「新社会兵庫」 10月13日号
- 各地で闘争継続の宣言
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歴代政府が憲法で禁じられているとしてきた集団的自衛権の行使を可能にし、武力行使を含めた自衛隊の海外での活動を大きく広げることで日本の安全保障政策の歴史的な大転換を図る安保関連法案=戦争法案が、圧倒的多くが反対である民意を無視した自公与党の数の力によって9月19日未明、参議院で強固可決された。日本を戦争する国に変える法案の強行可決の暴挙への強い抗議とともに、この「戦争法」は必ず廃止にするぞという意志を表明する運動が同時に始まった。「たたかいは今から」と全国各地で行動が起こっている。
戦争法案の強行採決の動きが切迫するなかの9月16日から18日までの3日間、神戸市の元町では憲法を生かす会・ひょうごネットが、6月から毎週木曜日に「戦争させない木曜行動」を続けてきたJR元町駅前で強行採決の動きに抗議し、たたかいの継続を呼びかける宣伝行動を連日50人規模で行い、「立憲主義と憲法、そして民意に背く安倍政権の打倒を!戦争法は廃止を!」と訴えた。
写真上:憲法を生かす会・ひょうごネットが行った“戦争法案”強行採決に抗議する行動=9月18日、JR元町駅前
- 戦争法制・辺野古新基地反対 県集会
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憲法ひょうご(ひょうご憲法集会実行委員会)は9月16日、「『戦争法制、辺野古新基地建設』反対9・16兵庫県集会」を神戸市中央区の私学会館で開き、これらの政治課題への取り組みの強化を決意し合った。折しも、戦争法案が参院特別委員会で強行採決されようかという時と重なり、近くのJR元町駅前で憲法を生かす会・ひょうごネットが呼びかけた緊急宣伝行動から引き続き参加する人も多くいた。
集会ではDVDで辺野古のたたかいの近況を見たのち、沖縄から駆け付けた安次富浩さん(ヘリ基地反対協共同代表)が「戦争法制とオキナワ」と題して講演を行った。
安次富さんは、非暴力の抵抗を貫き18年にわたって闘ってきた辺野古新基地建設反対闘争の歴史や大義、運動上の教訓などを、沖縄戦を原点に米軍基地を集中させ放置してきた「沖縄差別」の中に位置づけ、60分にわたって語った。
基地は沖縄の経済発展の阻害物であることや、イデオロギーの対立はやめて沖縄のアイデンティティのもとに基地との共存を拒否する沖縄の未来を“オール沖縄”でめざすことなどを強調した。
写真上:200人が参加して安次富浩さんの沖縄からの訴えを聞いた=9月16日、兵庫県私学会館 写真下:安次富浩さん
- あいば野集会に600人 9.12
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9月上旬から滋賀県のあいば野自衛隊演習場で強行された日米合同軍事演習に抗議する「日米合同軍事演習反対!戦争法案廃案!9・12あいば野集会」が滋賀県高島市で開かれ、約600人が参加した。主催したのは、平和フォーラム関西ブロックと「2015あいば野に平和を!近畿ネットワーク」。
今年で14回目となる日米合同軍事演習を前にした8月16日には実弾発射訓練の最中に、3・5`離れた民家の天井板を実弾が貫通し床に落下するという重大事件が起きたばかりで、日頃から人身事故と紙一重の危険な状況が作られている。
集会では、沖縄平和運動センターの福元勇司副議長と、Xバンドレーダー米軍基地建設を憂う宇川有志の会の永井友昭事務局長が連帯のあいさつ。福元氏は、辺野古新基地建設反対の座り込みが昨年7月から続けられている状況を報告した上で、今後、埋め立て承認取り消しで国との裁判闘争になることを述べた。また、永井氏は集団的自衛権が行使できる戦争法案が通ると京丹後は危険な場所になることは間違いないと述べ、10月31日に京丹後市で開催される「米軍基地いらんちゃフェスタ2015」への参加を呼びかけた。
