「新社会兵庫」 2016年2月9日号
 夏の参院選は改憲を争点にし、改憲勢力で3分の2以上の議席確保をめざす―安倍首相は年明けから明文改憲への意欲をあからさまにし、「緊急事態条項」の創設を恰好の突破口にして明文改憲に突き進もうとしている。こんな“壊憲の暴走”は許さず、戦争法を廃止にと、「19日行動」「戦争法廃止を求める2000万人統一署名」の取り組みが寒空の中でも全国各地で元気に展開されている。また、参院選に向けては、統一候補や野党共闘の実現を求める「市民選対」立ち上げの動きも活発になっている。

1・19アベKOBEデモ
 神戸では1月19日夕、36団体が呼びかけ団体の「アベ政治を許さない市民デモKOBE」が三宮の花時計前で集会を開き、その後、フラワーロードを北進し三宮センター街と元町商店街などをデモ行進した。
 集会では、初めて「戦争をさせない1000人委員会・ひょうご」からの連帯あいさつが坂本三郎・部落解放同盟兵庫県連委員長によって行われたほか、7つの運動グループからの報告・訴えが続いた。この中で、「アベ政治を許さない市民デモKOBE」が12月17日から週5日、神戸マルイ前で取り組んでいる「2000万人署名」運動の状況報告や「連帯兵庫みなせん」結成に向けたアピールなどが行われた。

連日の『2千万署名』行動
 神戸マルイ前では水、日曜日を除く連日の14時から16時の2時間、「アベ政治を許さない市民デモKOBE」に参加する団体が政党の協力も得て(新社会党は月曜日を担当)、署名行動を続けている。1月30日までに、1日の署名が365筆を最高に、合計3518筆を集計している。署名行動は4月25日まで続けられる。
 明石市では「安保法制(戦争法)廃止・総がかり行動明石」が昨年11月から、毎月の「19日行動」としてJR明石駅前で「2000万人署名」の行動を展開。
 また、「戦争をさせない1000人委員会・ひょうご」も毎月19日は神戸・元町、尼崎と場所を変えながら街頭宣伝を行い、署名行動に取り組んでいる(2月19日は洲本市で高作正博・関大教授の講演会を開催)。
 さらに、神戸市垂水区では憲法を生かす会・垂水の呼びかけで「2000万人署名実行委員会」を結成、他団体とも共同して署名集めを進める。

写真上:三宮センター街を歩くアベ政治を許さない市民デモKOBE=1月19日、神戸市
写真下:マルイ前の連日の「2000万人署名」行動=1月11日、神戸市
 新社会党兵庫県本部(粟原富夫委員長)は結党20周年事業のひとつとして1月22日、「2016新春講演会」を開いた。新社会党が労働者とともに労働運動の再生・強化を図ろうと、毎日新聞の東海林智(とうかいりん・さとし)記者を講師に招き、「貧困の現場から労働運動を展望する」と題した講演に学んだ。
 90人の参加者を前に粟原委員長があいさつし、自公政権とその補完勢力であるおおさか維新の会の台頭で明文改憲の危機が拡大している情勢に触れ、「戦争法案反対では労働者や労働組合の起ち上がりが十分でなかった。労働者の現実をつかみ、つなげ、ともに起ち上がろう」と訴えた。
 東海林さんは講演の最初に1944年のILОフィラデルフィア宣言を紹介。「労働は商品ではない」の根本原則に触れ、安倍政権は同宣言に逆行する労働法改悪を矢継ぎ早に進めていると批判した。労働者派遣法の改悪についても、同法が商取引の法律であり、それゆえに労働者がモノとして扱われる厳しい判決が出されていると指摘した。
 さらに、自らが取材してきた非正規労働者の過酷な実態についても具体的に紹介。製造業派遣の女性が労災事故で働けなくなり、解雇通告を受けて寮を追い出され、ネットカフェ難民にまで追い込まれたことなど、貧困の実相をえぐった。
 また、「高度プロフェッショナル制度」(残業代ゼロ制度)の導入など、労働者の総奴隷化ともいえることを企てる安倍政権の労働政策を厳しく批判した。
 労働組合の復権に向けては「声を上げる限り、労働者は無力ではない。労働条件の改善など地域から労働者の砦をつくろう」と地域ユニオン運動への強い期待も寄せた。
 講演会は最後に、全港湾神戸支部姫路伊藤分会の仲間による不当解雇撤回闘争や国労近畿地方本部の仲間による16春闘への決意表明を受けた。
(憲)
写真上:東海林智さん
写真下:「貧困の現場から労働運動を展望する」と題した講演で労働運動への期待を語った東海林智さん=1月22日、神戸市勤労会館
ひょうご労働安全衛生センターが行動 1.17神戸
 阪神・淡路大震災から21年の1月17日、NPO法人ひょうご労働安全衛生センター(小西達也理事長)は、「地震・石綿・マスク支援プロジェクト」の行動の一環として、神戸市三宮の神戸マルイ店前で、通行人に防じんマスクを配りながら、アスベスト被害から身を守るためのキャンペーンを行った。マスクを受け取る人の中には、立ち止まってマスクの正しい付け方の指導を受ける人もいて、マスクの装着方法のデモンストレーションも好評だった。
 阪神・淡路大震災ではアスベストが含まれた建物が倒壊し、当時、倒壊建物の解体・撤去作業に携わった労働者の中に、中皮腫を発症し亡くなった人がすでに5人いる。アスベストは10数年から40年もの長い潜伏期間を経て発症する有害物質。今後、アスベストによる健康被害が増大する恐れが十分ある中、同プロジェクトは国や自治体に対し、防災対策の一環としてアスベスト除去促進の働きかけを行いつつ、震災時に備えてマスクの備蓄を求めることなどを提案している。
(小林)
写真:防じんマスクを配りながらアスベスト被害から身を守ろうとキャンペーン=1月17日、神戸市
1.17追悼・連帯・抗議のつどい
 第21回を迎えた「1・17追悼・連帯・抗議の集い」が、今年も1月17日早朝5時30分から神戸市役所1、2号館前で開かれた。正午からはステージも始まり、主催者あいさつ、賛同団体からの連帯あいさつ、被災者の訴えなどが続いた。
 新社会党神戸市議団を代表してスピーチしたあわはら富夫神戸市議は、借り上げ復興住宅の住み替え強要問題に触れ、「最も早いところは1月30日に市のいう『契約期限』を迎える。神戸市は法的措置も辞さないとしているが、こんなことを絶対に許してはならない。震災から21年を迎えたが、20年の節目を経て、今後、震災を風化させないための新たな1年に入ったと思う。震災被災者の生活再建で国の無策が明らかになり、これを告発してきたが、これからも国の無策を変えさせるため運動が必要だ」と訴えた。

