「新社会兵庫」 2016年9月13日号
憲法ひょうごピースセミナー
 衆参両院で改憲勢力が3分の2議席以上を占め改憲発議の条件を手にした安倍政権は、悲願とする明文改憲の実現へ9月26日開会の臨時国会から憲法審査会で改憲発議に向けた論議を始めようとしている。改憲のねらいの「本丸」は「9条改憲」だが、先ずはその足がかりとして、抵抗の少ない項目での「お試し改憲」を行い、改憲国民投票への抵抗感を少なくしようというのが彼らの目論見だ。その格好のテーマが大規模な自然災害などを口実とした緊急事態条項である。
 憲法ひょうご(ひょうご憲法集会実行委員会)は8月23日、神戸市勤労会館で開いた第13回ピース・セミナーで、羽柴修弁護士を講師に緊急事態条項の危険性について学んだ。
 講演では、羽柴修弁護士(弁護士9条の会)はまず、自民党改憲草案(98条、99条)に具体的に示されている緊急事態条項について、非常事態での憲法秩序の停止など、その概要を説明。そして、憲法に非常事態条項を書き込む必要があるとする改憲派の議論に対して、なぜ日本国憲法には書かれていないのかの理由を述べた。それは、人権や三権分立の制限など憲法秩序の停止に対する民主主義や立憲主義の観点からの思慮であり、現にある憲法の制度や法律で特殊な事態にも十分対応できる準備があるからだとした。同時に、何よりも根本的には憲法9条があることを強調。憲法9条によって戦争をする国にしないとしている日本国憲法には書き込む必要がなかったとの判断があると解説した。
 また、この間の具体的な大災害の経験を通しても自治体では非常事態条項の必要性をほとんど認めておらず、そうした立法事実は今はないと指摘。
 さらに、憲法に非常事態条項は必要だとする議論については、憲法9条の明文改憲の前哨戦として、いわゆる「お試し改憲」のために持ち出されてきた議論であり、国家緊急権の濫用の歴史からもその危険性は明白で、非常事態条項を憲法に書き込む必要はまったくないと強調した。

写真:弁護士9条の会の羽柴修弁護士が緊急事態条項の危険性について講演した=8月23日、神戸市勤労会館
 「アベ政治を許さない市民デモKOBE」(37団体が呼びかけ団体)は8月19日、神戸市勤労会館で「これからの市民運動を考える討論集会」を開き、今後の運動や組織の方向性などについて議論した=写真。
 集会では、沖縄・高江の現地報告の後、この間の毎月19日のデモや神戸マルイ前での連日の「戦争法廃止2000万人署名」運動などの取り組みの経過が報告されるとともに、参議院選挙で初めて実現した市民と野党の共同選挙に有志が参加するなかで得た教訓なども含めて、1年余りの活動の総括が提案された。また、今後の運動について、@目標を何にするか、A取り組みのテーマ、B取り組み方の改善、Cネットワークの発展に向けた当ネットワークの名前や組織の在り方などが提案され、議論が行われた。
 議論の中では、「結集の一致点である改憲阻止をもっと前面に出すべき」「改憲国民投票を実現させないことを意識すべき」「戦争法廃止の運動を盛り上げるべき」などのさまざまな意見が出され、ネットワークの名前などは引き続き事務局会議で議論していくことが確認された。
 集会では、戦争法強行採決から1年の9月19日には「戦争法強行採決1年を考える兵庫集会」を開き、今後の運動の方向性などについて、学者と沖縄の市民からの提案を受けて議論する活動企画も確認された。
(伸)
8.20に総会と記念事業
 有事法制に反対するネットワーク東播磨の第13回総会と記念事業が8月20日、県加古川総合庁舎1階の「かこむ」で31人が参加して開かれた。
 記念事業では「改憲はホントに必要?」をテーマに、歴史・公民の高校教員と八木和也弁護士(明日の自由を守る若手弁護士の会)をパネラーに迎えトークが行われた。
 その中で、学校現場では「主権者教育が十分できていない中で、自分たちの要求が政治に反映できるととらえられない」など、高校生や中学生を対象に行ってきたアンケートをもとに今の若者の問題意識が紹介された。
 八木弁護士からは、「帝国憲法の時代の50年間で5回も戦争をしてきている。今の憲法で戦争はさせない憲法になった」「緊急事態条項は大変危険。関東大震災の時は戒厳令がしかれ、朝鮮人が弾圧された」などと指摘だされた。
 その後、会場からは、「自民党改憲草案のソフトな部分、例えば『家族を大切にしよう』と書かれていたら、反論がしにくい」などの質問・意見が出された。今後は、具体的な事柄で国民にわかりやすい説明をしていくことが大事だなどと確認し、充実した内容となった。
(彰)

写真高校教員と若手弁護士をパネラーに迎えてのトーク=8月20日、加古川市
 8月28日、宍粟市の宍粟防災センターで九条の会・宍粟が主催する「憲法カフェ・宍粟」が、「憲法をめぐる今後の動き〜今、私たちがなすべきことは〜」をテーマに開かれ、約40人が参加した。
 講演では、「あすわか兵庫」の園田洋輔弁護士から、自民党改憲草案の問題点の指摘や参院選の結果などを踏まえて、「立憲主義の経緯を知り、権力の暴走を許さない運動の重要性」についての提起が行われた。
 そして、「今、大切なことは、少しずつ身近に運動を広げること。そのために敷居を低くすることも必要。重要なことは、若者に活動を引き継いでもらうことだ」とのまとめがされた。また、質疑に対しても、「参院選後の停滞を打開するには運動の継続が重要だ」と締めくくった。
 九条の会・宍粟では、「身近な課題に取組みながら周囲を固めていこう」と、ていねいな活動展開に向けた議論が始まっている。
(志水)