(N)
写真:沖縄と京丹後から連帯のアピールが行われた=9月12日、滋賀県高島市
- 平和憲法を守る高砂市民の会
平和憲法を守る高砂市民の会は9月21日、高砂市内で「平和を考える集い」を開き、高作正博関西大学法学部教授を講師に「『非立憲』政治とクーデター〜『戦争法案』を批判する〜」と題する講演に学んだ。
講演に先立ち、最近の辺野古の攻防の状況をDVDで見、地域の女性による「護憲・脱原レディース漫才」も楽しんだ。
講演では高作さんはまず、戦争法案の審議過程で明らかになったこととして2点を指摘。4月の日米ガイドラインの改定でいっそう不対等な日米関係へと変化したことと、「戦後レジームからの脱却」のかけ声のもと、日本社会が歴史・経緯や学問的蓄積の否定や共生、自由の否定など「反知性」的な状況と対峙しなければならなくなっていることをあげた。
そして、今回の戦争法制について、「武力の行使は永久にこれを放棄する」とする憲法第9条第1項を出発点に、すなわち「武力の行使」に該当する(違憲)のか否かを論点に、従来の政府見解から何が変えられたのかを、「外国軍隊の武力行使への関与」と「集団的自衛権の行使」の、法制の2つの柱についてそのポイントを整理・解説し、それらを通じて、法制は「戦争当事者になること」「日本は戦争のできる国になること」の決意表明であると厳しく批判した。
さらに、結びとして戦争法制との今後のたたかいについても言及し、「覚醒した市民」と表現できるような反対運動から、民主主義は期待できると希望を持ちながらも、「世論誘導」などとの闘いも不可避であることを指摘。来夏の参議院選挙での改選阻止議席数は81だと示して、その実現を可能にする民主主義をつくることが課題だと提起した。
写真上:高作正博さんの講演で戦争法制についての理論的な批判を学んだ=9月21日、高砂市 写真下:高作正博さん
- 安保法案で活発議論 東灘
憲法を生かす・東灘とろっこう医療生協だいこく班の共催による「うはら・憲法カフェ」が9月5日に開かれ、会場いっぱいの34人が集まった。
吉江仁子(きみこ)弁護士(明日の自由を守る若手弁護士の会=あすわか)から「安保法案は、なんで戦争法案なん?」というテーマで、@安保法制の概要A安保法制の目的と狙いB憲法との関係Cなぜ安保法案に反対するかD今、私たちにできること、という内容の話がされた。さらに「武力行使では問題は解決しない。もっと違う方法を考えられないだろうか」との問題提起も受けた。
その後、3つのグループに分かれ、お茶やお菓子を食べながら感想や意見、疑問点を自由に出し合った。どのグループも活発に意見や疑問が噴出した。
今回の参加で疑問点がスッキリした人も、またまだしなかった人もいたが、大切なことは、参加者からも「日常では政治的な話がなかなかしにくいし、また、できないので、こうして話せて良かった」との感想があったように、日常の中で、今一番問題になっている安保法案について話し合える場をつくれたことだと感じた。
この「憲法カフェ」はこれからも続けていく。平和を守るためには、何が必要かをワイワイガヤガヤと話し合っていくために。
(新原)
写真:9月5日の東灘区の憲法カフェ
- これからの運動で論議 北区
憲法を生かす北区の会は9月27日、第2回憲法カフェを開いた。川元志穂弁護士(あすわか)から提起を受け、14人の参加者から発言が相次ぎ、あっという間に2時間が過ぎた。安保法制が成立したいま、それが憲法上、許されるものであるのか、生かす会は今後どのような活動をしていくのか、ということが話し合いのテーマだった。
初参加の19歳の息子を持つ母親は、「息子ときちんと話をするために学習したい。来夏の参院選には絶対に行きたいし、行く人を増やしたい」などと勢いよく発言。それに触発されてか、参加者全員が、これからの高校での選挙権に関する教育、自衛隊の存在が合憲なのかという本質論、後方支援の曖昧さなど、今回の安保法制成立に関して考えてきたことなどが次々と発言され、活発な話し合いが続いた。
