廃止!9・19国会正門前行動」に2万3千人が集まったのをはじめ、戦争法の廃止をめざして活動を続けてきた全国各地の運動団体が400カ所以上の地域で集会やデモを行い、ひきつづき戦争法の廃止をめざし、戦争法の発動阻止や改憲阻止のための運動を強めようと決意し合った。兵庫県では神戸、明石、加古川、姫路などで集会やデモが行われた。
 神戸では37団体が呼びかけ団体となった「アベ政治を許さない市民デモKOBE」が主催する「戦争法強行採決1年を考える兵庫集会9・19」が中央区の兵庫県私学会館で開かれ、222人が参加した。
 会場が満席となった集会では、「この国に民主主義を実現するために」と題する岡野八代さん(同志社大学教授)の講演と「沖縄は戦争法の具体化を許さない」と題する真喜志好一さん(建築家、那覇市在住)の講演が行われたほか、神戸大学平和フォーラムの岩佐卓也さんや安保関連法に反対するママと有志の会ひょうごからも連帯アピールが行われた。
 さらに、集会では「これからの市民ネットワークについて」として、今後の活動目標や活動の進め方などが事務局から提案され確認された。今後の活動目標としては、これまでの@戦争法廃止に加え、A改憲国民投票をさせない、B改憲国民投票に備える、の3点。あわせて、今後、参加団体からの要請にもとづいて学習を積み重ねながら、戦争法・改憲問題やいのちとくらしに関わるテーマを毎月の「19日行動」を基本に、月1回の世話人会で決定しながら取り組むことなども確認した。
また、緩やかなネットワークを大切にしながらも目標に沿った発展的な改組をとして、名称についても参加者による投票が行われ、事務局から提案された3つの案の中から最も多くの投票を得た「こわすな憲法!いのちとくらし!市民デモHYOGO(略称・市民デモHYOGO)」に改称された。
 集会後は元町から三宮までをデモ行進した。
 同ネットは10月19日には別記の集会を開く。
(伸)

写真:(上)「こわすな憲法!いのちとくらし!市民デモHYOGO」への発展的改組を確認した市民集会=9月19日、兵庫県私学会館(下)集会後は元町から三宮までデモ行進=9月19日、神戸市中央区
 明石でも9月19日、全国各地の集会に連動して「戦争法廃止・総がかり行動明石9・19大集会」が中崎遊園地で開かれた。雨の中、約100人が参加し、集会終了後は明石市内をパレードし、改憲阻止などを訴えた。
 今夏の参院選を経て、安倍首相がいよいよ明文改憲をめざすなか、集会では、あすわか(明日の自由を守る若手弁護士の会)兵庫支部の坂本知可弁護士が、「個人の人権を守る憲法が自民党改憲草案によってどのように変えられようとしているのかを知ることがまず大切。とくに緊急事態条項は権力の濫用を可能にするもので危険だ。また、この運動は、よりよく生きるためのものであるから、疲れすぎないように、人との対話や記者を呼ぶなどメディアに働きかけるなどの方法も使って広げていこう」と発言した。
 参加者からは、菊地憲之・新社会党兵庫県本部書記長をはじめ、新町美千代さん(共産党明石市委員会委員長)、小寺フヂエさん(明石民主商工会会長)、金平博さん(憲法を生かす会・明石)、佐伯圭一さん(西明石条の会事務局次長)がつぎつぎと各団体を代表して決意表明。それぞれに「安倍政権打倒までがんばろう」と訴えた。
(彩)

写真:雨の中100人余が集まり「集団的自衛権は発動するな!」などと気勢を上げた=9月19日、明石市
 戦争法の強行採決から1年の9月19日、「戦争をさせない1000人委員会ひょうご」は、JR尼崎駅前、元町駅前、姫路駅前の3カ所で11時から12時30分までの1時間半にわたり宣伝行動を行い、戦争法の廃止や改憲阻止を訴えた。
 このうち、JR元町駅前では1000人委員会ひょうごに賛同する各団体から約30人が集まってチラシを配布した。その間、スピーカーが次々と入れ替わりマイクリレーを行った。
 戦争させない1000人委員会ひょうごは10月22日、午後3時30分から神戸市中央区のラッセホールで総会と学習会を開く。