写真:新社会党神戸市議団からあわはら富夫市議が訴え=1月17日、神戸市
「連帯兵庫みなせん」設立へ
 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会、安全保障関連法に反対する学者の会、SEALDs(シールズ)、安保関連法に反対するママの会、立憲デモクラシーの会など、戦争法に反対してきた諸団体の市民有志が昨年12月、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(略称=市民連合)を結成、夏の参院選に向けた活動を開始しているが、これに呼応するように、各地で市民が主体的に参院選に参加しようとする動きが広がっている。
 兵庫では、「連帯兵庫みなせん(みんなで選挙をやろう会)」が、佐藤三郎(護憲円卓会議ひょうご・世話人代表)と羽田尚子(安保関連法に反対するママと有志の会@兵庫・発起人)の両氏が呼びかけ人となり発足する。「野党共闘を求める市民・政党討論集会(第2弾)&『連帯兵庫みなせん』設立集会」が2月14日、神戸市立婦人会館で開かれる。
 会の目的を「安保関連法の廃止と立憲主義、平和と民主主義の回復」におき、参院選で改憲発議を許さない3分の1以上の議席確保を、と野党の選挙協力と市民主体の選挙の実現をめざす。

有事法制に反対するネットワーク東播磨
 有事法制に反対するネットワーク東播磨が主催する「第12回平和と憲法を考えるつどい」が新年早々の1月9日、加古川市の県総合庁舎内「かこむ」で開かれた。
 統一テーマを「戦争の記憶を掘り起こす〜播磨地域の戦争遺産を語る〜」として、3人からリレートークを受け、その後、参加者との意見交換が行われた。会場からの発言は10人を超えた。
 リレートークは、神戸大学大学院生の小林大貴、加古川市周辺の戦跡めぐりの著者である高校教師の菊本睦人、加西市郷土史研究会会長の藤原昭二の各氏。
 従来は、講師の話を聴くだけの催しが多かったが、今回は会場全体を巻き込む一味違ったものになった。3人の発言や意見交換の詳細を報告する紙幅はないが、これからの取り組みに少なからぬ教訓を残す画期的な「つどい」になった。
 教訓の第1は、出席者全体の参加型の企画を追求すべきであること。第2は、音声や映像で集会等の記録を残す必要のあること、第3は、事前の打ち合わせ、宣伝活動をていねいに行い、参加呼びかけに力を注ぐべきことなどである。
 メインの取り組みとあわせ、1月9日〜11日の3日間、テーマに即した資料や遺品などの特別展示が行われ、参加者は全体で130人を超える盛況であった。

(加古川M・H)

写真:「戦争の記憶を掘り起こす」をテーマにリレートークが行われた=1月9日、加古川市
インフォメーション

■学習会「年金と貧困」

  • ◎2月14日(日)14時〜16時30分
  • ◎神戸市勤労会館多目的ホール
  • ◎講師=福田義幸さん(元社会保険事務所労働者)
  • ◎参加費500円
  • ◎主催=兵庫県高齢者団体連絡会

■神戸空港開港10年抗議集会

  • ◎2月16日(火)12時15分〜13時
  • ◎神戸市役所1号館前
  • ◎参加団体によるリレートーク
  • ◎賛同団体の呼びかけ

■アベ政治を許さない!市民デモKOBE

  • ◎2月19日(金)17時30分〜19時15分
  • ◎神戸市三宮・花時計前で集会。
     その後、センター街や元町商店街をデモ行進
  • ◎呼びかけ=アベ政治を許さない市民デモKOBE
     (36団体が呼びかけ)

■第36回アジア労働者交流集会in神戸
〜台湾・インドネシアから活動家を迎えて〜

  • ◎2月29日(月)18時30分〜
  • ◎神戸市勤労会館多目的ホール
  • ◎資料代=1000円
  • ◎主催=同集会実行委員会
落合恵子講演会 〜福島・沖縄・そして憲法〜
  • 日時 2016年3月21日(月・祝日) 13時30分
  • 会場 神戸芸術センター・芸術劇場(新神戸駅南すぐ)
  • 内容 講演=落合恵子さん/ステージ企画=制服向上委員会/ゲスト発言=福島、沖縄、若者などから
  • 参加費 800円