カフェの締めくくりにあたり、安保法制の実施を止めるためにも来夏の参院選に勝利すること、そのためには、いま生かす会が取り組んでいる朝ビラ、ニュースの発行、学習会・各種集会への参加者を増やしていくことなどを申し合わせた。
(山ア)
写真:9月27日の北区の憲法カフェ
- 憲法を生かす会・西神戸連絡会
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5年目を迎えた、憲法を生かす会・西神戸連絡会が主催する「2015西神戸憲法集会」が9月13日、神戸市長田区の新長田勤労市民センターで開かれ、会場満席の170人が参加した。
今回は憲法25条に焦点をあて、『下流老人』(朝日新書)の著者でテレビなどでも活躍中の藤田孝典さん(NPO法人ほっとプラス代表理事)から「誰もがなり得る『下流老人』」と題した講演を受けた。
藤田さんはまず、ワーキングプア、貯蓄ゼロ世帯、相対的貧困率、生活保護利用者、ジニ係数など「貧困と格差」に関わる統計上の数字を示し、「もはや憲法25条は実質的に破壊され尽くしている」「社会不安から暴動が起きても不思議ではない数字だ」と日本社会の劣化を指摘。とくに最近の特徴として社会保障の低下で急激に増える高齢者の貧困に注目し、「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」を「下流老人」と自らの造語で定義し、「下流老人」が広範に生み出されていく社会構造に警鐘を鳴らした。そして、こうした現状から年金、介護、医療だけではなく住宅や教育全般にも関わる社会保障が必要不可欠であることを強調し、「次世代のためにも高齢者こそ声を上げ闘ってほしい」と投げかけた。
講演後の質疑では住宅や介護の問題などで活発な意見が出た。
写真上:会場いっぱいの170人が参加し、憲法25条にかかわる課題を考えた=9月13日、新長田勤労市民センター 写真下:藤田孝典さん
- 新社会党神戸市議団が公開学習会
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新社会党神戸市会議員団は9月6日、神戸市中央区のひょうご共済会館で介護保険制度「改正」を考える公開学習会を開いた。昨年11月に続く第2弾の取り組みで、徳島県三好市社協職員の講演や介護現場の報告に学んだ。
主催者としてあわはら富夫神戸市議は「介護の社会化から地域で支える介護への移行、そのなかでの公の責任をどうするのかについて考えよう」とあいさつ。
「介護保険制度『改正』と地域包括ケアシステム」という講演では、社協職員の橋本敦士さんが、高齢者急増による給付増を抑制するための新たな地域包括ケアシステムについて説明。具体的なケースから、医師、看護師、保健師、ケアマネ、社協職員、民生委員など他職種による地域ケア会議がケアシステム創設の前提となると強調した。
質疑では「ケア会議はどこが主導するのか」「誰が中心となりケアシステムを創るのかで戸惑いがある」など多くの意見が出され、講師との応答などで行政の責任であることを確認した。
介護現場からは2人の報告が行われた。神戸市灘区在住の築山智津子さんは、認知症の母親の介護と仕事の両立で悩み、早期退職と介護の日々からグループホームへの入所など介護保険と職員に支えられたと語った。ろっこう医療生協ヘルパーの菊地真千子さんは、兵庫県の離職率が19・4%という介護職員不足の実情と全産業労働者と比べて月例平均賃金が10万円以上低いヘルパーの実態を報告した。
最後に、多くの関係団体とともに介護保険制度改定に対して介護現場から自治体要求づくりができる組織を立ち上げようとの提案が行われた。
(K)
写真:地域包括ケアシステムを検討した学習会=9月6日、神戸市中央区
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