「新社会兵庫」 6月10日号
基地建設の工事着工を強行
 京都府京丹後市の経ヶ岬に配備が予定されている米軍の移動式早期警戒レーダー「Xバンドレーダー」の基地建設をめぐって反対運動が強まっているなか、その工事着工が5月27日午前に強行された。前日に着工を知った地元の反対住民や京都、大阪、滋賀、兵庫から急きょかけつけた40人を超える人たちが現地で緊急抗議行動を行った。

 現地での抗議行動は、地元の「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」と支援者たちで午前9時から開始された。レーダー配備先の航空自衛隊経ヶ岬分屯基地前で防衛省、近畿中部防衛局に対して申し入れを行い、その後は地元集落への各戸ビラ入れが取り組まれた。
 防衛省が着工日時を地元自治体である京都府と京丹後市に通知したのは着工前日の26日午後。5月中の着工を想定して京都府は先に防衛省に対して具体的な工事スケジュールを地元に事前に周知するよう申し入れていたにもかかわらずだ。さらに、27日からの着工に先立ち、レーダー配備先の自衛隊基地内では米軍に提供する敷地を更地にするため26日朝から既存施設の撤去作業などが始められている。
 27日は資材の搬入から始まったが、これまでの説明では、今後、管理棟や通信施設などの工事が行われ、10月にはレーダーの機材を搬入、12月から運用開始の予定だという。完成すれば近畿で唯一の米軍基地となり、約160人の軍人・軍属が配置されることになる。
 こうした動きに対し、反対運動を進める「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」や「米軍Xバンドレーダー基地反対・近畿連絡会」などでは、あくまでも基地建設の撤回を目指して粘り強く運動を展開していくことを確認しており、今後、地元住民対象の学習会や集会などの企画、節々での抗議行動、土地の賃貸契約を拒否する地権者の土地での団結小屋の建設など、さまざまな運動を重ねることを計画している。

写真:着工が前日に分かったにもかかわらず急きょ現地にかけつけた支持者も合流して緊急の抗議行動が持たれた=5月27日、京都府京丹後市

「安保法制懇」報告書糾弾/安倍の解釈改憲を許すな
集団的自衛権行使は他国のために戦争をすること
 安倍首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤に関する懇談会(安保法制懇)」は5月15日、報告書を提出、憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使を容認するよう提言した。これを受けた安倍首相は同日、記者会見で「基本的方向性」を発表、解釈改憲で集団的自衛権行使容認へ突き進むことを宣言した。立憲主義を否定する、憲法解釈変更の閣議決定に向けて与野党協議が行われているが、この道こそ憲法9条を否定し、日本が他国のために海外で戦争する道だ。安倍政権の暴走を止め、安倍政権打倒への運動を強めよう。
写真:憲法あしやが集団的自衛権行使容認をめぐってシール投票を実施=5月31日、芦屋市
新社会党県本部が県に申し入れ
 兵庫県と阪神地域の8市町(尼崎、伊丹、川西、宝塚、三田、西宮、芦屋の7市と猪名川町)が今年8月に実施する総合防災訓練に在日米軍が参加することに対し、新社会党兵庫県本部(粟原富夫委員長)は5月12日、井戸県知事宛てに米軍の参加を中止するよう申し入れた。
 この申し入れ内容について、県災害防災課から口頭回答を受ける場が15日に持たれ、粟原委員長以下3役全員と井上力灘総支部書記長(同県政対策委員長)の8人が参加して県の見解を質した。
 防災訓練への米軍参加は、関係市町への事前説明や了解がないまま井戸県知事が独自の判断で要請したもので、8月31日に南芦屋浜を中心に行われる予定。兵庫県での防災訓練への米軍参加は初めてで、自治体レベルでは異例のことだ。災害に備えて自治体が住民の命と安全を守るという本来の役割と責任を果たすための災害対策計画や体制を十分に構築しないで、いきなり外国の軍隊である米軍をあてにするという姿勢は矛盾しており、拡大すれば集団的自衛権行使への地慣らしにも通じる危険性があると、今後、県や関係市町へ自治体議員や運動団体が共同で中止を働きかけようという動きも起こっている。
写真:県本部三役がそろって県からの回答について質した=5月15日、県災害対策センター
神戸空襲を記録する会 6.1
 神戸空襲を忘れない、神戸空襲の犠牲者の名を刻んだ慰霊碑を建てようと、「神戸空襲を記録する会」(中田政子代表)が呼びかけ、多くの賛同者の協力で昨年8月15日、大倉山公園(神戸市中央区)の一画に「いのちと平和の碑」が建てられた。刻まれた名は1752人。
 その後、新たに158人の名前が判明、6月1日、初の刻銘追加式が碑が立つ場所で営まれ、刻まれた名は158人を加えた1910人になった。
 式には遺族ら約200人が参列。犠牲者に黙とうをささげたのち、中田代表があいさつに立ち、「あの悲惨な空襲の経験を伝えなくてはとここに碑ができた。戦争で人々がどんな思いをしたのだろうか、亡くなった人たちにどんな未来があったのだろうかと、とくに若者が思いをめぐらせる場所にしてほしい。2度とあんな体験をしたくないということを伝える場所にしていきたい。8千人以上の犠牲者に対してまだこれだけの刻銘というのは悔しいが、少しずつでも増やしていきたい」などと語った。
 つづいて、新たに158人の名前が刻まれた銘板が碑に取り付けられ、式の最後には、158人の名前が一人ひとり読み上げられるなか、参列者は碑に献花を行った。  「神戸空襲を記録する会」は今後も慰霊碑に刻む犠牲者の名前を募っている。連絡先078‐642‐2518(同会)
写真:新たに158人の名前が加わり1910人の名前が刻まれた「神戸空襲慰霊碑」=6月1日、神戸市中央区・大倉山公園