写真:「あすわか」の園田洋輔弁護士から憲法をめぐるこれからの運動についての問題提起を受けた=8月28日、宍粟市"
 暑かった夏も少し涼しさを感じるようになった8月28日、憲法を生かす北の会は、41回目となる「憲法を考える集い」を開いた。いつものメンバーに、久しぶりに顔を見せた人や遠く鳥取から来た人などが加わり、16人が集まった=写真。
 集いでは、1383筆を集めた戦争法廃止を求める署名活動の報告が事務局から行われ、6か月に及ぶ取り組みの中で、市民の様々な反応があったことが報告された。各自で取り組んだ内容やエピソードも出し合われ、それぞれの場での運動の広がりが確認できた。
 参議院選挙に関しては、兵庫で統一候補を実現できなかったことや、投票率の低さ、選挙どころではない暮らしの大変さなどが話し合われた。その中では、反対するだけではなく具体的にこちらから提案できるような運動が必要ではないかという指摘もあり、有意義な話し合いとなった。
 終了後は、納涼会を近くの店で行い、お互いの懇親も深めた。
(修)
 ひょうご地域労働運動連絡会は、8月20日に神戸市内で開いた運営委員会で、明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)で活躍中の弘川欣絵弁護士から、参院選にかかわる新鮮で元気の出る報告を聴いた。
 弘川さんは連帯兵庫みなせんの共同代表を務めるほか、いち早く地域でミナセン尼崎も結成して選挙に関わったが、無党派の自分が関わったきっかけは、「あまりにもひどい安保法制が成立し、このままでは自分の子どもが兵隊にとられるかもという危機感からだ」と述べた。このような思いは子育て世代に共通しており、憲法9条といえば堅苦しいイメージだが、「誰の子どもも殺させない」という合言葉は普通の人も参加しやすいスローガンだとも述べた。
 また、今後の憲法を守る運動や衆議院選挙に向けて、「選挙や政治は自分たちの生活とつながっている」という土壌づくりが大事で、それを「働きかける場、定期的につながっていける場」をつくり出すことが大切だと指摘した。
 弘川さんは選挙結果にもへこたれず意気軒高。2人で立ち上げた「尼崎ママの会」は10人になり、これまで50回ほど開いた「憲法カフェ」は、年末までに15件のオファーが来ているという。労働運動にも共通する重要な視点が提起された。
(進)
インフォメーション
9・19戦争法強行採決1年を考える神戸集会
              (集会後デモ)
  • 9月19日(月・祝日)13時30分〜16時30分
  • 兵庫県私学会館・5F大ホール
  • 講演=岡野八代さん(同志社大学教員)、真喜氏好一さん(建築家、那覇市在住)ほか
  • 参加費 千円
  • 主催=アベ政治を許さない市民デモKOBE
憲法サロン「経済問題の講演会」
  • 9月22日(木・祝日)14時
  • 六甲道勤労市民センター5階あじさい
  • 講演「この経済政策が民主主義を救う―安倍内閣に勝てる対案」
    松尾匡さん(立命館大学経済学部教授)
  • 主催=憲法を生かす会・灘(078・801・8448)
松元ヒロたっぷり90分痛快ライブin宝塚
          &中川市長とお笑い対談
  • 9月24日(土)14時(13時30分開場)〜16時
  • ソリオホール(阪急宝塚駅南隣接)
  • チケット料金 大人1000円/学生500円
  • 主催=中川ともこと歩む会(090・1909・0203)
奨学金問題と学費を考える兵庫の会
         設立3周年の集い&総会
  • 9月25日(日)13時30分〜16時30分
  • 兵庫県私学会館302、303会議室
  • 講演=布施裕仁さん(ジャーナリスト、『経済的徴兵制』著者)など
  • 参加費1000円(学生無料)
  • 主催=奨学金問題と学費を考える兵庫の会(078・362・1166)
第14&15回ピース・セミナー
  • 10月14日(金)19時〜・神戸市勤労会館308
  • 11月11日(金)19時〜・神戸市勤労会館403
  • 講師はともに高作正博関西大学法学部教授
  • 参加費 各500円
新社会党兵庫県本部結党20周年記念イベント
 「露の新治 お笑い人権高座と落語の会」

 新社会党兵庫県本部は、新春講演会(1月)、結党20周年の集い(4月)につづく結党20周年記念イベントの第3弾として、 10月1日、新社会党を応援される露の新治さんを招いて「お笑い人権高座と落語の会」を開く。露の新治さんは、昨年、文化芸術祭賞大衆芸能部門優秀賞を受賞している。
  • 10月1日(土)13時開場/13時半開演
  • 神戸アートビレッジセンター・2Fホール(神戸高速「新開地駅」南へ徒歩5分)
  • 他の出演者 豊来家玉之助、露の新幸
  • チケット お一人2000円