写真:JR元町駅前の宣伝行動ではマイクリレーをしながら通行人にチラシを配=9月19日
 9月17日、「憲法を生かす会・灘」の有志で豊岡市但東町のモンゴル民族博物館で開催中の企画展「大兵庫開拓団と高橋村」を見学する「平和の旅」で出かけた。
 開拓団生き残りの石坪馨さんと山下幸雄さんの講演を、それをセットしてくれた憲法を生かす会・但馬の仲間と一緒に聞くことができた。
 終戦間際の1944年春、国策だった開拓団として高橋村から女性、子どもを含めて476人が満州に渡った。そして終戦の年の8月9日、旧ソ連軍侵攻のため逃避行に。しかし、追い詰められて298人が川で「自決」した。兄弟、姉妹をヒモでしばり、幼子は母親にくくりつけられて川に飛び込んだと聞いた。「死ぬな」という上からの指示は、事件直後に届いたそうだ。わずか生き残った人たちは収容所へ。生き抜くためシラミも栄養源と思って食べた、とのお話だった。
 今の時代が当時と似てきている中、平和の大切さを痛感した「平和の旅」だった。
(吉田)

写真:開拓団生き残りの石坪さん(左)と山下さん(右)の講演を聞いた=9月17日、豊岡市
「経済的徴兵制」で講演
      兵庫・奨学金の会 3周年の集い
 奨学金受給者が全学生の5割を超え、その多くが有利子貸与型であるために返済困難者が急増するなど奨学金問題が社会問題化するなかで「奨学金問題と学費を考える兵庫の会(略称=兵庫・奨学金の会)」が設立されたのは2013年。
 設立後、同会は返済困難者からの電話相談や奨学金についての出前講座などに取り組んできたが、設立3周年を迎え、総会と合わせて3周年のつどいを9月25日、神戸市勤労会館で開いた。
 つどいでは『経済的徴兵制』(集英社新書)の著者、布施祐仁(ゆうじん)さんを講師に講演が行われた。
 布施さんの講演内容は丁寧な取材報告であり、考えていた以上に重く、恐ろしい事実が紹介された。それは、米国ではアフガン、イラク戦争後からすでに始まっていた「経済的徴兵制」が、日本でもすでに2009年の小泉内閣時のリーマンショック後から始まっていたという事実だ。とくに若者の就職口が少ない地方では、経済的理由から自衛隊への入隊が増えている。しかし、少子化や安保法制成立後の途中退職者の増加、若者入隊者の減少により、必要な隊員数を確保できない防衛省は若者集めに必死である。入隊すれば多種の資格取得が可能だとか、奨学金制度の拡充など、次々とアメを自衛官募集の手段にしている。
 これらの事実を知り、兵庫・奨学金の会の必要性を改めてひしひしと感じた。若者の命をお金と引き換えにさせないために、奨学金の給付制度化が急務だ。
 なお、当日の講演はIWJのアーカイブリストにアップされている。ぜひ検索を。
(新原)

写真:『経済的徴兵制』(集英社新書)の著者の布施祐仁さんが講演した=9月25日、神戸市
「この経済政策が民主主義を救う」
       松尾匡さんの経済学講演会
 憲法を生かす会・灘は9月22日、いま注目を集めるリフレ派のマルクス経済学者、松尾匡(ただす)さん(立命館大学経済学部教授)を講師に「憲法サロン(経済学講演会)」を六甲道勤労市民センターで開いた。灘区は松尾さんが神戸大学大学院時代に過ごしたゆかりの地。
 講演の演題は松尾さんが今年1月に大月書店から出版した著書と同名の「この経済政策が民主主義を救う」。
 松尾さんは、今夏の参院選結果でも明らかなように、苦しい暮らしの中からの社会保障や景気・雇用への期待から自民党に投票が流れ、安倍政権の支持率を上げていることをデータで示しながら指摘。野党側の経済政策こそが問われているとして、安倍政権に勝つためには、アベノミクスを凌駕するような経済政策が必要だと説いた。
 松尾さんが提唱するのは、大胆な財政支出。野党は安倍政権以上に景気拡大策を打ち出すべきだとし、その景気拡大策として、2%インフレに達するまで日銀のつくった緩和マネーを福祉、医療、教育、子育てなどに大胆に政府支出を行い、雇用の拡大、消費需要の拡大、消費財生産の拡大に結び付け、循環させることだとする。