神戸空襲 アジア・太平洋戦争の末期、アメリカのB29爆撃機が神戸にも飛来し、1945年には爆撃機による攻撃が激化。2月4日、3月17日、5月11日、6月5日、8月6日の空襲で神戸の市街地が大きな被害を受け、神戸の街は一面、焼け野原と化した。8千人以上が亡くなったといわれているが、正確な数は不明。
大会終了後は集団的自衛権問題で宣伝行動
 I(アイ)女性会議兵庫県本部(加納花枝代表、通称「アイ女性会議ひょうご」)は5月18日、第53回県本部大会を神戸市内で開いた。
 I女性会議は、各県ごとにばらつきはあるがほぼ全県に会員を有する全国組織で、機関紙「女のしんぶん」を月2回発行している。兵庫県本部は長年、女性の労働と平和運動を中心に活動を続け、県本部の機関紙として「ウーマンズカレント」を年4回発行している。
 大会では日ごろの活動を振り返り、支部や会員の日常活動を交流したが、今年は憲法の危機という今日的課題から、元中学校の社会科教員であった西宮支部の半澤恵子さんに、近世史から憲法の理念である立憲主義が誕生してきた思想的な背景を説明してもらった。カードを駆使した「公民の授業」はとても分かりやすく、日本国憲法がいかに人類の英知の到達点として造られたものであるかがよく理解できた。
 大会終了後は、集団的自衛権行使容認反対のビラまきと署名行動を行い、用意したビラはあっという間になくなった。署名に応じてくれた被曝4世の若者が、平和を歌った自分のCDをプレゼントしてくれるといううれしいハプニングもあった。厳しい情勢に力を合わせることを肝に銘じあった大会であった。
(M)
写真:日常活動の交流とともに憲法の問題についても学習の場を持った大会=5月18日、神戸市
新社会党県自治体議員団が研修交流会
 社会党兵庫県自治体議員団会議(議長=あわはら富夫神戸市議)は5月7日、定例の研修交流会を神戸市内で開催した。
 交流の議題は、先の予算市会での議論やその特徴が中心。主な議論内容は、@4月からの消費税引上げにともない地方消費税交付金が自治体に交付されるが、引き上げ分は社会保障4経費(年金、介護、医療、子育て)に充当されるとされており、その使途の明確化を求める必要性、A三木市で県内初の公契約条例が制定される中での各自治体での動き、B「子ども・子育て支援法」により市町村への設置が規定された各自治体での「子ども・子育て会議」の現状など。これらを報告しあいながら交流が行われた。また、先進的に取り組まれている西脇市議会での議会報告会の現状や課題についても報告を受けた。
 一方、県と阪神地域8市町が主催して8月に行われる総合防災訓練に在日米軍が初めて参加する問題については、関係自治体では事前に米軍参加のことは一切相談がなかったことなどが報告され、今後、各関係議員団で市町に米軍参加中止を申し入れることや、6月議会でも追及していくことを確認した。
(N)