 さらに、欧米左派でも「反緊縮は今、流行り!」として、欧米左派の経済政策の動向を紹介した。  
写真:野党こそ安倍政権の出来ない大胆な経済政策を打ち出すべきだと提唱する松尾匡立命館大学教授配=9月22日、神戸市灘区
インフォメーション
『安心と笑顔の社会保障ネットワーク』結成総会
  • 10月15日(土)13時30分〜16時
  • 神戸市勤労会館308号
  • 第1部=記念講演 日下部雅喜さん(大阪社会保障推進協議会)
    第2部=結成総会
  • 参加費 500円(資料代)
TPPを考える学習討論会
  • 10月19日(水)18時30分〜21時
  • 神戸市勤労会館308
  • 講演「TPP批准はいのちとくらしを脅かす」武田かおりさん(AMネット事務局長)
  • 討論 市民デモHYOGOの今後の取り組みについて
  • 参加費 800円
10.21国際反戦デー兵庫県集会
  • 10月21日(金)18時30分
  • 神戸市勤労会館・7階ホール
  • 講演「日本の民主主義を問う−辺野古・高江のたたかい」(仮題)仲村司さん(オール沖縄会議事務局次長・基地の県内移設に反対する県民会議共同代表)
  • 参加費=500円
  • 主催=平和憲法を守る兵庫県連絡会
10.21国際反戦デー芦屋地区連帯集会
  • 10月21日(金)18時〜18時45分
  • 芦屋市役所前広場
    ※集会後は・市民との連帯ピースウォーク、・JR芦屋駅北デッキ・リレートーク(19時30分まで)
  • 主催=芦屋地労協など4団体の実行委
第20回働く女性の交流集会
  • 10月23日(日)13時30分〜16時
  • ひょうご共済会館5F
  • 講演「アベノミクスにごまかされない−労働法改悪を許さないために−」中野麻美さん(派遣労働ネット代表)
  • 参加費=1000円
第15回ピース・セミナー
  • 11月11日(金)19時〜・神戸市勤労会館403
  • 講師 高作正博関西大学法学部教授
  • 参加費 500円
労働大学講座 神戸・東播磨・姫路・但馬地区
  • 《神戸講座》
    ▼開講日/時間=@10月19日(水)A27日(木)B11月1日(火)C10日(木)D16日(水)E24日(木)の全6回/午後6時30分〜8時30分
    ▼会場=兵庫勤労市民センター
    ▼講義テーマ/講師=@憲法改悪を許すな/鈴田渉A労働者の雇用と権利/菊地憲之B許すな原発再稼働/米岡史之Cアベノミクスの破綻/津野公男D沖縄問題を考える/森哲二E揺らぐ世界と若者/佐野修吉
    ▼受講料=4100円(聴講料=1回800円)
  • 《東播磨講座》
    ▼開講日/時間=@10月26日(水)A11月2日(水)B9日(水)の全3回/午後6時30分〜8時30分
    ▼会場=加古川市立勤労会館
    ▼講義テーマ/講師=@平和憲法と自民党改憲草案/鈴田渉A世界の経済―ヨーロッパを中心に―/津野公男B労働法改悪の動き/菊地憲之
    ▼受講料=2000円(聴講料=1回800円)
  • 《姫路講座》
    ▼開講日/時間=@10月12日(水)A19日(水)B26日(水)C11月2日(水)D9日(水)E16日(水)の全6回/午後6時30分〜8時30分
    ▼会場=姫路・花の北市民広場
    ▼講義テーマ/講師=@世界が変わる、世界を変える、ミレニアル世代/佐野修吉A自民党は日本国憲法をどう改「正」しようとしているのか/大西慶博B労働法制全面改悪に立ち向かう/赤松範夫C労働運動と市民運動/菊地憲之D原発―再稼働と運転期間延長の危険性―/米岡史之Eとりまく情勢と課題/今村稔
  • 《但馬講座》
    ▼開講日/時間=@11月4日(金)A11日(金)B18日(金)の全3回/午後6時30分〜8時00分
    ▼会場=豊岡市民会館
    ▼講義テーマ/講師=@平和憲法と自民党改憲草案/鈴田渉Aアベノミクス―格差拡大と更なる貧困の増加―/津野公男Bユニオンの闘い―金田組の闘い―/細川雅弘
    ▼受講料=2000円(聴講料=1回800円)